株式会社ポーラ(本社:東京都品川区、代表取締役社長:及川 美紀)のPOLAイノベーションセンターは、2024年11月18日~20日に神戸国際会議場で開催される第2回日本化粧品技術者会学術大会の口頭発表部門において、ゆずの残さから抽出したエキスの研究成果を東京工科大学応用生物学部応用生物学科の松井毅教授と共同で発表します。

◆論文タイトル:
「未利用資源であるゆずの搾汁カスから抽出したエキスはヒト角層の剥離促進に関わる」
発表者:
東京工科大学応用生物学部応用生物学科:大港 実柚、松井 毅
株式会社ポーラ POLAイノベーションセンター:出川 朋美、多田 明弘

◆発表内容
ゆずの残さから抽出したエキス
高知県産のゆずの残さを50%エタノール水溶液で抽出して、エキスを調製しました。

ゆずの残さから抽出したエキスの角層への効果
1.デスモソーム減少効果 2.角層の剥離を正常にする効果
ヒト三次元表⽪モデルの角層表面に、0.5%のエキスを添加して37℃、5% CO2下で24時間インキュベート後、固定、包埋、薄切を行った後、ヘマトキシリン・エオジン(HE)染色と電子顕微鏡解析を行いました。

1.デスモソーム減少効果
単位面積当たりのデスモソーム数を測定した結果、エキスありの場合に有意なデスモソームの減少がみられました。このことから、エキスは、デスモソームを減少させる効果があることが明らかとなりました。(図1、図2)





2.角層の剥離を正常にする効果
HE染色画像及び電子顕微鏡画像において、エキスありの場合、エキスなしの場合と比べ、角層により多くの隙間(白い部分)がみられ、角層の剥離が正常な状態であることがわかりました(図3)。このことから、エキス添加により、デスモソームが減少し角層の剥離を正常に推進された可能性が考えられます。



(POLAイノベーションセンター、東京工科大学との共同研究)

以上のことから、ゆずの残さから抽出したエキスは、角層に隙間を作る効果があり、隙間がセラミドなどの細胞間脂質で満たされることにより、角層のバリア機能と柔軟性を高めることが示唆されます。

POLAイノベーションセンターについて
株式会社ポーラは2022年7月より本社内に「POLAイノベーションセンター」を発足しました。
サイエンス&テクノロジーを武器にオープンイノベーションを推進し、新たな価値の創出を実現していきます。
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