~ 必要性も世代で賛否割れ ハラスメントリスクや幹事”誰やる”問題の声 ~

 転職サービス「doda」などを提供するパーソルキャリア株式会社が運営する調査機関『Job総研(※1)』は、440人の社会人男女を対象に「2024年 忘年会意識調査」を実施しました。本調査は、過去の職場忘年会の開催年や、今年の開催有無と参加意欲、その年代別回答と参加したい理由、またコロナ禍の忘年会自粛意識に加え、コロナ禍を通して変化した参加意欲と必要性、そして飲み会での振る舞い意識などを調査したものです。




【忘年会文化の行末】
 2023年のJob総研による忘年会意識調査(※2)では、実施率がコロナ前の水準に回復するも、忘年会の必要性に賛否が分かれる結果となりました。また、コロナ禍で新社会人となった世代を含む20代の参加意欲が最も高く、今後の忘年会文化の盛り上がりが予想される中、今年も忘年会シーズンとなりました。コロナ5類移行から1年が経った現在、実際にはたらく社会人の忘年会に対する意識はどのように変化しているのでしょうか。
 Job総研では440人の社会人男女を対象に、過去の職場忘年会の開催年や、今年の開催有無と参加意欲、その年代別回答と参加したい理由、またコロナ禍の忘年会自粛意識に加え、コロナ禍を通して変化した参加意欲と必要性、そして飲み会での振る舞い意識などを調査した「2024年 忘年会意識調査」を実施しました。
【調査概要】
調査対象者 :現在職を持つJobQ Town(ジョブキュータウン)登録者
調査条件  :全国/男女/20~50代
調査期間  :2024年11月1日~11月6日
有効回答人数:440人
調査方法  :インターネット調査

【TOPICS】
・全体の93.7%がコロナ禍自粛意識あり 今年の実施率は73.6%とコロナ前の61.4%超
・全体の54.1%が今年職場忘年会に「参加したい」 20代が2年連続最多 参加理由は「同僚との親睦」が1位
・全体の64.1%がコロナ禍を経て「参加意欲が低下」 対面飲み会の必要性は「感じなくなった」が52.0%
・必要性感じる理由は「信頼関係築きやすい」、必要性感じない理由は「時間を家族や趣味に使いたい」が1位
・全体の63.2%が飲み会で周囲の振舞いが「気になる」 飲み会で意識するのは「次の飲み物を聞く」が1位



【コロナ禍の自粛意識と過去の開催年】
 回答者全体の440人にコロナ禍の忘年会の自粛意識を聞くと「自粛していた派」が93.7%で大多数を占め、「とても自粛していた」は43.9%、「自粛していた」は35.9%、「どちらかといえば自粛していた」は13.9%でした。また、過去職場で忘年会が実施された年を見ると、コロナ禍前の2019年では61.4%だったものが、コロナ禍に入った2020年に12.3%まで減少し、2021年には12.0%とほぼ横ばい、2022年に入ると20.7%に増加し、5類移行後の2023年は60.2%と、コロナ禍前にやや回復する傾向が見られました。




【今年の職場忘年会の開催有無と参加意欲】
 回答者全体の440人に聞いた今年の職場忘年会の実施有無では「開催あり」が73.6%、「なし」が26.4%で、前年の実施率を上回る結果となりました。今年の職場忘年会への参加意欲を聞くと「参加したい派」は54.1%で過半数を占め、内訳は「とても参加したい」9.1%、「参加したい」19.5%、「どちらかといえば参加したい」25.5%でした。




【年代別参加意欲と参加したい理由】
 年代別の参加意欲では20代の「参加したい派」が68.8%で最多となり、次いで40代が51.9%、30代が49.2%、50代が40.3%の結果になりました。参加したいと回答した238人にその理由を聞くと「同僚との親睦を深めたい」が49.2%で最多となり、次いで「対面で話す機会が欲しい」が47.1%、「上司との関係を構築したい」が36.1%となりました。




【コロナ禍で感じた参加意欲と必要性】
 回答者全体の440人にコロナ禍を経て感じた忘年会の参加意欲を聞くと「参加意欲は低くなった派」が64.1%で過半数を占め、内訳は「とても参加意欲は低くなった」17.7%、「参加意欲は低くなった」19.1%、「どちらかといえば参加意欲は低くなった」27.3%でした。同また、コロナ禍で感じた対面飲み会の必要性については「感じなくなった派」が52.0%で過半数を占め、内訳は「全く感じなくなった」15.2%、「感じなくなった」13.9%、「どちらかといえば感じなくなった」22.9%でした。




【必要性を感じるようになった・感じなくなった理由】
 対面飲み会の必要性を感じるようになったと回答した211人にその理由を聞くと「信頼関係が築きやすい」が62.6%で最多となり、次いで「相互理解しやすい」が54.0%、「次回声をかけやすくなる」が42.2%となりました。必要性を感じなくなったと回答した229人にその理由を聞くと「時間を家族や趣味に使いたい」が44.1%で最多となり、「費用の負担がなくなる」が43.7%、「対面による気遣いが負担」34.9%が続く結果となりました。




【飲み会での振る舞い意識】
 回答者全体の440人に飲み会で周囲の振る舞いが気になった経験の有無を聞くと「経験がある派」が63.2%と過半数を占め、内訳は「とても経験がある」13.6%、「経験がある」18.2%、「どちらかといえば経験がある」31.4%でした。同回答者に職場の飲み会で意識することを聞くと「次の飲み物を聞く」が42.0%で最多となり、次いで「席順」が33.6%、「上司にお酒を注ぐ」が33.4%となりました。



※更に詳細な集計データは別紙「2024年 忘年会意識調査 報告書」をご参照ください(※3)


【回答者自由記述コメント】
職場の忘年会文化に関する賛否が分かれるコメントが多く見られました。
■賛成派
・お酒の席で対面で同僚や部下と話せるのはかなりメリットが大きい。リモートを通してやっと気づけた
・日本に根付いた忘年会文化を大事にしたい。マネジメントもこの文化を上手く使うといい
・飲みの場を通して部下と気軽に話したいので賛成。ハラスメントと受け取られないよう注意している
・楽しい時間を一緒に過ごせることで相手の一面を知り、打ち解けられるので仕事がやり易くなる
・若い頃は飲み会への参加を毛嫌いしていたが、振り返れば周囲と話しやすくなるなど良い側面も多いと思う
・飲みニケーションは、人のつながりが薄くなって来た今こそ重要性が増していると思う

■反対派
上司からの指名は断りづらく幹事ならば参加必須なのが苦痛。参加したい人に幹事を代わってほしい
・忘年会を否定するつもりはないが、わざわざ大勢の気を遣う飲み会ではなく、仲が良い人とだけ飲むので充分
・上司や先輩に気を遣うのは疲れるし愚痴や不満を聞きたくない。その時間を自分への投資に使いたいと思う
・幹事をした際には式次を作ったり酒を注いで回ったり色々やりました。疲れる仕事に感じてしまいます
・一度だけなら良いが、所属する仕事によって参加回数も増えるため、時間と金銭の負担がハンパない
・飲み会で一度でも嫌な思いをした人は、その後の忘年会にも抵抗感や嫌悪感が生まれてしまうのかなと思う

※その他、忘年会に関するコメントは「JobQ Town」にて確認いただけます。
https://job-q.me/28718


【調査まとめ】
 今回実施した「2024年 忘年会意識調査」では、全体の9割がコロナ禍の忘年会を「自粛していた」ものの、今年2024年の実施率は7割と前年だけでなく、コロナ禍前の水準を上回る結果となりました。また、今年も「参加したい派」が過半数を超え、20代の参加意欲が2年連続最多となりました。参加したい理由では「同僚との親睦を深めたい」が1位となり、他にも「上司との関係構築」を期待する声が挙がっていることから、コロナ禍で社会人になった20代の参加意欲が高くなっている背景が読み取れる結果となりました。
 しかし、全体の6割がコロナ禍を通して忘年会の参加意欲は「低くなった」だけでなく、対面飲み会の必要性についても意見が割れる結果となっています。対面飲み会の必要性を感じるようになった理由は、「信頼関係・相互理解のしやすさ」や、「次回用事があった際に声をかけやすくなる」など”職場のコミュニケーション”にフォーカスした回答が上位となりました。一方必要性を感じなくなった理由では、「家族や趣味の優先」・「対面による気遣いや費用の負担」といった、時間や費用、コミュニケーションの見直しなどの”個人の生活”にフォーカスした声が挙がり、重視する点が異なる傾向が見えています。
 そして全体の6割が飲み会で周囲の振る舞いが気になったことがあると回答する中、昨年のJob総研調査内(※2)で”不要な飲み会文化”として上位に挙がった「グラスが空いた人に次の飲み物を聞くこと」「席順」「上司へのお酌」が今年の調査では、職場飲み会で意識することとして上位3回答に挙がっています。これらの結果から、飲み会での暗黙ルールは大多数が不要と思っているものの、平成・昭和の風潮が未だ残っていることが読み取れました。30~50代の参加意欲が20代に追いついていない状況やコロナ禍を通して対面での飲み会の必要性が薄くなっている状況を踏まえると、今後も職場忘年会文化の必要性が見直されるだけでなく、個々人の希望に合った忘年会及び飲みニケーションスタイルが増えていく可能性が見える調査結果となりました。『Job総研』では今後も職場忘年会の動向を追ってまいります。
 「明日の常識を、ココから。」をコンセプトとする『Job総研』では、世の中で当たり前とされている事を疑い、はたらき方に関連する様々な調査を実施してまいります。そしてリアルで透明度の高い情報を発信することで、個が活躍する社会の実現に向けて貢献してまいります。




パーソルキャリア株式会社 はたらく未来図構想統括部
JobQ部 コミュニケーション戦略グループ Job総研 PR担当

高木 理子(たかぎ りこ)
2020年からのインターンを経て2022年に新卒入社。コンテンツマーケティンググループ所属後、2023年に広報へ異動し"はたらく社会人や就活生"を中心に様々な観点から意識や行動などについて調査研究を実施するJob総研にて調査研究を担当。Job総研を通して「社会とつながる」を個人のビジョンに掲げ、市場の現状と未来を分析し、社会へ発信することではたらく社会人や就活生の選択機会に貢献する事を目的として活動している。





【 (※3) 2024年 忘年会意識調査 報告書】
報告書では同調査の属性やその他設問の回答結果をより詳細にご確認いただけます。
https://job-q.me/articles/15685

【(※2) 2023年 忘年会意識調査 報告書】

https://jobsoken.jp/info/20231120/
Job総研では、2021年より「忘年会意識調査」を実施しております。
・2022年版(2022年11月14日公開) https://jobsoken.jp/info/20221114/
・2021年版(2021年11月15日公開) https://jobsoken.jp/info/20211115-2/

■(※1)Job総研についてhttps://job-q.me/categories/job-souken
『Job総研』は今後もキャリアやはたらくに関する調査を続けるだけでなく、調査で拾いきれない「社会・企業・個人」3つの観点からの声を収集することで、これまで以上に確立した取組を行ってまいります。その手段として、アンケート調査によって明らかにした事実をもとに、はたらく現場でのリアルな疑問を収集し、それに対する個人の回答も収集します。そして世の中で当たり前とされている事を疑い、明日の常識をココから見つけられるコンテンツとしての情報発信をしてまいります。

■JobQ Townについてhttps://job-q.me/
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https://job-q.me/tags/22101

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