~小学校での「出張うんち教室」 石川県七尾市で実施決定~

 王子ネピア株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:森平高行)とNPO法人日本トイレ研究所(所在地:東京都港区、代表理事:加藤篤)は、11月19日の「世界トイレの日」に合わせて、親子を対象にうんち(排便)に関するアンケート調査を行いました。
調査の背景
 「排便(うんち)」は心身にさまざまな影響をおよぼす一方、小学生になると親が子どものうんちの状態を把握することは難しいとされています。子どもたち自身が自分の健康を意識し、また、集団生活の中で、安心してトイレに行ける環境を整えるために、小学生のうちから、うんちについて学ぶ必要があるといえます。親子のトイレや排せつに対する意識や理解度を把握することを目的に本調査を実施しました。

調査のサマリー
・親も子も、約7割がうんちについての教育を受けたことがない
・約45%もの子どもが小学校でうんちを我慢することがある
・排便について子どもと話す機会が少ない親の約4割が「自分の知識が乏しく、何を話していいかわからない」
・うんちを我慢することで子どもに起こる「心理的傾向」は「身体的傾向」に比べて親に認知されていない傾向
・親子ともに、学び方として「学校で保健室の先生に授業をしてほしい」という意見が約半数


■うんちについての教育は不十分。約半数の子どもが学校でうんち(排便)を我慢することがある

グラフ1


グラフ2

 親と子どもそれぞれに、うんちについての教育を受けたことがあるか尋ねたところ、親子ともに約7割が「教育を受けたことがない」と回答。うんちに関する教育機会は親世代も小学生も十分ではないことがわかりました。また、学校滞在時にどのくらいの頻度でうんち(排便)に関する出来事が起こるか聞いたところ、「トイレの環境(清潔感や周囲の音)が気になる(50.8%)」「うんち(排便)をしたら臭いが気になる(47.8%)」というトイレ環境に関する出来事に次いで、45.5%の子どもが「うんち(排便)を我慢してしまう」と回答。日常の多くの時間を過ごす学校で、これだけの子どもがうんちを我慢してしまっている現状が明らかになりました。

■うんちに関する「知識が乏しい」親は約4割、うんちを我慢することで身体だけでなく心理的な影響も?

グラフ3


グラフ4

 子どもと排便について話をする機会が少ないと回答した親の約4割が「自分自身の知識が乏しく、何を話していいかわからない(41.3%)」と回答。子どもが排便を我慢することによって起こることについては、全体的にポイントが低いものの「我慢することが癖になると便秘が習慣化しやすくなる(47.5%)」「おなかが張ってしまうことで食欲不振につながる(32.8%)」といった身体的傾向は比較的認識されている傾向にありました。一方で、「自分のことを自分で決められないという不安感が強くなる(16.3%)」「学校や友達との遊びを楽しめなくなる(16.8%)」などといった心理的傾向は多くの親が認識していないという結果になりました。

■親子ともに、うんちについては学校で保健室の先生から学びたいというニーズが強い

グラフ5

 親子にわたってうんちに関する教育が不十分という状況の中、うんちをすることの大切さや、うんちと身体の関係について学べる機会があれば学んでみたいと答えた答えた親子のうち、どのような方法で学んでみたいかという質問に対し、親も子も「学校で保健の先生に、授業をしてほしい」と答えた割合が最も多く、約半数にのぼりました。グラフ1で「うんち(排便)に行ったことが友達にばれるのが心配」と答えた子どもが45.0%であることからも、学校で一斉にうんちに関する教育を受けることで、うんちをすることの大切さを子どもたちの間で共通認識として持ち、うんち(排便)は恥ずかしいことではないという意識に変えていくことが効果的であるといえます。

調査結果を受けての医師からのコメント



学校法人神戸学園 理事・校長/さいたま市立病院 小児外科 非常勤・元部長 中野美和子
 今回の調査では、小学校で排便を我慢する児童の割合が約半数にのぼりました。便意は生理的な身体の要求で、それを無視すること自体が、成長期の子どもにとっては心身共に問題となり、自分の身体を大事にしなくてよい、というメッセージになります。便意を我慢した結果、いつ便意がおきるかわからない、ということになり、授業中や遊んでいる時に集中力が削がれる可能性が高いです。それが学校という場で、これほど多くの子どもでおきていることは問題として認識する必要があります。
 また、親子ともに排便に関する教育が不十分であることが明らかになりました。排便が身体からのお便りであり、生活態度の反映であることを教育されていれば、親子とも排便状態にもう少し関心を持つことにつながると考えています。親子ともに学校での教育を希望しているという結果からも、排便を切り口として、身体のことを考える教育を学校で行えると良いかもしれません。


出張授業「うんち教室(R)」石川県七尾市の小学校で実施決定
 学校でのうんちに関する教育へのニーズを受け、王子ネピアと日本トイレ研究所は、2007年から行っている小学生向け出張授業「うんち教室(R)」を今年度より5年ぶりに活動再開いたしました。8月に実施したオンラインでの小学校教諭・養護教諭向け「うんち教室研修会」に続いて、石川県七尾市の2つの小学校で出張うんち教室を実施いたします。

 1. 12月3日(火) 石川県七尾市立天神山小学校
 2. 12月4日(水) 石川県七尾市立東湊小学校

 石川県七尾市は、本年1月に発生した能登半島地震の影響を受けた地域です。日本トイレ研究所も定期的に現地を訪問しました。当たり前の日常生活を送ることが困難になってしまった子どもたちに、うんち教室を通じて笑顔になってほしいと願い、七尾市で実施いたします。


低学年向けテキスト

中高学年向けテキスト

 今年度より、うんち教室で使用するテキストをバージョンアップしました。さらに、“トイレットロールは森からのおくりもの”という思いをこめて、新教材のステッカーをご用意しました。うんち教室で学んだことを吹き出しに書き込み、トイレに貼ることができます。テキストやステッカー※は、ご家庭でも活用いただけるよう、公式サイトからダウンロードも可能です。
 ※ご家庭用はステッカーではなくポスターとなります

公式サイト:https://www.nepia.co.jp/sustainability/unchi-kyoushitsu/


ステッカー(鳥)

ステッカー(さる)


ステッカー(りす)

ステッカー(ももんが)

調査概要
調査期間:2024年10月11日(金)~15日(火)
調査対象:小学生の子をもつ全国の男女20~60代 400名
小学校1~3年生男児の父親/母親(各50名)、女児の父親/母親(各50名)
小学校4~6年生男児の父親/母親(各50名)、女児の父親/母親(各50名)
回答方法:親子一緒に回答(親向けの調査は親が回答/子ども向けの調査は親が代理で回答入力)
調査方法:インターネット調査


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