~尿意の不安にも世代間ギャップ/若年層は“緊張・プレッシャー”も要因に~

 漢方薬を中心とした一般用医薬品と医療用医薬品を販売するクラシエ薬品株式会社は、当社が制定する11月24日の「いい尿の日」に合わせて、20~70代以上の男女を対象とした「尿トラブルとメンタルに関する意識調査」を実施しました。また、10月17日(木)には「漢方で健康な毎日を 尿のお悩み対策セミナー」を開催しました。

 当社では、寒さが本格化すると頻尿や夜間頻尿などの尿トラブルが増えることから、その啓発や症状に合った治療を広く呼び掛けることを目的に、11月24日を「いい尿の日」(11=いい、24=にょう)として、2015年に制定しました。

 10月17日(木)の「漢方で健康な毎日を 尿のお悩み対策セミナー」では、日本泌尿器科学会専門医・日本東洋医学会専門医の大藪真理子先生を講師にお招きし、尿トラブルの原因や漢方薬での対処法について講演いただきました。会場には350名以上の方が参加し、「急に行きたいと思ったら我慢できなくなる」「長距離移動の時など、心配になると行きたくなる」など、メンタル的な対策やセルフケアの方法などを求める声が多く寄せられました。そこで今回は、尿トラブルとメンタルの関係性を探る調査を実施しました。
<「尿トラブルとメンタルに関する意識調査」トピックス>
● 2人に1人がトイレに行きにくい状況で“尿意が心配になる”と回答
● 尿意が気になるシチュエーション/1位は「長時間の移動時」
● 若年層は“緊張・プレッシャー”がかかるシーンで尿意の不安を実感
● 約4割は長時間の移動の前にトイレ対策を実施


● 2人に1人がトイレに行きにくい状況で“尿意が心配になる”と回答
 20~70代以上の男女に、トイレに行きにくい状況で尿意の心配を感じたことがあるか尋ねたところ、全体の約半数が心配になると回答しました。年齢別に見ると、尿トラブルに悩む方も多い60代・70代以上の世代ではいずれも50%を超える結果となりました。一方で、20代・30代の若年層でも4割が尿意の心配を気にする結果となり、年齢を問わずトイレに行けないシチュエーションでの不安感を持っていることが分かりました。




● 尿意が気になるシチュエーション/1位は「長時間の移動時」
 前述の質問において、トイレに行きにくい状況で尿意の心配を感じたことがあると回答した方に対して、具体的にどのようなときに尿意が心配になるか尋ねました。「車や電車での長時間の移動時」(61.5%)と答えた方が最も多く、次に「映画やスポーツ観戦などで席を立てないとき」(37.8%)が続く結果となりました。
 物理的にトイレに行けないシチュエーションの選択肢が上位に入る一方で、「緊張しているとき」(37.2%)や「仕事でプレッシャーを感じたとき」など、メンタルにストレスのかかるタイミングでも尿意の心配を覚える方が一定数いることも明らかになりました。




● 若年層は“緊張・プレッシャー”がかかるシーンで尿意の不安を実感
 この結果を年齢別に見ると世代間で差が表れる結果となりました。60代・70代以上では「車や電車での長時間の移動時」が圧倒的に多く、いずれも70%を超える結果となりました。一方、特徴的だったのは20代・30代の若年層の結果で、高齢層よりも「緊張しているとき」や「仕事でプレッシャーを感じたとき」と回答した方の割合が高い傾向が明らかになりました。




●約4割は長時間の移動の前にトイレ対策を実施
 続いて尿に関して気を付けていることを尋ねたところ、「長時間の移動や会議の前には必ずトイレに行く」(42.0%)や「トイレがどこにあるか事前に確認する」(25.3%)など、しっかりと対策を行っている方が多いことが分かりました。一方で、尿トラブルに効果的なトレーニングを行っている方は少なく、「尿意を我慢する訓練をしている」(6.7%)や「骨盤底筋のトレーニングをしている」(4.7%)は1割以下に留まる結果となりました。




<調査概要>
○調査対象:全国の20~70代以上の男女600名(有効回答数)
○調査期間:2024年10月31日 ○調査方法:インターネットアンケート/クラシエ調べ

<まりこ泌尿器・漢方内科 大藪真理子先生による解説>
■ 加齢だけでなく“ストレス”も尿トラブルの要因に
 尿トラブルの原因は様々です。加齢による動脈硬化や、尿道括約筋の緩み、骨盤底筋群の脆弱化、ホルモンバランスによる変化などで、膀胱の知覚神経が敏感になり、膀胱に尿が少ししか溜まってないのに尿意をもよおしたり、意思に反して膀胱が収縮して尿漏れを起こしたりするケースがあります。

 加齢とともに悩みを抱える人が増える傾向にありますが、今回の調査結果のように、若年層でもトイレに行けない不安やストレスから尿意の心配を感じるケースもあります。若年層の場合は、多飲や心因性、膀胱炎などの頻度が高いと考えられます。




まりこ泌尿器・漢方内科 大藪真理子先生

 「膀胱は心の鏡」ともいわれるように、尿の回数は精神的な影響を受けやすいです。 “心因性の頻尿(多飲も含む)”などもその一つです。
 ストレスが泌尿器科領域のトラブルの原因になる、ということは意外に知られていません。膀胱炎を繰り返す人の一部に、ストレスから自己免疫力が低下している方がいるとも考えられています。


■尿トラブルへの対策は生活習慣の改善から
 ストレスの多い現代社会では、心因性の尿トラブルは誰にでも起こる可能性があります。思い当たる方は、まずは生活習慣の工夫に取り組んでみてはいかがでしょう。

食生活の見直し
 まずは尿量を多くしないために過剰な水分を控えましょう。また、カフェイン(珈琲・紅茶・エナジードリンクなど)の摂取はなるべく避けるようにしましょう。また、香辛料(カプサイシンなど)、刺激物(わさび・からし)、柑橘系ジュース等も成分が膀胱を刺激する作用があるので、過剰な摂取は禁物です。

尿意の不安を和らげる工夫も重要
 日常生活の中で、こまめにトイレに行って膀胱をカラにしておきましょう。タイミングを見計らって機会的に排尿をしておくことは、トイレ不安の付きまとうシチュエーションへの対策として有効です。例えば「出かける前にはトイレに行く」「放課になったらトイレに行く」「映画の前/会議の前にトイレにいく」など、意識して排尿しておくことは、物理的に膀胱をカラにして蓄尿のキャパシティーを最大にしておけることとともに、心理的な安心感を得ることが出来ます。

■誰でも簡単にできる骨盤底筋トレーニングも効果的
 尿を止める筋肉、膣をしめる筋肉、便を切る筋肉である骨盤底筋を鍛えることは、尿もれや頻尿に効果的です。骨盤底筋は、自然に呼吸をしながら、尿を切り上げたり、おならをとめたりするときに、収縮することを確認することが出来ます。わかりにくい際は、入浴時に肛門に指をあてて、うまく筋肉が頭側に締め上げられているか確認してみましょう。骨盤底筋はインナーマッスルですので、ゆっくり身についてきます。まずは3か月を目標に、筋トレを長期的に継続してみましょう。



【基本姿勢】
1.仰向けに寝て足を立てて少し膝を開きます。
2.肛門を閉めたまま膣と尿道をぎゅっと10秒縮め、30秒リラック
スします。これを10回繰り返します。
3.次に、肛門、膣、尿道を締める緩める動作を早いテンポで10回繰
り返します。
以上の動作を1日に数回にわけて、合計5セット以上おこないます。





【座った姿勢】
1.背筋を伸ばして、少し浅めに椅子に座ります。
2.両足を肩幅程度に開きます。
3.基本姿勢と同様、肛門・膣・尿道を締める緩める動作を繰り返し
ます。このとき、肩とおなかに力が入らないようにしましょう。
回数は基本姿勢と同様です。




■尿トラブルには漢方の選択肢も
 漢方では、排尿に関するトラブルは、水の代謝を主る「腎(じん)」のエネルギーの衰えから来ているといわれており、この状態を「腎虚(じんきょ)」といいます。「腎虚」になると、「腎」がつかさどる部位の機能も低下し、「排尿・排便異常」などの症状があらわれます。
このことから「腎虚」の治療として「補腎」をできる漢方薬は、尿トラブルにも効果のあると考えられます。「補腎」の漢方薬の代表に「八味地黄丸(はちみじおうがん)」があります。8つの生薬からできており、水分代謝を改善し、 血液循環を促進し全身を温めて新陳代謝を促します。頻尿や夜間尿、残尿感、軽い尿もれなどの尿トラブルに有効です。全身を温めることから冬季に悪化するような「冷えからくる頻尿症状」の改善有効です。

<「漢方で健康な毎日を 尿のお悩み対策セミナー」の様子>



 「いい尿の日」に先立って、10月17日(木)には「漢方で健康な毎日を 尿のお悩み対策セミナー」を浜離宮朝日小ホール(東京都中央区)で開催しました。会場には350名以上の方が参加し、講師として登壇いただいた大藪真理子先生のお話を真剣に聞いている姿が印象的でした。

【開催概要】
名称:「漢方で健康な毎日を 尿のお悩み対策セミナー」
開催日時:2024年10月17日(木)14:00開演
会場:浜離宮朝日小ホール


■クラシエ薬品について


クラシエ薬品は漢方のプロフェッショナルとして、半世紀以上にわたり日本に暮らす人々の健康で豊かな暮らしをサポートしてきました。漢方薬を中心に一般用医薬品から医療用医薬品まで自社一貫体制の下で幅広く提供しています。
近年、健康の価値や暮らしのあり方が大きく変化している社会の状況を受けて、クラシエ薬品は漢方事業における医療用分野と一般用分野の連携を強め、「クラシエの漢方」として事業一体で漢方薬を通じた健康価値の提供を高めていくことに挑戦していきます。
漢方を通じて、日本に暮らす人々が自らの健康を総合的に見つめ、理想とする健康的な暮らしをつくることをサポートしていきます。


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