令和6年10月28日に「日本ファンタジーノベル大賞2025」の最終選考会が開かれ、恩田陸さん、森見登美彦さん、ヤマザキマリさんの三選考委員による選考が行われました。その結果、応募総数354篇より、選ばれた個性豊かな4作品から、「ファンタジー」の概念を塗り替えてきた本賞の意義とは何かに踏み込んだ議論の末、明里桜良(あかりさくら)さんの小説『宝蔵山誌(ほうぞうさんし)』が大賞に決まりました。
「小説新潮」2024年12月号に「どこかに本当にある世界が私を器にして溢れ出てきたのではないか、という感覚が今も続いています」と綴る受賞の言葉、受賞作の抄録と詳しい選考の過程が掲載されております。単行本刊行は2025年初夏を予定しております。
【選評】(一部抜粋)
左・森見さん、中央・ヤマザキさん、右・恩田さん (C)新潮社
「公務員と地霊という組み合わせが面白い」
「ヒロインの今ふうの、淡々とした気負わないところがいい」
――恩田陸さん
「私なりの好みというか、ファンタジーを書きながら摑んできた感覚というものがあって、それを共有できるように感じた」
――森見登美彦さん
「ファンタジー作品の振り幅の広さ、現実の中に潜んでいる幻想性の豊かさを的確に感じた作品だった」
――ヤマザキマリさん
【受賞者】
明里桜良(あかり・さくら)
1985年生まれ。本作が初めて書いた小説。誰に読ませることもなく、ひっそりと本賞に応募。世界中の文化や風習を知るのが好きで、とりわけ、日本の昔話や民俗芸能や、それにまつわる地域社会が持つ個々独特の雰囲気に触れると幸せを感じる。気になる祭りや行事は際限なくあり、実際に足を運ぶこともあるが、だいたいは図録を見て愉しんでいる。日本各地の古老から昔話を収集してまとめられたらいいのに、と夢想している。早起きして明け方の空を見るのが好き。
【受賞の言葉】(一部抜粋)
本作では、日本の田舎の日常と非日常のようなものを扱っています。絶えず移ろい続け、決して止まらず遡ることもできない時の流れの中で、次第に薄れ消えてゆきそうなものの姿を少しでも留めることができたら、という動機から書き始めたように思いますが、書いている間は、間違いなく自分が書いているのに、見えない力に書かされているような、目の前にある世界を書き写しているような、そんな不思議な感覚がずっとあり、自分の思う方向とは全く違う方向に話が進んだり、考えもしなかったエピソードが現われたりして、驚くことの連続でした。
【掲載誌情報】
【掲載誌】「小説新潮」2024年12月号
【発売日】2024年11月22日(金)
【価格】909円(定価1000円)
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「小説新潮」2024年12月号に「どこかに本当にある世界が私を器にして溢れ出てきたのではないか、という感覚が今も続いています」と綴る受賞の言葉、受賞作の抄録と詳しい選考の過程が掲載されております。単行本刊行は2025年初夏を予定しております。
【選評】(一部抜粋)
左・森見さん、中央・ヤマザキさん、右・恩田さん (C)新潮社
「公務員と地霊という組み合わせが面白い」
「ヒロインの今ふうの、淡々とした気負わないところがいい」
――恩田陸さん
「私なりの好みというか、ファンタジーを書きながら摑んできた感覚というものがあって、それを共有できるように感じた」
――森見登美彦さん
「ファンタジー作品の振り幅の広さ、現実の中に潜んでいる幻想性の豊かさを的確に感じた作品だった」
――ヤマザキマリさん
【受賞者】
明里桜良(あかり・さくら)
1985年生まれ。本作が初めて書いた小説。誰に読ませることもなく、ひっそりと本賞に応募。世界中の文化や風習を知るのが好きで、とりわけ、日本の昔話や民俗芸能や、それにまつわる地域社会が持つ個々独特の雰囲気に触れると幸せを感じる。気になる祭りや行事は際限なくあり、実際に足を運ぶこともあるが、だいたいは図録を見て愉しんでいる。日本各地の古老から昔話を収集してまとめられたらいいのに、と夢想している。早起きして明け方の空を見るのが好き。
【受賞の言葉】(一部抜粋)
本作では、日本の田舎の日常と非日常のようなものを扱っています。絶えず移ろい続け、決して止まらず遡ることもできない時の流れの中で、次第に薄れ消えてゆきそうなものの姿を少しでも留めることができたら、という動機から書き始めたように思いますが、書いている間は、間違いなく自分が書いているのに、見えない力に書かされているような、目の前にある世界を書き写しているような、そんな不思議な感覚がずっとあり、自分の思う方向とは全く違う方向に話が進んだり、考えもしなかったエピソードが現われたりして、驚くことの連続でした。
【掲載誌情報】
【掲載誌】「小説新潮」2024年12月号
【発売日】2024年11月22日(金)
【価格】909円(定価1000円)
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