1位・靴クリーナー、2位・パックが躍進。3位・米以下、15位まで過半数が食品・飲料

株式会社インテージ(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:檜垣 歩、以下インテージ)は、全国約6,000店舗より収集している小売店販売データ、SRI+(R)(全国小売店パネル調査)をもとに、日用消費財の中で何がより売れたかを、推定販売金額の伸びから振り返る「2024年、売れたものランキング」を発表しました。(データは10月分まで使用)
[ポイント]
靴クリーナーとパックが1、2位。両商品ともコロナ禍の2020年以降は初トップ10入り
3位・米、4位・トマトジュースなど食品・飲料が15位までに8商品ランクイン。米関係は8月に急増
インバウンド需要が下支え。5位・強心剤、7位・リップクリームが並ぶ
16位以下も、食品が6商品。30位までに12商品が入り、昨年の4を大きく上回る
販売苦戦ランキングは1位・検査薬、2位・マスク、3位・オートミールとコロナ禍で伸びた商品上位


図表1



1位・靴クリーナーは前年1.5倍、2位・パックは1.4倍。新型コロナ後、年間初トップ10入り
ポストコロナの中、物価高や猛暑が直撃した2024年の日本。その中で1位となったのは靴クリーナーでした(図表1)。その中でもスニーカー用のシートタイプは、年初から売れていたものの暑さが厳しかった6月~9月は前年同月の2倍近くに迫るまで爆売れ。靴クリーナーは上半期首位のパックを抜いて153%となり、堂々の1位となりました。
2位に入ったパック(144%)は昨年15位から一気のジャンプアップ。大容量の商品などを中心に、韓国コスメの拡大、有名タレントによるブームけん引などもあり、コロナ前を大きく上回る販売金額となりました。両商品とも、新型コロナ発生後の2020年からの売れたものランキングで10位以内に入っていたことはなく、新たなトレンドとして躍進しました。
記憶に新しい令和の米騒動。3位・米を中心に食品・飲料が15位までに過半数
猛暑の記憶も色濃い今年。夏場に浮上した、もう1つの大きな社会トピックが米不足でした。スーパーの棚から米がなくなっていき、代わりにパックご飯が置かれる店も出る中、米の店頭価格も瞬く間に上昇していきました。その米が前年比130%で3位、10位にもパックご飯を中心とした米飯類(113%)がランクインしました。
特に米が足りないと報道機関などで繰り返し報じられ、新米が出回る直前だった8月には、騒動とともに販売金額もピークとなり、前年同月比で172%まで上昇しました(図表2)。また店頭の米の商品数の推移をみると、近畿や首都圏などを中心に前年の半分程度まで落ち込み、価格も上昇すると以前の価格にはもどらない状態が続いています。
令和の米騒動と言われる動きの横で、食品を中心に値上げが続いたのも今年の特徴でした。その結果もあり、上位15位までに6商品が入っています。6位の玩具メーカー菓子(117%)は人気テレビアニメやゲームなどの関連商品がけん引し、9位の冷凍水産(113%)はプライベートブランドの伸長が目立ち、12位のキャンディ(113%)もグミの好調に加え、感染症関連でのど飴なども売れました。また飲料も高騰したトマトの代替需要もあった4位・トマトジュース(125%)、無糖や甘さ控えめを訴求するヒット商品などもあり8位・炭酸飲料(113%)の2商品なども入りました。インバウンド需要も堅調で、5位・強心剤(118%)、7位・リップクリーム(116%)なども、訪日客の支持もプラスされ、販売金額を伸ばしました。

図表2



16位~30位までを見ても、食品が6つランクイン。例年にない動きの理由は
この食品の上位進出の動きは16位以下の順にも色濃く表れています。19位・パウチ入り食材(111%)はツナなど缶入りから移行したものが好調。20位・煮干し(111%)は値上げの影響が大きく、23位のもずく・めかぶ(110%)は猛暑もプラスに作用していたようです。25位の冷凍農産(109%)は気候の厳しさが農作物の生産に直撃する中、割安感もあり求められました。日用雑貨では洗剤系が15位・中性洗剤を筆頭に16位以降も複数ランクインしていて、値上げの影響も色濃い中、洗濯用洗剤で使用が簡易な商品が人気を集めるなどの動きもありました。

図表3



2020年以降、目まぐるしく変わる売れ筋。昨年までの傾向は?
コロナ禍以降、毎年のように売れたものの傾向は大きく変わってきました。その変遷を見てみましょう。コロナ1年目の2020年はマスクなどの衛生系商品が爆発的に売れましたが、2021年になると巣ごもり需要もあり「1位・オートミール、2位・麦芽飲料」と健康訴求した食品などが上位に。2022年になると「1位・検査薬、2位・オートミール、3位・鎮暈剤(酔い止めなど)」と、コロナ対策から旅行に使う乗り物酔い止めまでWithコロナとも言うべき多様な商品が入り、さらに昨年はインバウンド需要の復活で「1位・強心剤」やマスク要件の緩和などで「2位・口紅」などが上位に入りました。

図表4



販売苦戦は1位・検査薬、2位・マスク、3位・オートミールなどコロナ禍に伸びたものが
最後に、今年販売苦戦したランキングも見てみましょう(図表5)。1位・検査薬(52%)、2位・マスク(75%)、3位・オートミール(79%)など、コロナ禍に大きく販売金額を伸ばしたものが上位に入っています。11位・プロテイン粉末(93%)なども同様ですが、これらの商品はコロナ前の2019年に比べると販売金額は大きく上回っている状態です。一方で生活様式の変化などで販売金額の減少が続いている商品もあります。

図表5



記録的な猛暑や来年も続きそうな値上げなどの国内要因に加え、海外情勢の変化など、人々の生活や行動に大きな影響を与える事象は、今後も継続的に起こることが予想されます。その結果、どのような影響が出ているかを広く多くの人に知らせるためにも、インテージでは今後も「売れたものランキング」を発表していく予定です。

2024年上半期、売れたものランキング」をあわせてご参照ください。
2023年、売れたものランキング」もあわせてご参照ください。
使用したデータ/関連プラットフォーム
SRI+(R)(全国小売店パネル調査)
国内小売店パネルNo1※1 のサンプル設計数とチェーンカバレッジを誇る、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、ホームセンター・ディスカウントストア、ドラッグストア、専門店など全国約6,000店舗より継続的に、日々の販売情報を収集している小売店販売データです。
※ SRI+では、統計的な処理を行っており、調査モニター店舗を特定できる情報は一切公開しておりません
※1 2024年12月現在
株式会社インテージ
株式会社インテージは1960年に創業。インテージグループとしてアジアNo.1*であるマーケティングリサーチ/インサイト事業に加えてマーケティングソリューション事業を展開し、9か国の海外拠点とともに国内外の企業・団体のマーケティング活動を総合的に支援しています。事業ビジョンとして“Create Consumer-centric Values”を掲げ、深い生活者理解とデータ活用の高度化による顧客企業支援を通じ、生活者の幸せの実現を目指しています。
*「ESOMAR's Global Top-50 Insights Companies 2024」に基づく(グループ連結売上高ベース)


【報道機関からのお問い合わせ先】
■株式会社インテージ 広報担当:下河原(しもがわら)/木地(きじ)
TEL: 03-5294-6000
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