『医療』と『モビリティ』の掛け合わせで地域医療へ新たな選択肢を提供


岐阜県内初の導入となる医療MaaS車両

岐阜県高山市は、日本一広い市域を有していますが、総合病院をはじめとした医療機関の多くは市の中心部に位置しています。地域によっては自宅の周りに診療所や病院がなく、医療機関までの移動が難しい市民に対する医療サービスの提供が課題となっています。

高山市医療MaaSイメージ
このような中、遠隔地にいる医師によるオンライン診療を車両内で受けられる環境を整備することで、居住地域によって受けられる医療サービスの格差の縮小や、特に医療資源の乏しいへき地において、患者の早期治療や重篤化予防を目指すと共にオンライン診療による医師の訪問先への移動時間削減による業務効率化の実現のため、移動診療車を使った医療サービス『医療MaaS』の実証運行を始めることとしました。岐阜県内の自治体では初の導入となります。



移動診療車とは、医療機器や通信機器、オンライン診療システムなどを搭載し、看護師が乗車することで診療所(遠隔地)にいる医師がオンラインで患者を問診したり、看護師に指示して診察を行うことが可能となる車両のことです。このような医療機器やオンライン診療システムを搭載したモビリティ(車)により提供する医療サービスは、「Mobility as a Service」の頭文字をとった言葉で、『医療MaaS(マース)』と呼ばれます。
令和6年12月6日(金)に、運行を開始する移動診療車のお披露目セレモニーを開催しました。
セレモニーには、関係者ら約40人が出席。オンライン診療のデモンストレーションでは、患者役として移動診療車に乗った田中明高山市長の胸に看護師が電子聴診器を当て、離れた場所にいる医師に心音を共有するなどオンライン診療を体験しました。

オンライン診療を体験する田中市長

オンラインで診療をする医師(デモンストレーション)

今年度は国保診療所でオンライン診療のデモンストレーションを行いながら、実際の診療を令和7年1月から高山市朝日町の秋神出張診療所で開始し、順次拡大する予定です。実証運用の中で、地元住民の方々との意見交換やニーズの把握・分析を行い、地域の公民館などの集会所を待合として活用するなど、より最適な移動診療車の活用方法を検討します。
移動診療車概要
移動診療車は、設置や取り外しが簡単に行える車載用ベッドやオンライン診療に必要な機材を収納するキャビネットなどを配置した「マルチタスク車両」となります。車両には、オンライン診療システムを通じてバイタル情報をリアルタイムに医師へ共有するための遠隔聴診器や血圧計、体温計などの各種医療機器に加え、ポータブルのエコーや心電計も搭載しており、移動診療車によってプライマリケア(1次医療)に必要な最低限の医療を提供できます。
総事業費:約3,600万円
内訳:プロジェクト推進費、車両および架装費用、オンライン診療システム構築費用、運行業務委託費、医療機器購入費など
システム、車両導入事業者:MONET Technologies株式会社(東京都)

移動診療車での診療内容について
看護師が移動診療車に同乗し、医師は拠点診療所からオンラインで診察を行う『D to P with N』モデルを採用することで、医師の移動時間の削減が可能となり、限られた医療資源の最適化を実現します。患者の容態等によっては、医師が同乗して直接診察を行う場合も想定しており、状況に応じた最適な医療を提供します。
※D to P with N(Doctor to Patient with Nurse)
看護師が患者の側でオンライン診療をサポートする形態のこと。患者のバイタル測定や状態確認を看護師が行い、医師に共有することで適切な診察を行うことが期待できる。

【本件に関するお問い合わせ】
高山市役所医療政策課
住所:〒506-8555 岐阜県高山市花岡町2丁目18番地
電話:0577-35-3177
FAX:0577-35-3173
メールアドレス:iryouseisaku@city.takayama.lg.jp1
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