2024年のトレンドは国際電話詐欺、若年層でオレオレ詐欺やSNS型投資詐欺の被害拡大

特殊詐欺やフィッシング詐欺の対策サービスを提供するトビラシステムズ株式会社(本社:愛知県名古屋市、代表取締役社長:明田 篤、証券コード:4441、以下「トビラシステムズ」)は、独自の迷惑情報データベースや調査情報をもとに、特殊詐欺や2024年に新たに急増した詐欺手口の傾向をまとめた「特殊詐欺・トレンド詐欺手口レポート2024」を公開します。
<調査サマリー>
○ 2024年の特殊詐欺トレンドは国際電話を使った手口
○ 国際電話詐欺の三大トレンド:架空料金請求詐欺・オレオレ詐欺・国際ワン切り詐欺
○ 国際電話着信ランキング1位は「+1」北米番号、番号帯の最多は「+1 844」
○ 自動音声ガイダンスを用いた詐欺電話が急増、「ばらまき型」電話で犯行効率化か
○ オレオレ詐欺が若年層で被害拡大、警察等をかたる「権威型」手口が多発
○ 末尾「0110」警察をかたる国際電話着信が約80倍に増加
○ 2024年はSNS型投資・ロマンス詐欺が急増、被害額1,141億円に

■2024年の特殊詐欺トレンドは国際電話を使った手口
特殊詐欺では、時期や社会背景によって犯行に利用される電話番号にトレンドがあります。2024年は国内で電話番号に関する法規制が施行された影響からか、国際電話番号を使った手口が急増しました。



特殊詐欺の犯行に利用される電話番号のトレンドは、過去10年間で大きく変化していることがわかります。2014年から2020年頃までは、携帯電話番号や固定電話番号(0ABJ番号)が犯行に利用されるケースが多くありましたが、2021年頃から、特定IP電話番号(050番号)の割合が増加しました。これは、050番号が固定電話よりも安価に利用できる点や、当時050番号の取得時に本人確認義務がなかった点から、犯行における悪用が急増したと考えられます。

政府はこの状況を懸念し、2023年6月に050番号契約時の本人確認義務化の方針を発表しました。この影響からか、2023年7月以降は、050番号に代わり国際電話番号の犯行利用が急増しました。

携帯電話不正利用防止法の改正により、050番号契約時の本人確認が義務化された2024年は、犯行に利用される電話番号の割合で国際電話が大部分を占めています。
■2024年の国際電話詐欺トレンド三大手口
国際電話番号を使った2024年のトレンド詐欺手口3つを解説します。
(1)架空料金請求詐欺
実在する企業などを装い、有料サービスの未納料金支払いなどの名目で金銭をだまし取る特殊詐欺手口の一つです。近年は「未納料金がある」「○番を押すと担当者につながる」などの自動音声が流れ、ガイダンスに従ってダイヤル操作を進めるとオペレーターになりすました犯人につながり被害にあうケースも増加しています。
インターネット閲覧中に「ウイルスが検出された」など偽の警告を表示し、画面上の偽のサポート窓口に電話をかけさせ、サポートの名目で金銭をだまし取るサポート詐欺でも国際電話番号が使用される事例が発生しています。



(2)オレオレ詐欺
親族、警察官、弁護士などを装い、親族が起こした事件・事故に対する示談金などを名目に金銭をだまし取る手口です。近年は、警察や総務省などの官公庁職員をかたるオレオレ詐欺が増加しており、若年層にも被害が拡大しています。



(3)国際ワン切り詐欺
被害者の携帯に国際電話の着信履歴を残し、着信者が折り返し電話をすることで、国際電話の通話料の一部が通信会社からキックバックとして犯罪グループに支払われる手口と考えられています。発生する通話料を増やすため、自動音声などを流して通話時間を引き延ばそうとする手口もみられます。



■国際電話詐欺に使われた国番号ランキング、1位は「+1」北米番号
トビラシステムズの調査で、2024年に国内への着信件数が最も多かった国際電話は、国番号が「+1」で始まるアメリカ合衆国やカナダなどの北米地域の番号でした。架空料金請求詐欺や国際ワン切り詐欺、官公庁をかたるオレオレ詐欺など、幅広い手口で使用されている可能性があります。
また、「+44」で始まるイギリスの番号や、「+800」で始まる国際フリーフォン(注1)の番号からも着信が多発しました。



(注1)通話料金を着信者が負担する着信課金電話番号、いわゆる世界共通のフリーダイヤル番号。着信課金電話番号への着信に適用されるものであり、着信課金電話番号から発信された場合の通話料金は着信課金電話番号(発信者側)が負担する。
■国際電話詐欺に使われる番号帯、最多は「+1 844」
詐欺などの不審な国際電話で最も多く観測された「+1」から始まる北米地域の電話番号において、2024年に国内への着信件数が最も多かった番号帯は「+1 844」でした。そのほか、「+1 855」「+1 200」「+1 255」「+1 866」からの着信も多発しました。



■自動音声ガイダンスを用いた「ばらまき型」詐欺電話が急増、犯行効率化か
トビラシステムズの調査で、2024年は事業者や官公庁をかたる自動音声ガイダンスを用いた詐欺手口が急増しています。
犯行グループは、自動音声ガイダンスを用いた電話を不特定多数に大量にかけ、音声の指示に従ってダイヤル操作をしてしまった人にターゲットを絞って対応している可能性があります。
また、アンケートと称して個人情報を聞き出そうとする予兆電話(アポ電)の入り口で自動音声が使われるケースもあります。
自動音声ガイダンスを使った「ばらまき型」の電話によって、特殊詐欺の犯行や個人情報の収集を効率化している可能性が考えられます。



■オレオレ詐欺が若年層で被害拡大、警察等をかたる「権威型」手口も
オレオレ詐欺の被害が若年層に拡大しています。警察庁の統計によると、65歳未満のオレオレ詐欺被害者の割合は、2023年の5.7%から2024年は30.7%まで増加しました。(2024年11月時点)
オレオレ詐欺は近年、息子や娘・孫などの親族をかたる手口から変化し、警察や総務省などの官公庁職員をかたる「権威型」の手口が増加しています。
また、電話からLINE等のメッセージツールへ誘導する場合や、インターネットバンキングで振り込みを指示する場合もあります。オンラインとの組み合わせによって手口が巧妙化していることも、若年層の被害拡大要因になっていると考えられます。



■末尾「0110」警察をかたる国際電話着信が約80倍に増加
末尾が「0110」の国際電話番号を使って警察の電話になりすますオレオレ詐欺の事案が発生しています。末尾が「0110」の電話番号は主に国内の警察署で多用されていることから、各都道府県警察が注意を呼びかけています。
トビラシステムズの調査で、2024年11月に確認された末尾が「0110」の国際電話番号からの着信件数は増加前の6月から約80倍に増加しました。



■2024年はSNS型投資・ロマンス詐欺が急増、被害額1,141億円に
SNSなどを使って非対面で接触し金銭をだまし取るSNS型投資詐欺・ロマンス詐欺の被害が多発しています。警察庁の発表によると、2024年11月末時点での被害状況は、認知件数9,265件、被害額は約1,141億円に上っています。特に40~60歳代を中心に被害が拡大しています。

トビラシステムズが行ったSNS型投資詐欺の調査では、SNSに表示された偽広告から投資名目のLINEグループに誘導し、グループでやり取りを行う中で金銭をだまし取ろうとする手口が確認されました。グループでは、著名人になりすました人物や、投資に関する「先生」や「アシスタント」を名乗る人物、グループの参加者に扮した人物(サクラ)などがメッセージのやり取りを通じてターゲットを信じ込ませ、架空の投資話を持ちかけて指定の口座に金銭を振り込むよう指示する場合などがあります。



<SNS型投資・ロマンス詐欺の対策>
○知らないメッセージグループへ追加や招待をされた場合、安易に参加しない
○SNSで知り合った人から投資の勧誘があっても、安易にお金を振り込まない
○SNSで知り合った人から投資関連のサイトへの登録や、アプリのインストール等を求められても、安易に応じない
○相手が金融商品取引業の登録業者かどうか金融庁のホームページで確認する。無登録業者とは契約をしない
○振込先に個人名義の銀行口座を指定される場合や、振り込みの度に違う口座を指定される場合は詐欺を疑い、振り込まない

<参考資料>
トビラシステムズ、「SNS型投資詐欺」の独自調査レポート公開 投資名目LINEに誘導の「詐欺SMS」は7.2倍に急増(トビラシステムズ)
https://tobila.com/news/report/p1834/
警察庁・SOS47 特殊詐欺対策ページ(警察庁)
https://www.npa.go.jp/bureau/safetylife/sos47/
■詐欺被害にあわないための対策
特殊詐欺などの被害にあわないために、日頃から対策を徹底してください。また、年末年始に家族や知人など周囲の方への注意喚起や、対策方法の見直しを行ってください。
迷惑電話対策サービスで、詐欺の可能性がある電話のフィルタリングが可能です。日頃の対策とあわせてご活用ください。
<詐欺電話の対策>
○電話で「お金」や「キャッシュカード」の話が出たら、まず詐欺を疑う
○あやしいと感じたらすぐに電話を切り、家族や信頼できる人、最寄りの警察署、警察相談専用電話(#9110)などに相談する
○迷惑電話対策サービスを活用し、特殊詐欺や悪質商法などの電話を自動で遮断

トビラシステムズの迷惑電話対策サービス(固定電話向け)
https://tobilaphone.com/landline/

トビラシステムズの迷惑電話対策サービス(モバイル向け)
https://tobilaphone.com/mobile/



■トビラシステムズについて



テクノロジーで社会課題の解決を目指し、特殊詐欺やフィッシング詐欺、グレーゾーン犯罪撲滅のためのサービスを提供しています。詐欺電話・詐欺SMS等の情報を収集・調査してデータベースを構築し、自動でフィルタリングする「迷惑情報フィルタサービス」は、固定電話、モバイル、ビジネス向けに展開し月間約1,500万人にご利用いただいています。

公式サイト:
https://tobila.com/
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