明治・大正・昭和・平成・令和……今こそ問う、この国にとって天皇とは、皇室とは何なのか?




株式会社河出書房新社(本社:東京都新宿区/代表取締役:小野寺優)は、奥泉光・原武史著『天皇問答』(河出新書)を、2025年1月7日に刊行します。

明治・大正・昭和・平成・令和……この国には天皇がいる、皇室がある。
それはいったいどういうことなのか──?
私たちにとって天皇とは、皇室とは何なのか?

天皇や天皇制を考えることは、日本という国そのものを考えることにつながります。
本書では、神格化のはじまり、「大正流」の可能性、昭和の戦争と熱狂、行幸啓の変遷、宮中祭祀の内実、「平成流」の功罪、「象徴」の意味、令和の空気、皇室のこれから……など、天皇や天皇制にまつわる多くのテーマや問題を俎上に乗せて、しばしば作中で天皇制を扱いながら重厚な作品をものしてきた小説家・奥泉光さんと、それぞれの時代の天皇像を鮮やかに浮き彫りにしてきた政治学者・原武史さんが、縦横に語り合い、近代天皇制の本質に迫りつつ、この国のかたちと行く末を問うていきます。

■本書刊行記念! 著者二人によるトークイベント開催
『天皇問答』の刊行を記念して、本書の著者である小説家・奥泉光さんと政治学者・原武史さんが、「「天皇」の読み方・書き方・考え方」をテーマに対談します。知の達人二人によるスリリングな対話を、是非この機会にお楽しみください。

【イベント概要&お申し込みページ】
https://online.maruzenjunkudo.co.jp/products/j70019-250122
開催日:2025年1月22日(水)
開催時間:19:00~20:30
料金:1100円(税込)
会場:ジュンク堂書店池袋本店
*オンライン視聴チケットあり。
*書籍付きオンライン視聴チケットあり。
*アーカイブ配信あり。



■目次より
まえがき(奥泉光)
I 天皇制の見方・考え方
天皇制の何が難しいか/フィクショナルな出発点/徳川時代と変わらない/生き神がやってくる/三つの層で考える/「新しい伝統」は誰がつくったのか/「祈る天皇」というイメージ/貞明皇后が立ちはだかる/昭和・平成・令和の宮中祭祀/文明開化は天皇とともに/明治天皇の神格化と一般大衆への浸透/現れる天皇、見えなくなる天皇/神出鬼没の大正天皇/昭和天皇を神格化する演出/主導する中間層/秩父宮と二・二六事件/一般大衆の想像力と空虚な支配構造
II 昭和の戦争と天皇制
江戸時代との断絶と連続/「国家神道」への道/天皇が東京に移るということ/男性化する「玉」/「国民」をどうつくるか/明治憲法が孕んでいた矛盾/日清・日露戦争に勝ったことの意味/世代による感覚の違い/大正天皇という人/封じ込められる「大正流」/君主制の危機と新しいイメージ戦略/天皇崇拝が止まらない/「政治」が消えてしまう/とにかく神器を失ってはならぬ/大衆の熱狂はどこへ行ったのか/最大の疑問/新憲法下での昭和天皇/変わらない国民/なぜ熱狂に火がついたのか/反省しても反省しきれないポイント
III 昭和から平成へ、平成から令和へ
代替わり体験/天皇崇拝の構造/昭和の聖性、平成の聖性/ひざまずく皇太子妃──「平成流」の萌芽/宮中祭祀という使命/天皇が私たちの代わりに死者を悼む/一人一人と相対してきた厚み/国民は「象徴」の意味を考えてこなかった/自衛隊との結びつき/反天皇制の理由/平成と令和の皇室の違い/秋篠宮家の存在感/令和の空気/天皇制は続くのか
あとがき(原武史)

■著者紹介
奥泉光(おくいずみ・ひかる)
1956年、山形県生まれ。国際基督教大学大学院比較文化研究科修了。作家。『ノヴァーリスの引用』(野間文芸新人賞)、『石の来歴』(芥川賞)、『神器』(野間文芸賞)、『東京自叙伝』(谷崎潤一郎賞)、『雪の階』(毎日出版文化賞、柴田錬三郎賞)、『『吾輩は猫である』殺人事件』、『グランド・ミステリー』、『シューマンの指』、『死神の系譜』、『虚史のリズム』など著書多数。

原武史(はら・たけし)
1962年、東京都生まれ。明治学院大学名誉教授、放送大学客員教授。日本政治思想史専攻。『「民都」大阪対「帝都」東京』(サントリー学芸賞)、『滝山コミューン一九七四』(講談社ノンフィクション賞)、『昭和天皇』(司馬遼太郎賞)、『皇后考』、『平成の終焉』、『一日一考 日本の政治』、『戦後政治と温泉』、『象徴天皇の実像』など著書多数。

■書誌情報
書名:天皇問答(河出新書)
著者:奥泉光、原武史
仕様:新書判/並製/216ページ
発売日:2025年1月7日
税込定価:990円(本体900円)
ISBN:978-4-309-63181-3
https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309631813/
出版社:河出書房新社





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