秋葉原で開催された「ポタフェス」

世界中のイヤホン・ヘッドホンなどのポータブルオーディオに関するブランドが一堂に会するイベント「ポータブルオーディオフェスティバル」(ポタフェス)が12月13~14日、東京・秋葉原のイベント会場の地下1F、1F、2Fの3フロアで開催された。出展は94ブース・168ブランド。コロナ禍以降で最大規模となった同イベントに、開場前からファンら約300人が長蛇の列を織りなして参加。熱量の高さが強く印象付けられた。

若い人の来場が増えている!

各ブースの担当者に来場者の人々の反応を聞くと「従来のファン層に加えて、新規と思われる若い方の来場が増えている」という印象が多く寄せられた。

音楽鑑賞時の没入感を高めるため、映像体験を高めるツールとして、カッコいいブランドだから、ファッションアクセサリーとしてなど、人により目的は様々だが、ポータブルオーディオがユーザーのライフスタイルにあわせて選ばれるアイテムになってきたことを実感した。以下、筆者が興味深かったものをいくつかピックアップする。

Victorブースでは、「WOOD master」の試聴・体験を求めて常に行列ができていた。Victor史上最高音質ワイヤレスイヤホンを謳う同製品は、独自技術の「木」の振動板を大きく進化。非常に美しく心地よいサウンドを実現していた。

ShokzのOPENDOTS ONE イヤーカフ型イヤホンは、音質の良さに加えて大胆で未来的なデザインが特徴的。耳への圧迫感を感じず、特殊な肌触りと相まって非常に快適な装着感であり、アウトドアで使用するのに適した一品だった。

Finalブースでは、Finalの新フラッグシップワイヤレスイヤホン「TONALITE トナリテ」が登場。音色を個人性適用する新技術を搭載し、最高水準のノイズキャンセリング性能と超高音質を両立。特別貸し出しキャンペーンに申し込む人も多数いた。

Hapbeatの「Hapbeat Solo2」は、音の振動を体に直接伝えることで普段聞く音楽をライブやクラブのような迫力と臨場感で体感できる新感覚のウェアラブルデバイス。ゲーム・映画鑑賞をはじめ、VR体験企画など、様々なコンテンツに新たな楽しみ方を提供している。

SENDY AUDIOブースのApollo Pro(仮称) の会場にはType A/Bの2種類が持ち込まれており、どちらの音が好みか来場者からの意見をスタッフが熱心に集めている様子が印象的だった。寄せられた感想を参考に今後の音作りに反映していきたいとのこと。

主催のタイムマシン 社長室の小野貴裕氏は「好立地ということもあり、ふらっと立ち寄って初めてポタフェスを経験した方が、普段使っているイヤホンよりも高品質のイヤホンを実際に試聴してみて興味を持ったという反応を聞いています。そういう意味で、多様な層に向けて訴求できていることを実感しています」と手ごたえを感じている。

今後の展望については、「まずは開催地を増やしたいです。今までは東京・名古屋・大阪と仙台を中心に行ってきましたが、日本各地で開催できるようにしていきたいです。また、最大規模の東京・秋葉原と、それに次ぐ規模の大阪では、さらに規模感と質を高めていきたいです」と語った。様々なポータブルオーディオを実際に試聴・体験できる貴重なイベントであるポタフェスの今後の発展に期待したい。(BCN・三原正史)