
通信インフラ事業と地域振興事業を手掛ける株式会社ALL CONNECT(代表取締役社長:岩井宏太・本社:福井県福井市)が運営する通信メディア「オールコネクトマガジン( https://all-connect.co.jp/magazine/ )」は、東京メトロ丸ノ内線の主要9駅にて格安SIM(楽天モバイル・UQmobile)の通信速度実態調査を実施しました。
本調査は駅構造・深度・混雑が通信品質に与える影響を定量的に把握することを目的としています。
【速度調査概要】

【結論】地下鉄の通信速度は「駅環境」で決まる
結論から言うと、地下鉄の通信速度は「駅環境」が決め手になります。
今回の実測では、下り速度(ダウンロード速度)において同一キャリア内でも最大856倍の速度差が発生しました。この結果は、地下鉄での通信品質が「どのSIMを使うか」よりも「どの駅で使うか」に大きく左右されることを示しています。

※グラフは下り速度(ダウンロード速度)の比較
この大きなギャップは、通信品質が”SIM性能そのもの”よりも、駅の深度・構造・混雑・基地局位置などの物理的環境に強く左右されることを示しています。詳細なデータは次のセクションで解説します。
・下り速度で同一キャリア内で最大856倍の速度差を記録
・通信品質は「SIM性能」より「駅環境」が決め手になる
・高架駅(後楽園・御茶ノ水)は電波良好で高速
・複雑な構造の駅(銀座)は電波環境が厳しく低速
地下鉄9駅の通信速度(下り速度)実測データ
下り速度(ダウンロード速度)の実測結果、楽天モバイルは後楽園駅で411Mbps(最速)、銀座駅で0.48Mbps(最低速)を記録。UQmobileは御茶ノ水駅で294Mbps(最速)、新宿駅で52.1Mbps(最低速)でした。
後楽園駅が最速だったのは丸ノ内線で唯一の高架駅(地上2F)で電波が届きやすいため。銀座駅が最低速だったのは3路線交差の複雑構造+古い駅舎+高混雑度が原因です。

【キャリア別の最速・最低速ポイント(下り速度)】

【なぜこの駅が最速・最低速なのか?】
・後楽園駅が最速(411Mbps):丸ノ内線で唯一の高架駅(地上2F)で電波減衰がほぼない
・銀座駅が最低速(0.48Mbps):B2Fの3路線交差+古い駅舎+高混雑度で電波が届きにくい
・御茶ノ水駅が高速(294Mbps):B1F+一部高架構造、9駅中最も乗降客数が少ない
・新宿駅が低速(52.1Mbps):世界最大級ターミナルで混雑による帯域圧迫
【9駅の下り速度一覧】

UQmobileは全駅で52Mbps以上(下り速度)を維持し安定した通信品質を示しました。楽天モバイルは駅によって速度差が大きく、特に銀座駅(0.48Mbps)・東京駅(6.30Mbps)では日常利用に支障が出るレベルでした。

【今回の実測調査の様子(丸ノ内線各駅で計測)】
・楽天モバイル(下り速度):後楽園駅 411Mbps(最速)、銀座駅 0.48Mbps(最低速)
・UQmobile(下り速度):御茶ノ水駅 294Mbps(最速)、新宿駅 52.1Mbps(最低速)
・UQmobileは全駅52Mbps以上で安定
・銀座駅・東京駅で楽天モバイルの速度低下が顕著
駅別ランキング一覧
高架駅(後楽園・御茶ノ水)が上位、地下の複雑構造+混雑駅(銀座)が最下位。
楽天モバイルは後楽園駅(高架駅)で411Mbpsを記録した一方、銀座駅(複雑構造+混雑)で0.48Mbpsと約856倍の速度差が発生しました。
UQmobileは御茶ノ水駅(浅い地下+一部高架)で294Mbpsを記録し、最低速の新宿駅でも52.1Mbpsと約5.6倍の差に収まりました。

この結果から、同じキャリアでも駅環境によって速度が大きく変わることが分かります。高架駅や浅い地下駅では電波が届きやすく高速になりやすく、深い地下や複雑な構造の駅では電波が届きにくく低速になりやすい傾向があります。
楽天モバイル1位:後楽園駅(411Mbps)─唯一の高架駅で電波良好
後楽園駅が411Mbps(下り速度)で最速だった理由は、丸ノ内線で唯一の高架駅(地上2F)だからです。地下ではないため電波減衰がほぼなく、東京ドームシティのイベント需要で基地局整備も充実しています。
2位以下との差は約7.6倍と非常に大きく、最低速の銀座駅(0.48Mbps)とは約856倍もの差がありました。

【後楽園駅が最速だった理由】
・丸ノ内線では唯一の高架駅(地上2F)であり、地下ではないため電波減衰がほぼない
・東京ドームシティ直結でイベント需要が大きいため、基地局整備が充実
・平常日は混雑度が低く(1日平均104,894人)、帯域に余裕がある
UQmobile1位:御茶ノ水駅(294Mbps)─浅い地下+一部高架で電波良好
御茶ノ水駅が294Mbps(下り速度)で最速だった理由は、神田川を渡る部分で地上に出る高架構造があり、地下部分もB1Fと非常に浅いからです。さらに、9駅中最も乗降客数が少なく(1日平均54,548人)、帯域に余裕があります。
2位の東京駅(184Mbps)、3位の池袋駅(165Mbps)も100Mbps超えと、UQmobileは全体的に高水準を維持しています。

【御茶ノ水駅が高速だった理由】
・神田川を渡る部分で地上に出る高架構造があり、電波が届きやすい
・地下部分もB1F程度と非常に浅いため、電波減衰が少ない
・9駅中最も乗降客数が少なく(1日平均54,548人)、帯域に余裕がある
UQmobileは全駅で比較的高速を維持し、地下深部でも速度が出やすい”安定傾向”が確認されました。最低速の新宿駅でも52.1Mbps(下り速度)と、動画視聴やビデオ通話に十分な速度を確保しています。
・楽天モバイル1位:後楽園駅 411Mbps(高架駅のため電波良好)
・UQmobile1位:御茶ノ水駅 294Mbps(浅い地下+一部高架)
・UQmobileは全9駅で52Mbps以上を維持し安定傾向
・楽天モバイルは駅間の速度差が約856倍と極端
なぜ駅によって通信速度が大きく異なるのか?
地下深度・駅構造・混雑度・基地局配置の4要素が通信速度を決めると考えています。
SIMの性能差以上に、これらの物理的な条件が速度差に影響します。高架駅(後楽園・御茶ノ水)は電波良好で高速、複雑構造+混雑+古い駅舎(銀座)は電波環境が厳しく低速となります。
【9駅の駅環境・乗降人員比較】

■地下深度・駅構造が速度を左右する
高架駅は電波良好で高速、深い地下+複雑構造は電波が届きにくく低速。銀座駅はB2Fに位置し、3路線(丸ノ内線・銀座線・日比谷線)が交差する複雑な多層構造のため、今回の調査で最も通信状況が厳しい駅となりました。
一方、後楽園駅は丸ノ内線で唯一の高架駅(地上2F)、御茶ノ水駅はB1F+一部高架構造のため、電波が届きやすく高速を記録しました。
【駅タイプ別の通信傾向】

■古い駅舎は電波環境改善が遅れている
コンクリート・金属・閉鎖的なホームは電波を遮蔽し、通信が不安定に。特に古い駅舎は電波環境の改善が進んでいないケースが多く見られます。銀座駅は開業が1938年と歴史が長く、駅舎の老朽化も通信環境に影響していると考えられます。
■混雑度が高いほど速度が低下する
利用者が多い駅では帯域が分散し、一人当たりの速度が低下。池袋駅は東京メトロ全130駅中1位(1日平均518,135人)、大手町駅は2位(334,541人)と極めて混雑度が高く、ピーク時間帯は速度低下が顕著になります。
【混雑度と速度の相関関係】

■基地局配置がホーム付近にあると高速
ホーム付近にアンテナがある駅は電波が安定し、速度が出やすい。後楽園駅は東京ドームシティのイベント需要で基地局整備が充実しており、高速が出た背景には基地局の設置状況が大きく影響しています。
・高架駅(後楽園・御茶ノ水)は電波良好で高速安定
・銀座駅は3路線交差の複雑な多層構造+古い駅舎+混雑で電波環境が厳しい
・混雑により帯域が圧迫され通信速度が低下
・基地局がホーム近くにある駅では高速になりやすい
■調査担当者

株式会社Adeval 代表取締役
荒木孝博 Takahiro Araki旅行業界・通信業界・デジタルマーケティングで幅広い経験を持つ。旅行会社で旅行企画・法人営業・添乗業務を経験後、婚活サービス(現:上場企業)事業会社に立ち上げメンバーとして入社し、営業・支店責任者を務める。その後、株式会社ALL CONNECTでフレッツ光の営業、WiMAXの広告運用、Y!mobileの代販事業運営を担当し、株式会社グライドの代表取締役として「業界初!引越しシェアリングサービス【Hi!MOVE(ハイ!ムーブ)】」をリリース。現在は株式会社Adevalの代表取締役として広告事業を統括し、通信・住まい・ライフスタイル領域で専門的なアドバイスを提供している。
荒木孝博さんについて
調査担当者コメント
本調査で最も特徴的だったのは、同一キャリア内で最大800倍超の速度差が発生した点です。これはキャリア間の性能差というより、深度・建材・ホーム構造・混雑密度といった物理環境が通信性能を支配していることを示しています。
Pingに関しては、工学的な基準で『30ms以下が快適・60ms超で遅延体感』とされ、UQmobileは全駅でその基準内に収まりましたが、楽天モバイルは銀座駅など一部で閾値を超過しました。
ただし700MHz帯(プラチナバンド)の運用が始まれば、地下深部の駅でも通信品質が大きく改善される可能性が高いと見ています。
・同一キャリア内で最大800倍超の速度差が発生
・Ping基準:30ms以下が快適、60ms超で遅延体感
・UQmobileは全駅でPing基準をクリア
・楽天モバイルの700MHz帯運用で地下通信の改善が期待
地下鉄での通信速度に関するよくある疑問
地下鉄での通信速度について、よく寄せられる疑問に回答します。
Q:地下鉄に強いSIMはどれですか?
A:駅ごとに最適なSIMが異なるため一概には言えません。 例えば後楽園駅では楽天モバイルが最速(411Mbps)でしたが、御茶ノ水駅や東京駅ではUQmobileの方が高速で、駅環境によって有利なSIMが変わります。
Q:なぜ銀座駅では通信速度が遅いのですか?
A:銀座駅はB2Fに位置し、3路線(丸ノ内線・銀座線・日比谷線)が交差する複雑な多層構造です。開業が1938年と古く、駅舎の電波環境改善が進んでいません。
さらに1日平均230,271人の乗降客による高い混雑度も重なり、電波減衰+帯域逼迫の3重苦で両社のSIMとも極端に低速となりました。
Q:なぜ後楽園駅や御茶ノ水駅では通信速度が速いのですか?
後楽園駅は丸ノ内線で唯一の高架駅(地上2F)です。地下ではないため電波減衰がほぼなく、東京ドームシティのイベント需要で基地局整備も充実しています。
御茶ノ水駅は神田川を渡る部分で地上に出る高架構造があり、地下部分もB1F程度と非常に浅いです。また、9駅中最も乗降客数が少なく(1日平均54,548人)、帯域に余裕があります。
Q:楽天モバイルとUQmobile、地下鉄で安定しているのはどちらですか?
今回の調査ではUQmobileの方が全体的に安定傾向でした。
全9駅で52.1Mbps以上を記録し、速度差も約5.6倍に収まりました。一方、楽天モバイルは最速411Mbpsを記録したものの、駅間の速度差が約856倍と非常に大きく、安定性では課題が見られました。
Q:Ping(応答速度)はどちらが優秀でしたか?
UQmobileは全駅で30~41msと安定しており、快適な基準(30ms以下~40ms程度)をほぼ満たしていました。楽天モバイルは大半の駅で36~40msでしたが、銀座駅では72msと遅延が生じ、リアルタイム通信に支障が出るレベルでした。
Q:今後、地下鉄での通信速度は改善されますか?
楽天モバイルの700MHz帯(プラチナバンド)運用開始により、地下深部での通信改善が期待されています。700MHz帯は障害物を回り込みやすく、地下やビル内での電波到達性が高い周波数帯です。
Q:動画視聴やビデオ通話に必要な速度はどのくらいですか?
一般的に動画視聴は5Mbps以上、ビデオ通話は10Mbps以上が快適利用の目安です。今回の調査では、UQmobileは全駅でこの基準を満たしました。楽天モバイルは銀座駅(0.48Mbps)・東京駅(6.30Mbps)でこの基準を下回る結果となりました。
Q:測定に使用した端末は何ですか?
UQmobileはGoogle Pixel 7、楽天モバイルはiPhone 15を使用しました。測定アプリは両端末とも「Speedtest by Ookla」を使用し、各駅ホームにて下り速度・上り速度・Pingを計測しています。
まとめ
今回の東京メトロ丸ノ内線9駅における通信速度調査では、「地下鉄の通信品質はSIM性能より駅環境が決定的な影響を与える」ことが明確になりました。
楽天モバイルは後楽園駅で411Mbps(下り速度)という非常に高速な結果を記録した一方、銀座駅ではわずか0.48Mbps(下り速度)と約856倍もの速度差が発生。一方のUQmobileは全駅で52Mbps以上(下り速度)を維持し、安定した通信品質を示しました。
本調査のまとめ
・地下鉄の通信速度はSIMの性能より駅環境が決定的な影響を与える
・下り速度で同一キャリア内で最大856倍の速度差が発生
・高架駅(後楽園・御茶ノ水)は電波良好で高速安定
・銀座駅は複雑な多層構造(3路線交差)+古い駅舎+高い混雑度で最低速
・UQmobileは全駅で安定傾向、楽天モバイルは駅により速度差が大きい
・楽天モバイルの700MHz帯運用で今後の改善が期待される
地下鉄での通信品質を重視する方は、普段利用する駅の電波状況を事前に確認することをおすすめします。
・最大速度(下り):後楽園駅(楽天モバイル)411Mbps
・最低速度(下り):銀座駅(楽天モバイル)0.48Mbps
・UQmobileは全駅52Mbps以上(下り速度)で安定地下鉄通信は「駅環境」が決め手になる
・速度差の主要因:地下深度・駅構造・混雑度・基地局配置
「オールコネクトマガジン」について

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