2026年2月8日(日)に外国ルーツの高校生100名が集まるキャリア支援フェスを開催




認定特定非営利活動法人カタリバ(本部:東京都中野区、代表理事:今村久美、以下カタリバ)は、キャリアを考えることに課題を持つ外国ルーツの高校生を対象に、全国から約100名の高校生が集う対話型キャリアイベント「#meet5000フェス」を2026年2月8日(日)に開催します。

静岡県・滋賀県の支援団体とも連携し、約100名の外国ルーツの高校生が一堂に会する国内最大規模のイベントです。日本語指導が必要な若者が直面する機会の不平等に対し、多様な企業や地域の大人が子どもに歩み寄り、未来を共に育む取り組みの第一歩として位置づけています。

この度、参加を希望される団体・学校関係者、ならびに取材をご検討いただける報道関係の皆さまに向けて、お知らせいたします。

「日本語ができないとキャリアが開かない」約5,000人の外国ルーツ高校生が抱える機会格差とその背景にある構造的要因




日本に暮らす、日本語指導が必要な高校生は約5,000人にのぼり、同世代の高校生に比べて、中退率が約8倍、非正規就職率が約12倍に上るという調査もあります。(*1)

背景には、日本語教育の不足だけでなく、外国ルーツの高校生が日本でのキャリアにふれる機会不足や、地域・家庭・学校の連携体制、制度上の遅れなど、複数の要因があります。

「日本語ができないと未来の扉が開かない」という構造的なハードルのもと、学習意欲やキャリア形成の大きな阻害要因となっています。

このような状況を受けて、全国の学校・教員・地域団体の間でも、外国ルーツの高校生が安心して将来を考えられる機会づくりが求められるようになってきています。

カタリバは2019年より、国籍を問わず、両親またはどちらかが外国出身である外国ルーツの高校生を対象に、学校や地域と協働しながらキャリア支援を行ってきました。

支援を受けた高校生の学習意欲や進路に変化がみられたという学校からの報告もあり、外国ルーツの高校生本人に課題があるのではなく、日本でのキャリアに触れたり、将来について対話する機会そのものが不足していることが、生徒の声から分かってきました

「機会の格差」は外国ルーツの高校生だけの課題ではなく、これからの多文化社会を迎える日本全体が向かう課題であると考えています。

"はたらく大人"が外国ルーツの高校生に会いにいく、「採用」ではなく「価値観」を語り会う、多文化共生時代のキャリア形成の場




このような状況を受けて、カタリバは外国ルーツの高校生が両親や先生以外の"はたらく大人”と出会い、自分の価値観や働く意味を安心して語り合える場として、対話型キャリアイベント「#meet5000フェス」を開催する運びとなりました。


本イベントは「外国ルーツの高校生と働く大人が小さな主語で出会い直す」キャリア対話イベントです。約5,000人いるとされている外国ルーツの高校生に、大人が会いに行くというコンセプトのもと、評価する・されるという関係性の枠を外し、多様なバックグラウンドを持つ大人と高校生が未来を共に描くことを目的としています。


日本語の壁やキャリアの情報・機会の不足などにより、これまで機会がなかった高校生が、自分の大切にしたい価値観や将来への期待を言語化できるプログラムです。

■主なプログラム

●企業対話ブース
企業紹介で終わらず、企業独自のテーマで高校生とはたらく大人が対話。自分の興味や目標を、他者との対話を通じて、より深く言語化できたり、興味を起点とした主体的な行動が「他の業界も見てみてもいいな」という視野が広がるような「越境体験」につながることを期待しています。大人との対話と振り返りを通して、自分の中にある関心軸に気づき始めることを意識したプログラムとなっています。

●個人対話ブース
外国ルーツの先輩がどのように今の仕事に出会ったのかや、通訳、ものづくり、スポーツ、メディア、ファッション、建築、デザイナー、エンジニア、起業家など様々な職業の人との対話を通じて、関心軸に対して解像度を高めたり、今後、深めていきたい選択肢や学びについてのキーワードを獲得できるプログラムです。

●交流ブース
キャリアについて、まだ関心を持てていない高校生も、大人と一緒にボードゲームなどで遊ぶことで、これまで出会ったことのない大人や、学校やルーツの異なる高校生との出会いを楽しむことを目的としています。「好き」「楽しそう」を起点とした予期せぬ出会いを入口に、キャリア対話に参加していけるようなアイデアが盛り込まれています。

また、地域からも高校生も参加できるよう、滋賀県・静岡県・愛知県など全国の参加を可能にするバスツアーを、認定NPO法人e-Education、NPO法人immi lab、NPO法人希望の光と協力して実施します。これにより、地理的・経済的な事情からキャリアに触れる機会が少ない生徒にも、そのような場を広げていきたいと考えています。

■「#meet5000フェス」イベント概要

・イベント名:#meet(ミート)5000フェス
・日 時:2026年2月8日(日)
・場 所:サイボウズ株式会社 東京オフィス
・対 象:事前に申込をした外国ルーツの高校生、パートナー企業、学校・支援団体関係者、報道関係者
・申 込:高校生の参加者は下部のLINE登録ボタンより、登録をお願いします。
 https://line.me/R/ti/p/@893anryn?oat_content=url&ts=11061515
※支援団体・学校関係者の皆さまは下記の「問い合わせ窓口」より事前にお問い合わせください。
・参加費:参加無料
・問合せ:企業・学校・団体の皆さまは事前にお問い合わせください。
 問合せ窓口:https://roots.katariba.or.jp/meet5000/contact
・主 催:認定NPO法人カタリバ
・共 催:認定NPO法人e-Education
・協 力:NPO法人 immi lab、NPO法人 希望の光

■支援団体・学校の皆さまへ

本イベントには、外国ルーツの高校生の学習支援・日本語教育・キャリア支援に取り組む団体、学校関係者の皆さまにも、ご参加・見学・連携のお問い合わせを歓迎しています。次年度以降の連携についてもご相談いただけます。

外国ルーツの高校生の声。「外国人だから」ではなく自分自身で未来を描く、高校生がみつけた可能性



■「自分も同じ人生をたどると思っていました」
ーフィリピンルーツ・日本生まれの高校生Aさんの言葉

Aさんの両親や周囲の大人は、生活が安定せず福祉制度を利用して暮らしている方が多い環境でした。
そのため出会った当初、Aさんは「自分もいずれ親と同じ人生をたどるのだと思っていました」と語っていました。
友人の誘いで参加した複数のキャリアイベントで、Aさんは"外国ルーツでも等しく評価されること" "自分の強みを見てくれる大人がいること"に初めて触れました
進学を反対される家庭事情もあり迷いながらも、最終的に自ら選択して職業能力開発センターへ進学。現在は専門スキルを身に着けながら働き、海外研修にも挑戦するなど、視野を広げています。

■「外国人だからこの進路、と言われるのが悔しかった」
ーモンゴルルーツ・高校生Bさんの言葉
Bさんはプログラマーになる夢を持ち、学校外でも積極的に学び続けていました。しかし進路指導の場面では「外国人はこの進路の方がいい」と、本人の希望よりもバックグラウンドによって進路が限定される経験があり、違和感を抱いていました。
カタリバが提供するRootsインターンへの参加を通じて専門職で活躍する社会人に出会い「自分もこの人たちと肩を並べて仕事ができる」と実感。その後は独学でプログラミングを学び、難関エンジニア養成機関に合格し、現在は職業能力開発短期大学校でも並行してスキルを磨いています。

パートナー企業の声「属性ではなく、声を聴く」対話型キャリアフェスに企業が集う理由

【サイボウズ株式会社】


私たちサイボウズは「チームワークあふれる社会を創る」ことを理念に掲げ、多様な個性を重視し、互いの想いに耳を傾けながら、対話と議論を重ねることを大切にしています。今回、このイベントに協力させていただいたのは、私たちの経験が、外国ルーツを持つ若者の未来への一歩を後押しできることに魅力を感じたからです。自分の意見をしっかり持ち、相手に伝えたいという想いは、彼らの大きな魅力です。言葉の壁やもどかしさを感じることもあるかもしれませんが、丁寧に聴かれる体験は「自分も必要とされている」という確かな実感につながり、さらに広い世界へ歩み出す力になると信じています。#meet5000の応援を通じて、参加者のみなさんとともに未来を照らす光をともしていきたいと願っています。



【株式会社LIFULL】


LIFULLのロゴにあるL字フォーカスは、「あらゆるLIFE」に焦点を当てるためのファインダーを表現しています。
これは、属性で一括りにするのではなく、一人ひとりの人生にしっかり向き合いたいという私たちの意思表示です。
私たちも、ベトナムやマレーシアの拠点や社内の多様な仲間と協働する中で、国籍という枠組みを超え、個々のルーツや想いに触れることで、異なる視点が混ざり合い、既成概念にとらわれない新しい発想が生まれることを日々実感しています。
「#meet5000」を通じて、外国にルーツを持つ高校生一人ひとりのストーリーに光が当たり、その輝きが社会全体を照らすことを願っています。
この素晴らしい出会いの連鎖を、私たちは心から応援します。



連携団体の声「外国ルーツの高校生の可能性を感じてほしい」

【認定NPO法人e-Education】


私たちが活動する静岡県は、日本語指導を必要とする海外ルーツの子どもたちの数が、全国で4番目に多い地域です。地方に暮らす彼らにとって、#meet5000フェスは、普段なかなか出会うことのできない大人や、同じ悩みを分かち合える同世代の仲間と出会える貴重な場になると考えています。
国境を越え、言語や文化の違いを学生時代に超える彼らは、きっと様々な困難や逆境に打ち勝ち、日本と母国を繋ぐ架け橋となる越境リーダーになる。#meet5000フェスを通して、彼らが自分の可能性を花開かせるような、人生が変わるような1日を届けたいと考えます。


e-Educationは2010年に活動を開始し、これまで14カ国で5万人以上の子どもたちに映像教材やオンライン授業を届けてきたNPO法人です。2024年からは15カ国目の活動国「日本」で、海外ルーツの子どもたちの支援を行っています。



【NPO法人immi lab】


滋賀県のような散在地域の移民ルーツの若者は、リソースや多様性に乏しい環境で孤立しやすく、卒業後の進路も非正規雇用に限定されがちです。自分の意思で日本に移住したわけではない若者にとって、日本社会で生きていく将来を想像することは容易ではありません。#meet5000フェスは、そうした地方の若者が、限られたコミュニティを超え、多様な大人の価値観に触れることで、自分の可能性を再発見できる場です。
地方で「どうせ自分は対象外だろう」と思っている若者にとって、このフェスが「どんな環境にいても、あなたに味方はいる」という希望を示すムーブメントのきっかけになることを期待しています。参加してくださる企業や社会人の皆様にも、地域の若者の可能性を感じていただければ嬉しいです。
特定非営利活動法人immi lab(イミラボ)は、移民の声が消されない社会を目指して滋賀県を中心に活動しています。レジリエンス(困難を乗り越える力)を育てる事業プロジェクトポンテでは、移民ルーツの若者が自身の「ルーツ」と向き合い、将来の自己実現のために成長するプロセスを、対話メンターと共に伴走しています。




Rootsプロジェクトとは




Rootsプロジェクトは、外国ルーツの子ども・若者も当たり前に社会の仲間として迎え入れられ、未来をみんなで一緒につくっていける環境を目指し、学校内外での学習支援・キャリア支援に取り組む事業です。外国ルーツの高校生がキャリアを考える中で直面する言語・文化・価値観の違いで生まれる社会との壁を、職業体験を通じた対話を通して子どもと企業が双方に考える機会をつくっています。この取り組みは、彼・彼女たちへの認知・理解促進や、高校生が日本社会とのつながりを自分でつくっていく力を育むことを目指しています。
多文化共生やDE&I推進、人材 物育成、CSR・ESGに関心のある企業の皆さまの寄付も募集しています。対話を軸とした交流は、組織開発や若手育成、社会的価値創出の観点からも学びの場となります。ぜひ、未来を共に育むパートナーとして共に取り組んでいただければ幸いです。

認定特定非営利活動法人カタリバとは



どんな環境に生まれ育っても、未来を自らつくりだす意欲と創造性を育める社会を目指し、2001年から活動する教育NPOです。高校への出張授業プログラムから始まり、2011年の東日本大震災以降は子どもたちに学びの場と居場所を提供、2020年以降は経済的事情を抱える家庭にオンライン学習支援を行う、メタバース空間を活用し不登校の子どもたちを支援するなど、社会の変化に応じてさまざまな教育活動に取り組んでいます。




<団体概要>
設立 : 2001年11月1日
代表 : 代表理事 今村久美
本部所在地 :東京都中野区中野5丁目15番2号
事業内容 :高校生へのキャリア学習・プロジェクト学習プログラム提供(全国)/被災地の放課後学校の運営(岩手県大槌町・福島県広野町)/災害緊急支援(全国)/地域に密着した教育支援(東京都文京区)/困窮世帯の子どもに対する支援(東京都足立区・全国)/外国ルーツの高校生支援(東京都)/不登校児童・生徒に対する支援(島根県雲南市・全国)/子どもの居場所立ち上げ支援(全国)
URL: https://www.katariba.or.jp

問い合わせ

取材に関するお問い合わせは下記フォームにご入力ください。
https://www.katariba.or.jp/report/(担当:カタリバ広報 阿部)
*1 文部科学省 総合教育政策局国際教育課 令和6年8月「令和5年度 日本語指導が必要な児童生徒の受入状況等に関する調査結果について」
https://www.mext.go.jp/content/20240808-mxt_kyokoku-000037366_4.pdf
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