〈小川洋子さんコメントあり〉
株式会社文藝春秋(本社:東京都千代田区 社長:飯窪成幸)が刊行した、小川洋子さんの小説『サイレントシンガー』が、第67回毎日芸術賞を受賞しました。毎日芸術賞は、演劇、邦舞、演芸、美術、文学、音楽などあらゆる芸術分野を対象に、特に優れた業績をあげた個人・団体を顕彰する賞です。

『サイレントシンガー』小川洋子(文藝春秋)
作品概要
著者6年ぶり、世界が待ち望んだ長篇小説400枚。名手の卓越した筆は、沈黙と歌声を互いに抱き留め合わせる。叙情あふるる静かな傑作。◼︎あらすじ
内気な人々が集まって暮らすその土地は、“アカシアの野辺”と名付けられていた。野辺の人々は沈黙を愛し、十本の指を駆使した指言葉でつつましく会話した。リリカもまた、言葉を話す前に指言葉を覚えた。たった一つの舌よりも、二つの目と十本の指の方がずっと多くのことを語れるのだ。
やがてリリカは歌うことを覚える。彼女の歌は、どこまでも素直で、これみよがしでなく、いつ始まったかもわからないくらいにもかかわらず、なぜか、鼓膜に深く染み込む生気をたたえていた。この不思議な歌声が、リリカの人生を動かし始める。歌声の力が、さまざまな人と引き合わせ、野辺の外へ連れ出し、そして恋にも巡り合わせる。果たして、リリカの歌はどこへと向かっていくのか?
小川洋子さんからのコメント
『サイレントシンガー』はどんな作品ですか、と問われたら、「ただひたすらに静かなだけの小説です」と答える以外にありません。言葉を手放してこそ、肉体に刻まれた記憶が呼び覚まされ、人は平安に出会えるのでは。そう願いながら書き続ける私の耳元で、リリカの歌声が風のように吹き渡っていました。言葉から遠ざかるための世界を言葉で描く。作家の仕事はそもそもが、負け戦なのです。だからこそ、言葉の威力に押しやられた人々の背中を、そっとさすることができるような小説を書きたい、といつも思っています。最後に、多くの意味深いインスピレーションを与えて下さった方々に、心から感謝申し上げます。著者プロフィール

小川洋子さん近影
一九六二年、岡山市生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。八八年「揚羽蝶が壊れる時」で海燕新人文学賞を受賞。九一年「妊娠カレンダー」で芥川賞、二〇〇四年『博士の愛した数式』で読売文学賞、本屋大賞、同年『ブラフマンの埋葬』で泉鏡花文学賞、〇六年『ミーナの行進』で谷崎潤一郎賞、一三年『ことり』で芸術選奨文部科学大臣賞、二〇年『小箱』で野間文芸賞を受賞。一九年『密やかな結晶』の英語版「The Memory Police」が全米図書賞の翻訳部門最終候補、二〇年ブッカー国際賞の最終候補となる。〇七年フランス芸術文化勲章シュバリエ受章。他の著書に『完璧な病室』『薬指の標本』『アンネ・フランクの記憶』『猫を抱いて象と泳ぐ』『人質の朗読会』『最果てアーケード』『琥珀のまたたき』『不時着する流星たち』『掌に眠る舞台』『からだの美』『耳に棲むもの』などがある。
書誌情報
書 名:『サイレントシンガー』著 者:小川洋子
装 丁:四六判・上製カバー装
定 価:1,980円(税込)
発売日:2025年6月30日
ISBN:978-4-16-391991-1
書誌URL:https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163919911

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