「世界とつながる学び」で、国際支援のリアルを学び、「当事者意識」で主語が変わる(CoRe Loop)実践
特定非営利活動法人なかよし学園プロジェクト(代表:中村雄一/千葉県松戸市)は、山形県遊佐町立遊佐中学校の生徒が主体となって集めたノート・文房具等を、カンボジアでの難民支援活動において手渡しで届けました。あわせて、現地からの手紙・写真・短い動画などの反応を学校へ還流し、「教室の学びが世界の誰かの役に立つ」実感を次の探究へつなげる往還型モデル CoRe Loop(Co-create & Return Loop) を、遊佐中学校との連携で推進してまいります。

遊佐中の生徒たちの思いがカンボジアに届く
「送れば届く」とは限らない--“支援の裏側”を学び、行動が変わった
遊佐中学校では、2年3組の生徒が自発的にノートや文房具を集めるところから取り組みが始まりました。一方で、国際支援の現場には「住所が存在しない/配送網が機能しない」場所も多く、物資が“届けたくても届かない”現実があります。そこでなかよし学園が行なった講演会では、輸送・保管・安全確保といった実務面も含め、現地に届くまでのプロセスを具体的に共有しました。
「本当に支援が必要な難民キャンプには【住所】が存在しない。だからなかよし学園は手渡しで届ける。送るのではなく、届ける。」
日本では多くの人が不要になった古着や文具などを「無償で」現地に届けてもらえると思いがちですが、当然のことながら支援が必要な人の元へ送るには「送料」が発生し、多くの場合集められた物品は中古品として販売され、その利益の一部が支援に使われるという構図になっています。なかよし学園では「本当に必要な人に届ける」という合言葉のもと、トレーサビリティの取れる活動を行い、支援者に送料負担をしてもらう代わりに、「誰に届いたか」を映像や画像で送り返す取り組みを行なっています。
この学びを受け、遊佐中学校では生徒会を中心に募金活動が広がり、クラスの取り組みが「全校の取り組み」へと拡張。単なる善意の回収に留まらず、「どうすれば確実に届くか」「自分たちが当事者として何を担うか」を考え、行動するプロジェクトへと進化しました。

戦禍のカンボジアの学校に届いた遊佐中学校の文房具
表紙の一言が、難民の子どもを励ます--“Only oneノート”という贈り物
集めた文房具は、ただの支援物資ではありません。遊佐中学校では、ノートの最初のページや表紙に手紙を書き添え、受け取る子どもたちを励ます“世界に一つだけのOnly oneノート”として準備しました。
「誰に、どんな気持ちを届けたいか」を言葉にして添える行為そのものが、生徒にとって“相手の人生を想像する学び”となり、支援を「作業」から「関係」へ変えていきます。



カンボジアからのメッセージが日本に届く
戦後80年の記憶と重なる「いま」の戦禍--“最初に描かれたのは戦車でした”
今回、遊佐中学校から届けたノートを受け取ったカンボジアの少年が、最初に描いたのは戦車の絵でした。ページには、戦闘機や炎に包まれる家、そして「I need peace」という言葉が並びます。子どもの絵は、最も率直な“現場の証言”です。教科書やニュースでは「情勢」として語られる出来事が、同世代の子どもにとっては「今日の恐怖」であり、「明日の不安」であることを、私たちに突きつけます。
なかよし学園は、この絵を“ショックな出来事”として消費しません。受け取った現実を、学びの力に変え、行動に結びつけます。一刻も早く戦争が止まるように。子どもたちの声が、世界へ届くように。私たちは、学校と地域の力を束ね、世界に平和の架け橋をかける教育支援を続けてまいります。

カンボジアの少年が描いた絵。戦争の悲劇は少年の心にも刻まれている。
背景情報:国境地帯の緊迫と、子どもたちに届く“支援の空白”
2025年は、タイ・カンボジア国境をめぐる衝突が断続的に報じられ、空爆を含む軍事行動や大規模な避難が発生しました。12月27日には両国が停戦に合意し、報道では「20日間の戦闘で多数の死傷者が出て、50万人超が避難した」と伝えられています。
他方、別報道では避難規模がさらに大きい可能性にも触れられており、情勢の不安定さが地域住民、とりわけ子どもたちの学習・生活機会を奪い続けています。
こうした「ニュースで知る出来事」が、教育現場では“遠い出来事”として流れやすい一方、なかよし学園は、国内の学校が制作した教材を実際の現場で活用し、現地からのフィードバックを学期内に学校へ還す循環(CoRe Loop)によって、児童生徒が“当事者として平和構築に関わる学び”へ転換していく仕組みづくりを進めています。

カンボジアの難民キャンプ
世界に一冊だけの「世界の架け橋ノート」--左頁は遊佐、右頁はカンボジア
今回、なかよし学園は遊佐中学校に提案し、単なる物資支援に留まらない“往還型の学び”として「世界の架け橋ノート」を制作しました。ノートの左頁には日本・遊佐中学校からのメッセージを、右頁にはカンボジアの子どもたちからの返信メッセージを記し、一冊の中に「届ける」と「還ってくる」を同居させた、世界に一冊だけのノートが完成しました。
このノートは、支援の成果物であると同時に、CoRe Loop(届ける→共創→還す)そのものを可視化した“証拠”です。日本の教室で生まれた思いが海を越え、現地の子どもたちの言葉や絵となって戻り、再び日本の学びを動かしていく--その循環が、当事者意識と自己効力感を育てます。
完成した「世界の架け橋ノート」は、遊佐中学校図書館へ寄贈されました。個人の記念ではなく、学校全体・地域全体の資産として残し、次に続く生徒たちがページを開くたびに「世界とつながる学び」を自分の言葉で引き継げるようにするためです。学びが“その場限りのイベント”ではなく、学校文化として根づく--それが、なかよし学園が目指す教育支援のかたちです。




現地で手渡し、そして“還す”--CoRe Loopで、学びは次の探究へ進む
なかよし学園は、集まった文房具等をシリア・ルワンダ・カンボジア・南スーダンなどへ届け、現地からの反応を学校へ“還流”します。さらに、児童生徒のアイデアを教材化し、海外授業で実装し、現地校と共創し、反応を里帰りさせる循環によって、「支援される側/する側」という固定化を越えた主語転換を促します。
今回遊佐中の今野大輔教諭が1ヶ月間の研修を受け、なかよし学園メンバーとして活動に参加。遊佐中の文房具を自らの手で手渡しました。また、同じく広島県特別支援学校の福富茂樹教諭と共に地雷博物館でガイドを行うなど、日本の先生が海外で教育支援活動を行うモデルを実践しました。

遊佐中学校今野大輔先生は現地で難民支援活動に取り組んだ
学校・地域の声
遊佐中学校 石黒 久 校長
「講演とライブ接続で“遠い世界”が手の届く相手になり、子どもたちの表情が明らかに変わりました。この出逢いを今後も継続的な往還(CoRe Loop)の学びとして根づかせたいです。」
教育クリエイター 今野 大輔 様
「現地の温度を帯びた話が入ると、思考が一段深まります。受動的な“視聴”から能動的な学びへ切り替わりました。これから彼らの学びが世界で実装されるのが楽しみです。」
2年3組担任 田中 綾 様
「“文房具を集めよう”という試みは、普段は前に出ない子が中心になったり、保護者周知や校内掲示まで“見える運営”にしたことで、クラス全体の結束が高まりました。必要とする人たちに届くのが楽しみです。」

文房具を集めてくれた遊佐中学校2年3組
今後の展開
本取り組みは、現地からのフィードバックを受け取った後、学校内での共有・振り返りを経て、次の探究テーマ(平和、教育、貧困、物流、情報、言語など)へと接続していきます。なかよし学園は、授業設計・教材化・海外実装・フィードバックまでを一気通貫で支援し、学校現場の探究学習を“世界で機能する学び”へアップデートします。
◆代表メッセージ
「“届く支援”にするためには、現場のリアルを知り、当事者として一歩踏み出すことが必要です。遊佐中学校の皆さんが、相手の顔を思い浮かべて言葉を添え、行動を広げたこと自体が平和教育です。学びを世界へ届け、世界から還ってきた声を、次の探究へつなげていきましょう。」

なかよし学園中村雄一代表と中村里英事務局長
◆団体概要
特定非営利活動法人 なかよし学園プロジェクト
代表者:理事長 中村 雄一
所在地:〒270-0021 千葉県松戸市小金原4-14-14
活動内容:世界10カ国の紛争地・貧困地域での教育支援/日本全国の学校と海外をつなぐ「世界とつながる学び」プロジェクト運営/国連・ウィンザー城等での平和教育発信 ほか
◆お問い合わせ先
特定非営利活動法人 なかよし学園プロジェクト(事務局・広報)
担当:中村 里英
E-mail:peace.office@nakayoshigakuen.org
TEL:047-704-9844
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