- 防衛財源賄う所得税増税に反対43%、賛成31%、わからない25% -

[KSIオンライン調査] 日本の防衛力強化と国防に関する意識調査(第4回)
新産業に挑戦する企業に対して政策活動やリスクマネジメントのサポートなど、パブリックアフェアーズ領域で総合的なコンサルティングを行う紀尾井町戦略研究所株式会社(KSI、本社:東京都港区、代表取締役社長:別所直哉)は、月に2回程度、時事関係のトピックを中心としたオンライン調査を行っています。
■調査の概要
中国、北朝鮮、ロシアなど日本周辺国の活動が活発化する中、日本を取り巻く安全保障環境は厳しさを増しているとの指摘があります。また、いわゆる台湾有事を巡る高市早苗首相の国会答弁を契機に、日中関係の緊張が続いています。こうした状況を踏まえ、日本の防衛力強化と国防の在り方に関する考え方を把握するため、2025年12月26日、全国の18歳以上の1,000人を対象にオンライン調査を実施しました。
■調査結果サマリ
日本の安全保障環境「不安だ」8割
中国の国防費増加や南シナ海などでの海洋進出の活発化、北朝鮮による核・ミサイル開発、ロシアによるウクライナ侵略や北方領土を含む地域での活動継続を受け、日本を取り巻く安全保障環境は厳しさを増しているとされる。現在の日本の安全保障環境に「非常に不安を感じる」「ある程度不安を感じる」が計84.6%(前回25年3月6日調査85.2%)に達したのに対し、「まったく不安を感じない」「あまり不安を感じない」は計11.5%(10.5%)だった。
「非常に不安を感じる」とした人を地域別に見ると、北海道が5割台で最多となり、東北が4割台で続いた。高市内閣を「支持する」とした人では3割台後半だったのに対し、「支持しない」人では2割台半ばだった。支持政党別では、日本保守党が7割でトップとなり、参政党と共産党が5割台で続いた一方、れいわ新選組は一桁で突出して低かった。
日中関係の先行き「不安だ」8割
いわゆる台湾有事(中国が台湾統一に向けて軍事侵攻すること)を巡る高市早苗首相の国会答弁を受けて、中国政府は自国民に対して日本への渡航自粛を呼びかけており、中国軍機による自衛隊機へのレーダー照射も起きた。日中関係の先行きに「非常に不安を感じる」「ある程度不安を感じる」が計80.9%に達した一方、「まったく不安を感じない」「あまり不安を感じない」は計15.2%となった。
「非常に不安を感じる」とした人を地域別に見ると、北海道、東北、沖縄がいずれも4割台で最多となり、中部が3割台で、他はすべて2割台だった。支持政党別では、日本維新の会、公明党、共産、チームみらいなどが4割台以上で最多レベルだった。
非核三原則見直しは賛否41%で拮抗
日本が「非核三原則」(核兵器を持たず、作らず、持ち込ませず)を見直すことに「反対」は41.5%(前回25年3月6日調査38.0%)、「賛成」が41.2%(41.8%)と拮抗した。「わからない」は17.3%。

「賛成」とした人を男女別に見ると、男性は4割台半ばだったのに対し、女性は3割台半ばだった。職業別では、公務員(団体職員や教職員を除く)が5割だったのに対し、専業主婦・専業主夫が2割台で最低。支持政党別では参政と保守が6割台でトップとなり、自民党、維新などが5割台で続いた。これに対し、れいわとみらいは1割台で最低となり、次いで立憲民主党、公明、共産が2割台と少なかった。
日本が「非核三原則」の見直しについて議論することに「賛成」が56.6%(前回25年3月6日調査51.7%)を占め、「反対」は29.3%(34.2%)だった。「わからない」は14.1%。
防衛財源賄う所得税増税に反対43%、賛成31%
2026年度与党税制改正大綱によると、防衛力強化の財源確保のため、27年1月から新たに「防衛特別所得税(仮称)」を課し、所得税を1%増税する。同時に、東日本大震災の復興財源である「復興特別所得税」の税率を同程度下げ、単年度の税負担は変えないと明記。一方で、37年末までだった復興特別所得税の課税期間を10年延長するため、長期的には負担増になるとの見方がある。防衛力強化の財源確保策として、所得税増税に「反対」が43.5%、「賛成」は31.3%だった。「わからない」が25.2%。

「反対」とした人を地域別に見ると、東北が5割台でトップとなった一方、四国が2割台で最低となった。職業別では、公務員(団体職員や教職員を除く)、学生、専業主婦・専業主夫がいずれも5割台で最多だった。景気を「良いと感じる」人では1割台だったのに対し、「悪いと感じる」人では5割台に上った。支持政党別では、れいわなどが7割を超し最も多く、次いで立憲とみらいが6割台だった一方、自民は最少の2割台だった。
日本の2025年度防衛費は、補正予算成立により国内総生産(GDP)比2%(22年度水準)となっている。22年に政府が策定した国家安全保障戦略は、27年度までに同2%への引き上げを目標にしており、前倒しで達成した形。一方、防衛費の指標はGDP比ではなく、地政学的リスクや周辺国の軍事動向などを踏まえて必要額を積み上げるアプローチを採用すべきとの意見もある。日本の防衛費の決め方として、自身の考えに最も近いものを1つ選んでもらうと、「必要性に基づくアプローチ」が56.5%を占め、「GDP比を指標とするアプローチ」は12.0%。「どちらともいえない」が19.0%あり、「わからない」は12.5%だった。
「必要性に基づくアプローチ」とした人を支持政党別に見ると、維新、参政、保守がいずれも7割台で首位となり、次いで自民、国民民主党が6割台で続いた。
米国は日本を「状況により守ってくれない」45%
日米安全保障条約は、日本が武力攻撃を受けた場合、米国が日本を防衛する義務を定めているが、有事の際に米国が日本を守ってくれると思うかどうか聞くと、「状況によっては守ってくれないと思う」が45.4%(前回25年3月6日調査48.5%)で最多となり、以下は「最優先ではないが守ってくれると思う」27.5%(21.9%)、「守ってくれないと思う」15.9%(21.0%)、「最優先で守ってくれると思う」3.1%(2.7%)となった。「わからない」は8.1%。
「守ってくれないと思う」「状況によっては守ってくれないと思う」とした人を支持政党別に見ると、保守とみらいが8割台で最多だった。最低は共産の4割台。
スパイ防止法制定に賛成62%、反対16%
日本には現在、外国のために国家機密や重要情報を不正に取得・提供する行為(いわゆるスパイ行為)を包括的に処罰する単一の法律はない。このため、スパイ行為への対応は、不正競争防止法など既存の法律で行っているとされている。近年の安全保障環境の変化などを受けて「スパイ防止法」を制定すべきとの意見がある。例えば、自民と維新の連立政権合意文書には、スパイ防止関連法制の策定・成立が明記されている。一方で、人権侵害や監視社会化などへの懸念から反対意見もある。スパイ防止法制定に「賛成」が62.5%を占め、「反対」は16.9%。「わからない」が20.6%あった。
「賛成」とした人を年代別に見ると、10、20代は3割台、30代は5割台、40代以上はいずれも6割台で、おおよそ年代が上がるにつれて増加した。職業別では、会社の正社員・団体の正職員、公務員(団体職員や教職員を除く)、医療・福祉関係の職員等、契約社員・パート・アルバイト等、自営業・専門職(士業等)・自由業、年金生活・無職などが6割を超えて最多となり、半面、学生が2割台で最低、会社役員・団体役員、教職員、専業主婦・専業主夫が4割台で次いで低かった。高市内閣を支持する人では7割台に達した半面、支持しない人は4割台だった。支持政党別では、保守が全員、参政が8割台となり、自民、維新、国民民主が7割台で続いた。一方、れいわなどは2割台以下で、立憲、公明、共産が4割台で次いで低かった。
能動的サイバー防御「詳しく知らない」5割「知っている」2割
2025年の通常国会で、国や基幹インフラ(電力、通信、金融など)に対するサイバー攻撃を未然に防ぐための「能動的サイバー防御」を導入する法律が成立した。能動的サイバー防御について「聞いたことはあるが、詳しくは知らない」が50.7%(24年12月9日調査44.4%)を占め、「まったく知らない」20.3%(30.9%)、「ある程度知っている」19.4%(19.8%)、「よく知っている」2.8%(2.8%)と続いた。
能動的サイバー防御では、サイバー空間で起きていることを把握するため、国がインターネット上の情報やデータを収集し、解析することがある。解析については、プライバシー保護や「通信の秘密」との関係から懸念する声もある。能動的サイバー防御のために国がインターネット上の情報やデータを解析することを「条件付きで認めてもよいと思う」が64.4%(24年12月9日調査65.7%)に上り、「認めるべきではないと思う」13.1%(6.0%)、「無条件で認めてもよいと思う」9.5%(12.8%)となった。「わからない」は13.0%。
日本の防衛力強化のために何が必要だと思うか、複数回答で聞くと、上位3位は、「国際平和の維持や日本の安全のための外交努力」49.9%(前回25年3月6日調査44.2%)、「サイバー空間や宇宙空間での防衛力強化」48.4%(41.0%)、「食料安全保障の確保」48.1%(44.6%)だった。前回の調査で1位だった「食料安全保障の確保」は今回3位だった。また、「サイバー空間や宇宙空間での防衛力強化」は前回調査では5位だったが、今回2位に上昇した。

政党支持率は自民党19.9%(前回25年12月16日調査15.8%)、立憲民主党7.3%(5.3%)、国民民主党5.5%(4.7%)、日本維新の会4.7%(5.1%)、れいわ新選組3.2%(3.0%)、参政党2.6%(3.9%)、共産党1.7%(2.0%)、日本保守党1.0%(1.8%)、公明党0.9%(1.8%)、チームみらい0.6%(0.7%)、社民党0.2%(0.2%)、その他の政党・政治団体0.6%(0.6%)、支持する政党はない48.6%(51.3%)。
調査レポート(クロス集計あり)の詳細
https://ksi-corp.jp/topics/survey/2026/web-research-108.html
紀尾井町戦略研究所株式会社(KSI:https://www.ksi-corp.jp/)について
KSIは2017年にヤフー株式会社(現LINEヤフー株式会社)の子会社として設立され、2020年4月に独立した民間シンクタンク・コンサルティング企業です。代表取締役の別所直哉は、1999年よりヤフー株式会社の法務責任者として、Yahoo! JAPANが新規サービスを立ち上げるにあたり大変重要な役割を担ってきました。
その中で培った幅広いネットワークや政策提言活動を通じて得られた知見をもとに、新産業に挑戦する企業に対して政策活動やリスクマネジメントのサポートなど、パブリックアフェアーズ(ロビイング、政策渉外)領域で総合的なコンサルティング行っているほか、クライシスマネジメント支援、KSI官公庁オークション、地方創生やデジタル化支援、シンクタンク活動、調査事業、政策関連のメディア事業などを通じ、社会の新たな可能性を切り拓く取り組みを続けています。
KSIのSNS公式アカウント
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