~アプリによる退院後の日常生活伴走を通じ、早期回復をサポート~
株式会社おいしい健康(代表取締役CEO:野尻哲也)は、京都府立医科大学大学院医学研究科 消化器外科学(研究責任者:塩崎敦教授)とともに「デジタルヘルスを用いた胃がん切除術患者の伴走支援に関する共同臨床研究」を開始いたしましたことをお知らせいたします(研究名:AI献立・栄養管理アプリを使用した胃切除術後食の臨床的意義に関する単施設前向き研究、研究倫理審査委員会承認番号:ERB-C-3468)。なお本研究は、当社において21件目の共同臨床研究となります。
■背景「胃がん切除手術後における食事管理の重要性と負担」
現在、日本では年間約11.3万人の胃がん患者が存在し、胃がん切除手術を受ける方は9.4万人とされます。胃がんの治療成績は手術技術や薬物療法の進歩により向上した一方、患者は治療により胃の機能の一部を失う結果、退院後の健康状態や食生活において様々な症状をきたすことがあります。こういった術後後遺症(胃切除後症候群※)により引き起こされる体重減少や骨格筋減少は、QOLの低下のみならず、抗がん剤治療の継続率低下や、がん再発率の向上に関連することが報告されています[1]。また、持続血糖モニタリング(CGM)を用いた研究では、退院後1年を経ても血糖変動が増大することが報告されています[2](Kubota T et al., Ann Surg Open, 2022)。
※胃切除後症候群の例[3]
早期ダンピング症状(食後の動悸・頻脈・顔面紅潮・全身倦怠感など)、後期ダンピング症状(食後2~3時間後に起こる脱力・倦怠感・めまい・眠気・集中力や意識の低下・頭痛・冷や汗・動悸・手や指の震え・頻脈など)、小胃・無胃症状、腹痛と下痢、体重減少、貧血(鉄やビタミンB12の吸収低下)、骨粗しょう症(カルシウムの吸収低下)、吻合部狭窄、逆流性食道炎、胆石症
胃切除後症候群への対処法の基本は「食事療法」となります。食事療法では、具体的に以下のような注意事項が挙げられます[4]。
・1回の食事量を減らし、1日6回以上に分けて食べる
・糖質の吸収が早い食べ物を避ける
・不溶性食物繊維が多い食品を控える
・揚げ物などの脂っこい料理を控える
・逆流症状がなければ、食後10~30分ほど横になって休む
・よく噛んで食べる
・高タンパク・高カロリーな食事を意識的に摂る
・食事と水分は一緒に摂らず、食事の30~60分前か後に飲む
胃切除後の患者は、医師や管理栄養士など医療者のサポートを受けながら食事療法に取り組むことが求められます。しかし、医療者のサポートが届きづらい日常生活においては、患者や家族が自ら食事について学習し、工夫や手間をかけなければならないというのが現状です。
[1] Aoyama T et al., Ann Surg Oncol, 2013 [2] Kubota T et al., Ann Surg Open, 2022
[3] 日本胃癌学会 (編). 『患者さんのための胃がん治療ガイドライン 2023年版』 (第3版). 金原出版; 2023.
[4] Carrillo Lozano E, Oses Zarate M, Gonzalez Alayon C, Martinez Olmos MA. Nutritional management of gastric cancer. Endocrinologia, Diabetes y Nutricion (English ed.). 2021;68(6):428-438. doi:10.1016/j.endien.2021.09.002.
■研究の目的「胃切除術後・退院後における食事支援を通じた健康状態・QOL改善」
本研究では胃切除術後の患者を対象に、カスタマイズされたおいしい健康アプリを通じて退院直後から回復期以降の食事を日常支援し、アウトカムやQOLなどへの寄与を評価することを目的とします。
患者はおいしい健康アプリに登録の上、胃がん治療によって切除した部位を登録(全摘、噴門側、幽門側)。これに加えてその時点での消化器・摂食関連症状を選択することで、アプリがその状態に適したレシピ提案を自動で行います。退院直後においては、安心して食べられる簡単なレシピや食品を提案し、栄養の摂取と体力の回復を促します。その後、食事記録やレシピ検索履歴の解析を通じて喫食量(食べられる量)を評価しながら、通常の食事への移行を支援してまいります。また、調理や献立で困った際には、アプリを通じておいしい健康の管理栄養士にいつでも相談することが可能です。
本研究では一定の伴走期間を経た後、おいしい健康アプリを通じて取得・記録された多様な生活データ(Real Life Data)をもとに、体重や食事内容の変化、血糖変動、QOLといった項目の評価を行い、胃切除術後の回復支援における新たなアプローチとエビデンスの創出を目指します。
おいしい健康アプリにおける胃切除術後の伴走支援

■研究責任者:京都府立医科大学大学院医学研究科 消化器外科学・塩崎教授のコメント
胃がん切除術後の患者さんにとって、退院後の食事や栄養管理は長期にわたる重要な課題です。本研究では、アプリを活用した食事支援により、患者さん一人ひとりに寄り添ったサポートを行い、術後QOLの向上を目指しています。日々の診療で感じている課題の解決に加え、今後の医療に役立つ新たな知見が得られることを期待しています。
■株式会社おいしい健康・代表取締役CEO野尻哲也のコメント
このたび、京都府立医科大学大学院医学研究科 消化器外科学・塩崎教授とともに、おいしい健康アプリを用いた胃がん切除術後の食事管理について臨床研究を実施する運びとなりました。私自身は、心疾患の手術を受けた経験がありますが、退院後においてはその日の晩から「何を食べれば良いのか分からない」と困惑した記憶があります。また、2週間の入院でここまで体力が落ちるのかと驚き、体力や体調の回復、術創の痛みなどの後遺症が消失するまで1年以上を要しました。主治医からは「術後とは1週間や1ヶ月ではなく、1年単位のものと思って生活に気をつけてください」と助言を頂いたことをよく覚えています。そのような体験も踏まえ、本研究においてはおいしい健康アプリを用いた胃切除後患者・ご家族における食事支援を実現し、患者・医療現場への貢献と新たなエビデンスの構築に邁進してまいります。
■おいしい健康で進行する主要な臨床研究の領域
2型糖尿病、肥満、GLP-1受容体作動薬、保健指導(行動変容)、時間栄養学・時間薬理学、脂質異常症、消化器がん(胃がん含む)、肝硬変、気管支喘息、摂食障害、COVID-19
■AI献立・栄養管理アプリ『おいしい健康』の概要
AI献立・栄養管理アプリ『おいしい健康』は、利用者の健康状態や疾患、食の好みなどに合わせた最適な献立・レシピをAIが提案する、パーソナライズ食事管理サービスです。 厚生労働省「日本人の食事摂取基準」および各疾患の診療ガイドラインに準拠した食事、または医療機関から指示される食事療法の内容に基づき、予防、ダイエット、疾患ごとの食事管理を、ご家庭で手軽に実践いただけるよう支援いたします。
アプリ名:『おいしい健康』
App Store https://oishi-kenko.com/katgut/ios_app_store
Google Play Store https://oishi-kenko.com/katgut/android-kenko_google-play
WEB:https://oishi-kenko.com/
■株式会社おいしい健康について
株式会社おいしい健康は『Food as Medicine』をコンセプトとして、データサイエンスに基づく食事・栄養療法(Data science-based Nutrition:DBN)の実現を通じて「世界から病気をなくす」ことを目指すヘルスケア・スタートアップです。AI献立提案・栄養管理アプリ『おいしい健康』、医療機関向け生活指導SaaS『Kakaris(カカリス)』といった食と栄養のソリューションを展開し、世界80億人の健康と幸福、医療費など社会課題解決に貢献いたします。
会社名:株式会社おいしい健康
代表取締役CEO:野尻哲也
設立:2016年7月
所在地:東京都中央区日本橋小舟町3−2リブラビル3階
社員数:40名
株主:第一生命ホールディングス株式会社、Aflac Ventures LLC、東洋製罐グループホールディングス株式会社、味の素株式会社、株式会社スズケン、他
事業内容:生活者・医療機関を対象としたヘルスケアサービスの提供、製薬・食品・生命保険業界を対象としたマーケティングソリューションの提供
コーポレートサイト: https://corp.oishi-kenko.com/
■本リリースに関するお問い合わせ
株式会社おいしい健康 広報担当
E-mail: press@oishi-kenko.com
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