「アフォーダブル住宅」の供給が段階的スタート予定(画像はイメージ)
【家電コンサルのお得な話・284】 2026年度から、東京都で既存の公社住宅を活用した「アフォーダブル住宅」の供給が段階的に始まる。
家賃高騰時代の住まいの形 市場家賃より2割安く
アフォーダブル住宅は、単に家賃が安いというだけのものではない。都内の住宅費が高騰しているなか、無理なく支払い続けられる家賃水準を確保し、生活全体の安定につなげることを目的としている。
また、居住期間が最長12年(所定の要件を満たす場合)と比較的長く設定されている点も重要だ。つまり短期間で転居することなく、子どもの成長や家族構成の変化を見据えながら腰を据えて暮らせる。頻繁な引っ越しや住み替えを繰り返さずに済むため、金銭面だけでなく、精神的な負担の軽減にもつながる。
家賃という固定費の負担が軽くなれば、暮らし全体を見直す余地も生まれる。その一例が、住まいの中で使う家電のあり方だ。
最近の家電は、基本性能の向上に加え、省エネ性や時短機能が大きく進化している。特にエアコンや冷蔵庫は、家庭内の電力消費に占める割合が高く、古い機種を使い続けるほど電気代の負担が大きくなりやすい家電である。アフォーダブル住宅への引っ越しは、こうした家電の買い替えを考える機会にもなる。
エアコンの移設には、取り外しや再設置、運搬といった費用がかかる。使用年数が進んだ機器の場合、転居後に故障すれば、工事費と買い替え費用が重なる可能性もある。加えて、いわゆる「エアコン2027年問題」(省エネ基準の強化に伴い、低価格帯製品がなくなり、平均単価が上がる可能性が高いこと)について念頭に入れておく必要がある。
こうした状況を踏まえると、入居のタイミングで、使用年数の進んだエアコンや冷蔵庫については買い替えを考える価値はあるだろう。もちろんすべてを新しくする必要はないが、設置工事の負担や今後の修理リスク、電気代まで含めて検討することで、結果として、暮らしの満足度が高まる場合もある。
アフォーダブル住宅の制度の先にあるのは、単なる節約ではなく、どのような暮らしを選ぶかという視点だ。安定した住まいを土台に、生活全体をどう整えていくか。その選択肢の一つとして、住まいと家電の関係を見直すという考え方もあるだろう。(堀田経営コンサルタント事務所・堀田泰希)
堀田泰希
1962年生まれ。大手家電量販企業に幹部職として勤務。2007年11月、堀田経営コンサルティング事務所 堀田泰希を個人創業。大手家電メーカー、専門メーカー、家電量販企業で実施している社内研修はその実践的内容から評価が高い。







