「不妊治療の保険適用の条件緩和に関する緊急アンケート2025」結果詳細




不妊治療患者をはじめ不妊・不育症で悩む人をサポートする、セルフサポートグループ「NPO 法人 Fine (ファイン、以下、当法人)」は、「不妊治療の保険適用の条件緩和に関する緊急アンケート2025」を実施し、373人から回答を得ました。
この結果をぜひ貴媒体で取り上げていただき、広く社会への周知を図っていただけますようお願いいたします。
調査結果速報のハイライト
- 不妊治療経験者の66%が、保険診療(3割負担)に先進医療(10割負担)を併用する治療を経験
- 体外受精/顕微授精の保険適用条件について、30~34歳で「回数制限には反対」とする回答が最も多かった
- 91%の人が、仕事をしながら不妊治療または不育症治療を経験

※調査結果の詳細については、次ページ以降、またダウンロードのプレスリリース添付資料をご覧ください。
調査概要

1)不妊治療経験者の66%が、保険診療(3割負担)に先進医療(10割負担)を併用する治療を経験
【設問】
Q2.あなた、もしくはあなたのパートナーは、不妊や不育症の検査を受けたことはありますか?
Q3.あなたの不妊や不育症治療の期間を教えてください。
Q4.あなたが受けている(きた)治療の、自己負担の割合について教えてください。
Q17.年齢
【結果概要】
- 不妊や不育症の検査を受けたことがあるかの設問(Q2)で、「はい」と回答した356人に、受けている(きた)治療の、自己負担の割合を尋ねました(Q4)。「3割負担(保険診療)」は23%、「10割負担(自由診療)」は11%、「3割負担+10割負担(保険診療+先進医療)」は66%でした。<グラフ1>
- 受けている(きた)治療の、自己負担の割合(Q4)を、不妊や不育症治療の期間(Q3)と掛け合わせてみました。「3割負担(保険診療)」で最も多かったのは「1年未満」の36%、「10割負担(自由診療)」で最も多かったのは「10年以上」の50%でした。「3割負担+10割負担(保険診療+先進医療)」では、「1年未満」は62%、「1年~2年未満」は63%、「2年~5年未満」は73%、「5年~10年未満」は61%、「10年以上」は50%でした。<グラフ2>
- 受けている(きた)治療の、自己負担の割合(Q4)を年齢別(Q17)に見てみました。最も多かったのは、「~24歳」は「3割負担(保険診療)」(100%)、「25~29歳」は「3割負担+10割負担(保険診療+先進医療)」(67%)、「30~34歳」は「3割負担+10割負担(保険診療+先進医療)」(70%)、「35~39歳」は「3割負担+10割負担(保険診療+先進医療)」(70%)、「40~44歳」は「3割負担+10割負担(保険診療+先進医療)」(57%)、「45歳~」は「10割負担(自由診療)」(78%)でした。<グラフ4>

※上記結果につきましては、グラフ集P2~5もご参照ください。

グラフ1

グラフ2

グラフ3

グラフ4

- 受けている(きた)治療の、自己負担の割合(Q4)について、当法人が行なった過去の調査(※1)(※2)と比較してみました。2022年調査(※1)では、「3割負担+10割負担(保険診療+先進医療)」は28%で、今回は66%で38ポイント増加しました。「3割負担(保険診療)」の人は47%で、今回調査では23%、「10割負担(自由診療)」は、2022年は25%で、今回調査では11%で14ポイント減少しました。<グラフ5>

(※1)「保険適用後の不妊治療に関するアンケート2022」https://j-fine.jp/prs/fineprs_hokentekiyougo_anketo-2022_release.pdf
(※2)「仕事と不妊治療の両立に関するアンケート2023」https://j-fine.jp/prs/prs/fineprs_ryoritsu-anketo_2023.pdf
- 受けている(きた)治療の、自己負担の割合(Q4)について、お住まいの都道府県(Q17)と掛け合わせてみました。回答数が10人以上のところは、多い順に「東京都」、「神奈川県」、「大阪府」、「千葉県」、「埼玉県」、「愛知県」、「兵庫県」、「京都府」でした。8都府県の「3割負担+10割負担(保険診療+先進医療)」に注目して2022年調査(※1)と比較してみたところ、最も増えたのは「神奈川県」の50ポイントで、続いて「愛知県」の48ポイント、「京都府」「大阪府」各43ポイントでした。<グラフ6><グラフ7>

※上記結果につきましては、グラフ集P6~8もご参照ください。

グラフ5

グラフ6

グラフ7


厚生労働省が発表している「先進医療を実施している医療機関の一覧」(※3)では、第2項先進医療技術 【先進医療A】に登録されている先進医療技術名「15 タイムラプス撮像法による受精卵・胚培養」に登録されている施設が最も多く、328施設でした(2026年2月9日現在)。そのうちの213施設(65%)がこの8都府県にありました。
(※3)「先進医療を実施している医療機関の一覧」https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/sensiniryo/kikan02.html
体外受精及び顕微授精を行なう際に、保険診療と併用して自費で実施された「先進医療」に係る費用の一部を支援する自治体独自の助成事業を実施している自治体(2026年2月9日現在:回答数が10以上の8都府県についての当法人調べ)
・東京都
・東京都足立区
・東京都葛飾区
・東京都北区
・東京都杉並区
・東京都中央区
・東京都中野区
・東京都港区
・東京都文京区
・東京都目黒区
・神奈川県厚木市
・神奈川県伊勢原市
・神奈川県海老名市
・神奈川県小田原市
・神奈川県逗子市
・神奈川県秦野市
・神奈川県平塚市
・神奈川県三浦市
・神奈川県南足柄市
・神奈川県大和市
・神奈川県横須賀市
・神奈川県愛川町
・神奈川県大井町
・神奈川県大磯町
・神奈川県開成町
・神奈川県中井町
・神奈川県山北町
・大阪府大阪市
・大阪府大阪狭山市
・千葉県市原市
・千葉県柏市
・千葉県富里市
・千葉県松戸市
・愛知県大府市
・愛知県蒲郡市
・愛知県刈谷市
・愛知県田原市
・愛知県豊田市
・愛知県豊橋市
・愛知県西尾市
・愛知県みよし市
・兵庫県
・兵庫県朝来市
・兵庫県西脇市
・兵庫県豊岡市
・京都府
・京都府宇治市
・京都府亀岡市
・京都府京田辺市
・京都府京丹後市
・京都府京都市
・京都府長岡京市
・京都府南丹市
・京都府宮津市
・京都府向日市
・京都府八幡市
・京都府福知山市
・京都府井手町
・京都府大山崎町
・京都府久御山町
・京都府精華町
・京都府京丹波町
2)体外受精/顕微授精の保険適用条件について、30~34歳で「回数制限には反対」とする回答が最も多かった
【設問】
Q8. 現在、「体外受精/顕微授精」に保険が適用されるためには条件があります。その条件は、女性の年齢が治療開始時点で43歳未満であること、「胚移植」には回数制限があり、女性の年齢が40歳未満の場合は1子につき6回まで、40歳以上43歳未満の場合は1子につき3回までです。この現状に対して、あなたの考えに当てはまるものはどれですか?
【結果概要】
「体外受精/顕微授精」に保険が適用されるための条件について(Q8)、「年齢制限→賛成、回数制限→反対」と63%の人が回答しました。不妊や不育症の期間別(Q3)に見てみると、「年齢制限→賛成、回数制限→反対」と回答したのは、「1年未満」は63%、「1年~2年未満」は64%、「2年~5年未満」は66%、「5年~10年未満」は60%、「10年以上」は25%の人が回答していました。「年齢制限→賛成、回数制限→賛成」と回答した中で最も多かったのは「1年未満」(14%)の人、「年齢制限→反対、回数制限→賛成」と回答した中で最も多かったのは「1年~2年未満 」「5年~10年未満」(各3%)の人、「年齢制限→反対、回数制限→反対」と回答した中で最も多かったのは「10年以上」(50%)でした。<グラフ8、9>
「体外受精/顕微授精」に保険が適用されるための条件について(Q8)、受けている(きた)治療の、自己負担の割合別(Q4)に見てみると、「年齢制限→賛成、回数制限→反対」と回答したのは、「3割負担(保険診療)」の治療を受けている人が69%、「10割負担(自由診療)」の治療を受けている人が39%、「3割負担+10割負担(保険診療+先進医療)」の治療を受けている人が69%でした。<グラフ10>
「体外受精/顕微授精」に保険が適用されるための条件について(Q8)、年齢別(Q17)に見てみると、最も多かったのは、「~24歳」は「年齢制限→賛成、回数制限→反対」(100%)、「25~29歳」は「年齢制限→賛成、回数制限→反対」(80%)、「30~34歳」は「年齢制限→賛成、回数制限→反対」(74%)、「35~39歳」は「年齢制限→賛成、回数制限→反対」(63%)、「40~44歳」は「年齢制限→反対、回数制限→賛成」(57%)、「45歳~」は「年齢制限→反対、回数制限→反対」(45%)でした。<グラフ11>
※上記結果につきましては、グラフ集P9~12もご参照ください。

グラフ8

グラフ9

グラフ10

グラフ11

3)91%の人が、仕事をしながら不妊治療または不育症治療を経験(Q5)
【設問】
Q5.あなたは仕事をしながら不妊治療や不育症治療を受けていますか(いましたか)?
【結果概要】
仕事をしながら不妊治療や不育症治療を受けている(いた)かの設問(Q5)で、91%が「はい」と回答しました。<グラフ12>
不妊や不育症治療の期間(Q3)と掛け合わせて見ると、「1年未満」は90%、「1年~2年未満 」は90%、「2年~5年未満」は92%、「5年~10年未満」は94%、「10年以上」は100%でした。年齢別(Q17)に見てみると、「~24歳」は100%、「25~29歳」は91%、「30~34歳」は93%、「35~39歳」は91%、「40~44歳」は90%、「45歳~」は78%でした。<グラフ13><グラフ14>

※上記結果につきましては、グラフ集P7~8もご参照ください。


グラフ12

グラフ13

グラフ14

4)回答者のプロフィール
回答者の性別は(Q14)、男性が3%、女性が96%。年齢(Q17)は20歳代が15%、30歳代が65%、
40歳代が18%、50歳以降が1%でした。<グラフ15><グラフ16>

グラフ15

グラフ16

当法人理事長 野曽原誉枝のコメント
 今回の調査から、不妊治療を保険診療のみで完結している人は少なく(23%)、年齢を問わず多くの不妊治療当事者が先進医療など、全額自己負担を伴う治療を併用している実態が明らかになりました。これは保険適用となった現在においても、毎月の医療費に大きな負担を生じている人が少なくないことを示しています。特に保険診療(3割負担)に先進医療(10割負担)を併用する治療を選択する人は、2022年の保険適用開始直後に行なった調査(※1)と比べて約2.4倍に増加しており、保険適用が必ずしも経済的負担の軽減につながっていない現状が浮き彫りとなりました。

 また、体外受精・顕微授精の保険適用条件については、39歳以下の年齢層において、「年齢制限には賛成する一方で、回数制限には反対する」人が多く見られました。これは、当事者の治療の可能性を一律に区切られることに、大きな不安と違和感を抱いていることの表われです。

 さらに、どの年齢区分においても、仕事を続けながら不妊治療や不育症治療をしている人が大半を占めており、仕事と治療の両立が、多くの当事者にとって課題であることもあらためて示されました。
不妊治療の保険適用は大きな前進でしたが、当事者の負担をより軽減するためには、費用面だけではなく、年齢や回数などの制度設計、そして働きながら治療を続けられる環境づくりを含めた、より実態に合わせた見直しが求められています。

【参考】当法人 のこれまでのアンケート調査結果:https://j-fine.jp/activity/enquate/index.html
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