虹彩認証を搭載する「ARROWS NF F-04G」を手にする「アップアップガールズ(仮)」

富士通は、スマートフォン・携帯電話の2015年夏モデルとして、虹彩認証を世界で初めて搭載したスマホ「ARROWS NF F-04G」、「らくらくスマートフォン3 F-06F」のニューカラーモデル、約930時間の連続待受時間を実現した従来型携帯電話「ARROWS ケータイ F-05G」の説明会を5月18日に開催した。NTTドコモで、5月下旬から順次発売する。

モバイルフォン事業部の高田克美本部長は、スマホを「短いスキマ時間を効率的に埋めてくれる存在」と定義し、「ユーザーがスマホに求めるのは『思った瞬間、できる』ということ。新モデルは“一瞬”をキーワードに開発した」とコンセプトを説明した。

「ARROWS NF F-04G」は、富士通が得意とする生体認証技術を生かした虹彩認証「Iris Passport」による瞬間ログインや、大容量データを高速で転送できる近接無線転送技術「TransferJet」、従来の約2倍のスピードを実現したカメラの高速オートフォーカス、PREMIUM 4G&Wi-Fi MINOに対応する高速通信など、“一瞬”を実現するテクノロジをふんだんに搭載した一台だ。

スマホとして世界で初めて搭載した虹彩認証は、目の虹彩を赤外線カメラで読み取ることで、登録したユーザーを認識するシステム。特筆すべきは、約0.6秒という認証スピードで、スマホを起動した際に表示されるフレーム内に目を合わせるだけで、簡単にロックを解除することができる。また、ウェブサイトのID/パスワードを虹彩と紐付けることもでき、面倒な入力の手間を省いて、瞬時にログインすることも可能だ。虹彩認証の精度は、他人受入率(他人の生体情報と照合したときに受け入れられてしまう率)は約10万分の1ときわめて低く、セキュリティは万全。眼鏡やコンタクトをした状態でも、問題なく認識する。

さらに、約3cmの距離に近づけることで大容量データを高速通信することができる近接無線転送技術「TransferJet」を、スマートフォンとして初めて本体に内蔵。実効最大375Mbpsの転送速度で、写真や動画などのデジタルコンテンツを、Wi-Fiの約10倍、Bluetoothの約100倍のスピードで、瞬時にシェアすることができる。なお、TransferJetの通信チップは東芝製のものを採用している。

来賓として発表会に招かれた東芝の早坂伸夫執行役常務は、データ容量や異なるデバイス間のデータ通信が増加している昨今のデジタル端末を取り巻く状況を述べ、「高速転送」「他機器から干渉されにくい」「セキュリティが強い」などの特徴をもつTransferJetのニーズが高まっているとコメント。「TransferJet対応製品は、これまでスマホに接続するアダプタタイプを展開していたが、今後は『ARROWS NF F-04G』のような、端末に内蔵するチップやモジュールタイプにもラインアップを広げたい」と、市場拡大のための構想を語った。

また、富士通は「ARROWS NF F-04G」の核となるこの二つのテクノロジ訴求を目的とした体験参加型キャンペーンを開催する。虹彩認識技術のプロモーションとして、最も「見つめたくなる瞳」を決定するコンテスト「Eyes Grand Prix 2015 presented by ARROWS」を、TransferJetの認知度向上のために、オリジナルコンテンツを体験・入手できる「スマホKiss/スマホハイタッチ」イベントを開催する。

発表会の会場には、「スマホKiss」イベントを盛り上げるアイドルとして「アップアップガールズ(仮)」が登場。ユニット名を「ARROWS」にちなんだ「アップアップガールズ(矢)」に改名し、「ARROWS NF F-04G」の先進的な機能を体験した。

「ARROWS NF F-04G」のTransferJet実演のために、最近、誕生日を迎えたというメンバーの仙石みなみさんに向けたビデオレターを、ほかのメンバーがサプライズで用意。仙石さんは突然のことに驚きながらも、手にした「ARROWS NF F-04G」のTransferJetを利用して、動画データを受け取った。大容量の動画ファイルだったが、データの受け渡しはスマホを近づけてすぐに完了。そのスピードには、仙石さんだけでなく、ほかのメンバーも驚愕していた。

「スマホKiss」は、「ARROWS NF F-04G」の購入者が対象で、抽選で100名のユーザーがメンバー全員とそれぞれツーショット動画を撮影し、TransferJetでシェアすることができるイベント。申込み期間は7月末までで、都内のイベントスペースで秋に開催する。人気ゲーム「アイドルマスターシリーズ」とコラボレーションした「スマホハイタッチ」も同時開催する予定で、こちらは抽選で50名のユーザーに、ユーザー本人の名前を収録したスペシャルボイスをプレゼントする。

シニア向けスマートフォンとして人気の高い「らくらくスマートフォン」シリーズからは、最新機種の「らくらくスマートフォン3 F-06F」のニューカラーを用意。宋代の青磁をイメージしたという落ち着きのある「エアーブルー」をラインアップに加えた。

ホーム画面のワンタッチダイヤルに、電話をかける相手の属性がひと目で識別できるアイコンと名前を表示できるようになるなど、ソフトウェアも一部アップデート。高画質・高音質のビデオ通話を楽しめる音声通話サービス「VoLTE」にも対応し、より使いやすさが向上した。

従来型携帯電話の最新機種として発表したのは、約930時間の連続待受時間を実現したスタミナバッテリを搭載する「ARROWS ケータイ F-05G」。ユーザーから最も要望が高いという電池もちだけでなく、画面の見やすさや声の聞き取りやすさなど、基本的な操作感にもこだわり設計した端末だ。

従来型携帯電話ながら、コミュニケーションアプリとして普及している「LINE」に対応。キー操作だけで快適に利用できるよう、ワンタッチでアプリが起動したり、スタンプをすばやく送信できたりする独自の工夫を盛り込んだ。