AndroidとiPhoneでは大きく異なる売れている画面サイズ

家電量販店の実売データ集計した「BCNランキング」によると、「格安スマホ」とも呼ばれる「SIMフリースマホ」は、2018年に売れたスマートフォンの2割弱、19.9%を占め、Android搭載スマートフォンに限ると4割近い37.2%に達した。SIMフリースマホといえばAndroidであり、シェアトップのファーウェイをはじめ、さまざまなメーカー、画面サイズ、カラー、価格帯から選べる。 搭載OS別に集計すると、iOSの52.4%に対し、Androidは46.9%となり、その差は5.5ポイント。ざっくりとタイプ別勢力図をまとめると、iOSを搭載したiPhoneが5割、SIMフリーのAndroidが2割、キャリアモデルのAndroidが3割という比率になり、既報(https://www.bcnretail.com/market/detail/20190119_101862.html)の通り、18年に家電量販店で売れたスマホは「2台に1台がiPhone」だった。

また、画面サイズを「4インチ未満」「4インチ台」「5インチ台」「6インチ以上」に区切り、OSごとに集計すると、スマホ全体では「5インチ台」、iOSは「4インチ台」、Androidは「5インチ台」がそれぞれ最多だった。Androidは、iOSでは7.9%にとどまる「6インチ台」が10.8%と、1割を超えている。

8年連続年間1位のApple 「iPhone 8」のヒットでシェア5割を回復

「BCNランキング」によると、スマホ全体に占めるiPhoneの年間販売台数シェアは、16年51.7%、17年48.4%、18年51.4%と、いったん下がって回復した。販売台数も年単位でならすと増加しており、実は18年はApple躍進の1年だったのだ。

しかし、今年は二つの不安材料がある。一つは、通信料金と端末代金を分離する「完全分離プラン」の導入など、現状の販売形態が大きく変わりそうな総務省の「モバイルサービス等の適正化に向けた緊急提言」。もう一つは、例年通りなら新iPhoneの発売直後となる10月1日の消費税率引き上げだ。多くのiPhoneファンが9月中に手に入れようと駆け込み、その反動でしばらく販売が低迷すると予想する。駆け込み購入は、緊急提言に即した新ルールの適用開始直前にも起こるだろう。

Appleは、ジャンルごとに年間の累計販売数量が最も多かった企業を表彰する「BCN AWARD」を8年連続で受賞。スマホ普及期からずっと年間トップに立っている。ただ、「X」系統のデザインは動画や写真が見やすい半面、ボタンの有無でわかりやすかったiPhoneとAndroidの区別がつきにくくなり、iPhoneのアイデンティティが失われたと嘆く声もある。「iPhone 8」のヒットで回復した、国内5割のシェアを維持できるかどうか。今年後半こそ正念場だろう。(BCN・嵯峨野 芙美)

*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などのPOSデータを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。

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