ボードに直挿しするM.2 SSDも1割まで増えてきた

SSD(Solid State Drive)の売り上げが絶好調だ。販売台数の前年比をみると、昨年は1年を通じて2桁成長を続けていたが、特に11、12月では販売が倍増。2か月連続で前年比200%を超えた。 要因は価格の下落。販売台数のおよそ4割を占め最も人気がある500GBのSSDでは12月、税抜き平均単価が初めて9000円を割り込んで8600円まで下がった。17年12月の平均単価は1万6300円。1年でほぼ半額になった計算だ。

フラッシュメモリの価格下落によるものだが、ユーザーにとってはうれしい値下がり。PCのHDDとSSDを入れ替えることでデータの読み書き速度が5~6倍にもなることもあり、HDDの代わりにSSDを使うと見違えるようにPCの挙動が軽くなる。しかも500GBの大容量製品が9000円を切る価格で手に入るとなればお買い得感は強い。値下がりをきっかけにHDDより格段に速いSSDに乗り換えたいと思うユーザーがこぞって購入している、という事だろう。

SSDの主要メーカーはサムスン、マイクロン、ウエスタンデジタル、サンディスク。この4社で販売台数の7割を占める。特にトップ2社のサムスンとマイクロンは激しくシェア争いを繰り広げている。2018年の年間販売台数No.1企業はサムスン。22.4%のシェアを獲得し、ナンバーワンメーカーを表彰する「BCN AWARD」のSSD部門を受賞した。しかし、2位マイクロンも年間販売台数シェアは20.0%と健闘。その差わずか2%とあまりと僅差だ。

月間販売台数シェアの推移を見ると、サムスンはこの3年ほど12月に平均単価が大幅に下がり、そこでシェアが急上昇。年末商戦での販売攻勢が奏功して年間No.1を奪取した形だ。ユーザーサイドから見ると、サムスンのSSDは12月から1月の商戦期が買い時ということがわかる。

タイプ別でSSDの販売台数動向を見ると、12月現在で2.5インチHDDの互換タイプが81.4%と大半を占める。一方専用スロットに直接挿すM.2 SSDは10.4%。ジリジリと構成比を上げている。外付けタイプも8.1%と存在感が出てきた。特に外付けタイプは画像・映像のバックアップ用としてデジカメユーザーにも使われ始めており、今後、SSDの利用範囲がさらに広がりそうだ。

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