サイボウズ、jig.jp、さくらインターネットの3社は2月3日、「はじめてのIoTデータ活用 親子プログラミングワークショップ」と題し、東京・新宿でこども向けのIoTプログラミング教室を開いた。これまで、月額64円から使えるIoTサービス「sakura.io」と1500円のBASICマイコンボード「IchigoJam」のIoT対応版「IchigoSoda」を組み合わせた教室は数多く開いてきたが、ここにサイボウズの「kintone」を加え、今回初めて3社で共催した。参加者は小学1年生から6年生の子どもとその親で合計16組。プログラミングを楽しむ親子の笑顔が会場にあふれた。
講師はIchigoJamの開発者でjig.jpの創業者の福野泰介会長。まずはIchigoSodaのセッティング、LEDをコントロールするプログラミングからスタートした。すでにプログラミング経験のある子どもも散見されたが、初めての子どもでもキーボード操作を苦もなくこなしていく様はさすが今時の小学生。福野さんの指示に従って操作していくと自然とプログラミングの世界の魅力に引き込まれていく様子だった。LEDを付けたり消したり点滅させたりという単純なプログラムでも、意図通りに動いた時に見せた喜びの表情は輝いていた。
子どもたちの目により輝きが増したのは、猫のキャラクターを操作して障害物を避けながら進む少し高度なゲームのプログラミングを始めてから。運営を担当したさくらインターネットの松田貴志マネージャーは「やっぱりゲームとなると子どもさんの反応が違います。こういう所からどんどん引き込まれていくんでしょうね。親御さんがいらっしゃると1年生でもちゃんとプログラムできます」と話してくれた。数行の簡単なプログラムだったが、きちんとスコアも表示される本格派。しかもスコアをLTE回線でkintoneに飛ばしてその場で得点をグラフにして競い、知らず知らずのうちにPC、インターネット、データベースを活用したとまさに生きたIoT体験もできる仕組みになっていた。
サイボウズの中村龍太 デジタルビジネスプロデューサーは、あまり宣伝していないがと前置きしながら「kintoneは、もともとビジネス向けのサービスだが、NPO法人や任意団代向けの『チーム応援ライセンス』を使えば、家庭でも年額9900円で利用できるため、子どもIoTや家庭IoTにも使えるのでは」と話した。実際子どもたちは、IchigoSodaに温度センサーをつなぎ室温を計測しデータをkintoneに飛ばして記録を取ることも体験した。
最後に子どもから親に「困りごと」をインタビューして、それをプログラミングやIoTで解決するという時間も設けられ、起床マシンなど子どもらしいアイデアが飛び出した。講師の福野会長は「世の中を便利にするIoTの仕組みは皆さんつくるんです」とシステムは自らの手でつくれるんだというというメッセージを子どもたちに贈った。(BCN・道越一郎)
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