観客と直接触れ合った原田眞人監督(左)と役所広司

 映画『日本のいちばん長い日』の来場者100万人突破記念舞台あいさつが14日、東京都内で行われ、出演者の役所広司と原田眞人監督が出席した。

 太平洋戦争集結の舞台裏で日本の未来のために戦った人々を描く本作が、公開から34日目の10日に観客動員数100万人を突破した。

 役所は「中高年の方が中心となって劇場を埋めてくれるのかと思っていましたが、話を聞くと若い世代の方たちもこの映画を見てくれたようで。とても良かったなと思っています」と感謝を述べた。

 この日は、映画を見たばかりの観客からも2人に質問が寄せられた。「戦争映画を撮る時に気を付けたこと」を問われた原田監督は「とにかく昭和天皇に敬意を持って描きたいというのと、昭和天皇を描くことに対しての規制は自分の中ではなかったけれど、皇族の周辺にはある程度の自主規制はかけています」と明かした。

 阿南惟幾陸軍大臣を演じた役所は、実在の人物を演じる上での意識について「その世代の方は、軍服を見るだけで感極まるところがあると思います。僕は兵隊さんを見たことがありませんが、撮影中に若い青年将校(を演じた俳優)を見て、所作と瞳の中に宿る国を思う気持ちみたいなものに感動しました」と振り返り、「全く戦争を知らない自分ですが、その若者たちが美しかったし、僕の阿南役を作る上で大切なものになりました」としみじみ語った。