世界中の珍しい昆虫やカブトムシを観察できる夏休みの人気イベント「大昆虫展in東京スカイツリータウン」が今年の夏も好評を博している。都会ではなかなかみつけることが難しい300匹の生きたカブトムシと触れ合える「ふれあいの森」(8月からはクワガタも追加される)を中心に、今年も魅力あふれる展示が用意された。7月19日に行われた内覧会では、同展覧会のアンバサダーを務めるカブトムシマニアの俳優、哀川翔を中心に、応援大使のカブトムシゆかり、応援団長を務める井上咲楽、監修協力の九州大学総合研究博物館助教の丸山宗利、昆虫食研究家の内山昭一らが見どころを語った。
7回目となる今年の大昆虫展のテーマは「スポーツ」。小さな体に秘められた昆虫の脅威のパワーを解き明かし、虫になり切る様々な装置が登場する。例えば、力自慢の子どもたちにお勧めしたいのが「カブトムシパワー」。綱を引っ張る力を測定し、ルリボシカミキリ級から最強のヘラクレスオオカブト級まで測定できる。また、樹にぶら下がる虫の力を体感できるのが「昆虫ボルダリング」、その他、オリンピックの競技方式で短距離走やジャンプ力のある虫の標本の展示も。
今回の大昆虫展での異色イベントが金曜日のナイト営業限定で開催される「昆虫食教室」だ。昆虫食研究家の内山は持続可能の食料として注目される昆虫について説明。この日、クワガタの角を意識したヘアスタイルで登場した本展覧会の応援団長で、虫を食べるのが趣味のタレント、井上は「食材として単純においしい、虫を見ると、どんな味だろうとワクワクする」と熱く昆虫食の勧めを解き、「僕は育てるのが主だから……食糧難になったら考えます」と及び腰の哀川に、蝉の幼虫の燻製を持ってにじりよる場面もあった。
哀川とカブトムシゆかりは、「大昆虫展でカブトムシを傷つけないように触れるコツを学んだら、次のステップとしてぜひ、飼育に挑戦してほしい、幼虫から蛹、そして成虫へと変化するプロセスを見守り続けるのは楽しい」と話す。
また、丸山は「昆虫が苦手、怖いという方のために今回は見て美しい昆虫を集め展示しています。虫嫌いは偏見によるもので、まずは慣れてほしい」と訴える。会場内には、農薬の代わりに害虫駆除を期待され、品種改良されたナミテントウの生体展示や、侵略的な外来種として危惧されるヒアリのアクリル標本もあり、夏休みの研究対策にもバッチリだ!
大昆虫展は9月1日(日)まで。入場料は大人(高校生以上)1,000円、子ども(4歳以上)700円、大人1名・子供1名の親子券が1,500円。
取材・文:金原由佳