BCNは、3月9日、記者発表会を開催し、全国の家電量販店・ネット販売店の実売データを集計した「BCNランキング」データをもとにスマートフォン(スマホ)の「実質0円」廃止に伴うスマホ駆け込み購入の実態を発表した。
端末の「実質0円」販売が2月に終了したスマホ市場は、駆け込み購入の影響で、1月の販売台数前年比は138.6%。伸長はしているものの盛り上がりは予想より低水準に留まった。2月は1月の反動で前年比82.5%と大幅ダウン。NTTドコモ・au(KDDI)・ソフトバンクの大手3キャリアでは、約2~3割から落ち込んだ。一方、SIMフリースマホは前年比で約1.5倍に増加。スマホ全体の構成比も17.9%と過去最大を記録した。
道越一郎チーフエグゼクティブアナリストは「2月のスマホ販売台数は駆け込み需要のあった1月と比較すると52.1%と半減している」と、市場の停滞感を危惧。「実質0円」廃止については「大手3キャリアだけでなく、メーカーも大きなダメージを受けている」と分析した。「アップルが依然トップシェアをキープしているものの、販売台数シェアは1月から2月で20ポイントマイナス。これまで『実質0円』の対象であったiPhone 6(16GB)の大幅な販売減が最大の要因」(道越チーフエグゼクティブアナリスト)。
好調に推移するSIMフリースマホ市場は、販売台数シェアで上位3社がほぼ横ばい。躍進が目立つプラスワン・マーケティングが、ASUSとファーウェイの二強が占めていた市場に食い込んできた。道越チーフエグゼクティブアナリストは「参入メーカーが増えることで市場はますます活況になってきている。ここから第2ステージがスタートするのではないか」と、市場拡大に前向きな見方を示した。(BCN・大蔵 大輔)
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベース(パソコンの場合)で、日本の店頭市場の約4割をカバーしています。