IDC Japanは3月22日、国内のモバイルデバイス市場における2015年の出荷台数実績と、2016年~2020年の予測を発表した。
2015年の国内でのモバイルデバイスの出荷台数は、2014年比で8.1%減の4792万台で、スマートフォン市場は従来型携帯電話からの移行が進み、2014年比で3.6%増のプラス成長だった。
一方で、タブレット端末は通信事業者向けの出荷やB2B2Cなどによって、2014年比で1.5%増にとどまっている。さらに、PC市場では2014年のWindows XPサポート終了にともなう特需の反動が続いたことや、円安によって平均価格が上昇したことから、買い替えサイクルが長期化し、2014年比で31.4%減のマイナス成長であったため、モバイルデバイス市場全体では2014年比で8.1%のマイナス成長となった。
2016年の国内モバイルデバイス市場は、2015年比で8.2%減の4401万台と予測しており、スマートフォン市場については、総務省要請によるスマートフォンの実質0円販売の廃止によって出荷が減速する可能性が高く、2015年比で4.7%減の2620万台と予測する。
タブレット端末市場は、学校を中心にビジネス市場での導入が進む反面、家庭市場ではキラーアプリの不在や、大型スマートフォンとの競合のために、2015年比で17.3%減の687万台との予測を披露した。
PC市場については、PC買い替えサイクルの長期化が進み、家庭でのPC購買を促進する要素が少ない状態が続くことが予想されるほか、過剰な流通在庫が短期的に解消せず、ベンダーの生産/出荷調整が続くとみられるため、2015年比で8.5%減の965万台と考えられる。
なお、キーボードの脱着が可能なデタッチャブルタブレット端末は、従来のWindowsベースの機種に加えて、iPad ProやAndroidベースの機種の増加が予測されることから、2016年のPCとデタッチャブルタブレット端末を合算した出荷台数は、2015年の1180万台を上回る1130万台と、PCの出荷減少を補足すると予測する。