仕事に対する情熱に賞賛の声が上がった鈴木奈々

 映画やドラマをオンラインでストリーミング配信し、世界190カ国以上の国で8千100万人に利用されているNetflix。3日には第153回芥川賞受賞を果たした又吉直樹の「火花」を世界190カ国で全10話を一挙に独占同時配信している。それを記念して「火花」の英語版字幕翻訳を担当したお笑い芸人チャド・マレーンと、このドラマに描かれている若者の立場を代弁する鈴木奈々のトークショーと第1話試写会が、日本在住の外国人約70人が集まって行われた。

 チャドは海外のお笑いと日本の漫才との大きな違いとして「日本の漫才にはロマンがある」とコメント。鈴木は「私たち女性タレントもお笑い芸人さんの的確なつっこみに助けられている、いじられるとうれしい」と感謝を述べた。

 海外の芸人の多くは上下関係というものを敬遠する傾向にあり、会場の外国人に尋ねると、日本のような先輩後輩の関係が浸透しているのはインドと韓国の2カ国にすぎないという。それにもかかわらず会場の声として「先輩と後輩の精神に感動した」というコメントが挙がったことにチャドは「最初は借りを作るみたいで嫌だった業界の風習にも愛を感じることができるようになりました」と語った。

 一方、これまでで大変だった思い出深いロケについて話を振られた鈴木は「突然の飛行機トラブルで東京に帰れなくなってしまったときに、次の日の大切な仕事のために名古屋から5時間かけてタクシーで帰った」というエピソードを語った。その際の金額はおよそ22万円という話を聞き、会場からは驚きの声と鈴木の仕事に対する情熱に賞賛の声が上がった。

 翻訳家として全10話の仕事中に号泣したことを明かしたチャドは「これから最終話に向けてもっと師弟関係の形が変化していく、そのリアルさをぜひ見てほしい」と熱弁をふるった。