2018年以降、世界各国で100万人以上を動員している展覧会「BANKSY展 GENIUS OR VANDAL?(バンクシー展 天才か反逆者か)」が、今春、日本に初上陸する。
バンクシーはイギリスを拠点に活動する匿名のアーティスト。ステンシルを使用したグラフィティに風刺を込め、世界各地のストリート、壁、橋などに作品を残している。戦争、環境、貧困問題など、社会問題に根ざした批評的な作品が評価されるほか、テーマパークやホテル、映画の制作なども手掛けている。今回、本展覧会キュレーター兼プロデューサーであるIQ ART MANAGEMENT CORP 代表 アレクサンダー・ナチケビア氏にバンクシーと展覧会の魅力について話を聞いた。
展覧会の構成や内容について、ナチケビア氏は「バンクシーのオリジナル作品を70点ほど展示します。そのほかは立体オブジェクトや限定プリントの展示などもあります。映像でバンクシーを紹介するマルチメディアな体験空間も予定しています」と説明。
主催者としてどのような意図・メッセージを展覧会に込めているのかと問われると「人々は、壁に掛けられただけのアートなんてもはや見たくないと思っているのではないでしょうか。何らかの形でアートの一部になりたい、感情を共有したいと思っていると。そこで、この展覧会は、来場者をバンクシーの世界に案内するような展示構成になっています。例えば、展示構成のひとつを 「アーティスト・スタジオ」 と呼んでいます。それは映画 『イグジット・スルー・ザ・ギフト・ショップ』 の中で紹介されている 「スタジオ・バンクシー」 を再現したものです。そこにバンクシーの姿があるのですが、顔はありません。この姿を見た人は最初「なにこれ?」という顔をします。でもその後、バンクシーが誰なのか、誰も知らないことに気づくのです。一体、どんな顔をつければよかったのでしょうか?この”謎“こそ、彼のアーティストとしてのコンセプトの大部分を占めているのだと思いますね」
最後にナチケビア氏は「バンクシーの魅力は、世界中のあらゆるニュースの中から、特定のニュースを取り上げて、その出来事や問題の深刻さを提示し、私たちにとって重要なものとして提示してくれることです。(先に展覧会を行った)ロシアでも彼のメッセージが深く心に刺さった、という感想をたくさんいただきました。きっと日本の方も多くのことを感じてくださると思います」と語った。
■『BANKSY展 GENIUS OR VANDAL?(バンクシー展 天才か反逆者か)』
期間:3月15日(日)~9月27日(日) 10:00~20:30(最終入場20:00)※会期中無休
会場:アソビル(神奈川県横浜市西区高島2-14-9 アソビル2F)