京都の元離宮二条城で開催中の夜間イベント、体感型イマーシブアート展『FLOWERS BY NAKED 2020 -桜- 世界遺産・二条城』。演出・制作を担うのは大阪・梅田「泉の広場」の新モニュメント『Water Tree』や東京駅プロジェクションマッピング『TOKYO HIKARI VISION』を手がけるクリエイティブカンパニー、ネイキッドだ。唐門をはじめとする重要文化財や50種類もの夜桜と光のアートがコラボレーションし、新たな桜の風景を創造する。

「FLOWERS BY NAKED 2020 -桜- 世界遺産・二条城」チケット情報

最初に迎えるのはNAKED BIG BOOK『Prologue』。ネイキッド代表の村松亮太郎と写真家のレスリー・キーとのコラボ作品だ。そして唐門では春の訪れを感じさせるプロジェクションマッピングが楽しめる。豪華絢爛な唐門がさらに桜の花びらで彩られ、キャンバスと化した左右の白壁にも幻想的な風景が浮かび上がる。内堀の石垣も大きなキャンバスに。この期間でしか見られない雄大な桜が出現する。そのほか、桜の木や香雲亭のライティング、春の香りを封じ込めたシャボン玉が舞う清流園、期間限定の「桜みくじ」など、城内の随所に光とアートの演出が施されている。

初日の3月20日には門川大作京都市長とネイキッドの村松代表がオープニングイベントに登壇、開催に至った決断や、イマーシブアート展に込める思いなどを語った。

門川市長は「市民の皆さんの命と健康を守るために全力を挙げています」と新型コロナウィルス感染拡大防止対策を念頭に置いたうえで、「そんななか、子どもたちや多くの市民の方々から自宅にこもって、ストレスが溜まるといったお声も聞いています。健康が第一であると同時に健康で文化的な生活をすることも大事です。感染防止に万全の注意を払いつつ、美しい桜を見ていただこうと決断しました」と明かし、「ここからみんなで元気になってほしい」と続けた。

ネイキッド・松村代表も「桜というこの季節だけのものを楽しんでいただけたら。世の中が少しでも明るくなるよう、いい方向にいってほしいと、その力になれればと思っています」と声に力を込めた。また、自宅でもこのお花見体験ができるようにVRも企画中とのことで、「開催期間中に発表できると思う」と語った。

二条城では4月1日(水)より期間限定でスタッフの制服もリニューアルし、和装で観光客を迎える。デザインを手がけたのは和装デザイナーの中村真鈴で、2017年秋の『京都国際映画祭』アート部門への出展が京都との縁を結び、このたび実現したという。

なお、会期中の感染拡大防止対策として消毒液の設置や状況に応じたスタッフのマスク着用、混雑の緩和などを実施する。また、3月21日より再開している日中の二の丸御殿の観覧に関しても、換気の実施や混雑の緩和、飛沫感染防止のためガイドの禁止といった対策を講じる。

『FLOWERS BY NAKED2020 -桜- 世界遺産・二条城』は、4月12日(日)まで、毎日18時より開催。最終入場は21時。チケット発売中。

取材・文:岩本