鏡がアドバイスを提示する
街角で鏡を見かけた際には、思わず自分の状況を確認してしまうだろう。そんな心境に響く新しい広告として、博報堂と博報堂アイ・スタジオ、日本マイクロソフトは、映っている人を分析して、最適な広告を表示する鏡型デジタルサイネージを、3月9日に発表した。
3月23日に都内で開いた会見で、博報堂インタラクティブデザイン局クリエイティブ開発部の須田和博エグゼクティブクリエイティブディレクターは「この広告は鏡型なので、見ている人は鏡を前にした心境になる」と話す。
「鏡に、疲れているなど、心境を察してもらうと喜ぶ人もいるが、しわが多いなど、図星を突かれると怒ってしまう人もいる。提示した広告だけでなく、反応までを履歴として蓄積し、その後のマーケティングに生かすことができる」と、イベントで発表した際の反応を交えて機能を説明した。
鏡型のデジタルサイネージ「Face Targeting AD」は、前に立った人を「Microsoft Cognitve Services」で顔認証し、年齢や性別、顔の特徴や表情を分析、データ化する。その後、その人の状況に合わせた広告を提示する。
顔の画像データは、数値データに変換された時点で破棄されるので、プライバシー面の心配はない。一方で、数値データは履歴として残り、広告に対する反応として表情の変化などもデータとして蓄積される。
蓄積されたデータから、どんな人にどんな広告がどのように伝わったのかをAIが学習し、広告の提示パターンを改善していく。また、運用する側もデータを確認しながら、広告策を練ることができる。
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