電気・ガス料金プランの試算例

2016年4月の電力小売自由化から4年、17年4月のガス小売自由化から3年。「電力会社・ガス会社を変更すれば今までより光熱費が安くなる」とお得な情報を見聞きしても、気にも止めず、聞き流していた人は多いはず。記者もその一人だったが、自宅に届いた「電気使用量のお知らせ(検針票)」の4月~5月中旬の1カ月間の電気代に驚き、東京電力エナジーパートナー(東京電力EP)のウェブサイト「電気・ガス料金プラン試算」で試算し納得した上で、従来の「従量電灯B」から、電気料金に応じてポイントがたまる新しい料金プラン(新プラン)に変更した。 「プレミアム S/L」「スタンダード S/L」など新プランに移行するメリットは、申込時にもらえるポイントと、毎月の電気料金に応じたポイント還元。たまったポイントは、電気料金の支払いに使えるほか、会員制ウェブサイト「くらしTEPCO」から手続きすると、最小300ポイントからdポイント/Pontaポイント/nanacoポイント/WAONポイントに交換でき、Pontaポイント/Tポイントに限り、自動交換コースを選ぶと自動的に交換してくれる。

ただ、申込時の注意事項や約款を見て、新プランは全家庭におすすめとは言い難いと分かった。ここでは気になった変更点を挙げていくが、自分には合わないと感じたら止めたほうがいい。もちろん、ポイントがもらえるメリットを重視するなら、今すぐ新プランへの変更・他の電力会社への変更をおすすめしたい。

新プランは検針票なし・払込票発行は有料 口座振替割引なし

最大の変更点として、新プランは検針票と振込票が一体となった振込用紙の発行に1回税込220円がかかる。原則、検針票は発行されず、くらしTEPCOの「ご利用明細」で確認する方式となり、検針票を希望する場合は、発行手数料費用として月あたり税込110円が必要。また、従来とは異なり、月55円の口座振替割引サービスはない。

オンラインによる利用状況の確認は便利だが、これまでと同様、紙の検針票を見て家族全員で電気代・電気使用量を確認したい場合などは、追加費用が発生しない従来プランの継続が妥当だといえる。

また、振込票発行が有料となるため、「PayPay請求書払い」「LINE Pay 請求書払い」といった、アプリからいつでも支払える請求書払いサービスを現在利用している、または今後利用したい場合も、従来プラン継続のほうが無難だ。

なお、東京電力EPは、16年4月以前のプランの一部(電化上手や深夜電力など)について契約内容の見直しを行い、20年4月の検針日以降、スマートメーター設置に伴う措置として検針票の発行を終了し、振込用紙の発行を有料化した。

同時にくらしTEPCO/ビジネスTEPCOを提供するため、該当する全員にログイン用のID・パスワードを郵送。個人に限り、電気料金の支払額1000円につき、5ポイントを付与する。つまり、料金体系は変わらず、特典のみ、新プランと同等になった。この措置からは、ポイント還元は、これまて発生していた手数料相当額だとわかる。(BCN・嵯峨野 芙美)