["\n ソニーは5月8日、テレビ「ブラビア」の新製品として、2017年1月に世界最大規模の家電見本市「CES 2017」で発表した4K有機ELテレビ「A1」シリーズを発表した。発売日は6月10日。価格はオープンで、税別の実勢価格は、65V型「KJ-65A1」が80万円前後、55V型「KJ-55A1」が50万円前後の見込み。
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業務用で培った有機EL技術を搭載、音響システム一新でデザインも洗練
\n 民生用大型テレビとしてはソニー初となる「A1」シリーズには、4K液晶テレビのフラッグシップモデル「Z9D」シリーズに搭載する高画質プロセッサー「X1 Extreme」をはじめ、広色域技術「トリルミナスディスプレイ」や4Kアップコンバートエンジン「4K X-Reality PRO」など、従来のテレビ事業で培った高解像度技術を凝縮した。
\n ソニーの執行役 EVP 兼 ソニービジュアルプロダクツの代表取締役社長の高木一郎氏は「4Kブラビアとして、有機ELのA1シリーズを満を持して発表できたことは感慨深い。というのも、ソニーは有機ELに関する技術を長年研鑚してきたからだ」と語る。
\n 国内ではすでにLGや東芝が先行して展開する4K有機ELテレビだが、ソニーは2001年にフルカラー有機ELディスプレイの試作機を発表して以降、業務用では15年以上のキャリアをもつ。民生用の投入がこのタイミングになったのは、テレビの新しい視聴体験を生み出すプロダクトとして有機ELを位置付け、画質を含めた多角的な観点から開発を重ねた結果だ。
\n 特出しているのは、深いコントラストを生み出す有機ELの没入感をさらに高めるために開発した新音響システム「アコースティック サーフェス」。有機ELパネル背面の左右にアクチュエーターを、背面スタンドにサブウーファーを配置し、画面を振動させることで、画面全体から広がりのある音を出力するという斬新な機構を採用した。
\n 音響システムの一新は、正面からスピーカーやスタンドが見えず、無駄の少ないすっきりとした、美しいデザインにつながった。テレビ本体の背面構造と配線を工夫し、ケーブルも背面に収納可能。地に画面が接地した極薄ベゼルのディスプレイで、映像だけが浮かんでいるような、これまでにない没入感を得られる。
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画質・音質以外のチャレンジも、Android TVの操作性が向上
\n 4K有機ELテレビによる「高画質・高音質による没入体験」と2本柱でソニーがテレビ事業のチャレンジに掲げるのが「Android TVによるテレビの新しい楽しみ方の提案」だ。
\n 15年5月発売機種からAndroid TVを標準搭載しているが、ソニーの調査によると「16年秋発売のAndroid TV機能搭載ブラビアでインターネット接続されたモデル」の音声検索ボタン利用率は約68%、月平均利用回数は46.2回だった。ソニーマーケティングの河野弘社長は「インターネット配信のコンテンツを楽しむ人が増え、新しいテレビのスタイルが徐々に受容されつつある」と語る。
\n 今回のアップデートでは、音声検索機能が進化。「今週末」と発話すれば「今週の金・土・日」と認識するなど、単語の認識率が向上した。また、小画面表示やタスク機能など、便利な機能を追加し、操作性も高まった。
\n 4K有機ELテレビとあわせ、4K液晶テレビの新製品として、4シリーズ10機種を発表した。いずれも、スタンドの裏面に配線をまとめて、正面からケーブルが見えないすっきりしたデザイン。「X9500E/X8500E」シリーズは、4K高画質プロセッサー「HDR X1」、「9000E」シリーズは、「X9500E」シリーズと同様の高輝度技術「X-tended Dynamic Range PRO」を搭載する。
\n 発売日は、ブラックに加え、シルバーに真鍮の色味を加えたウォームシルバーの2色を展開する「X8000E」シリーズは6月24日、他の機種は6月10日。
\n 価格はすべてオープン。税別の実勢価格は、「X9500E」シリーズの「KJ-65X9500E」が55万円前後、「KJ-55X9500E」が40万円前後、「X9000E」シリーズの「KJ-65X9000E」が44万円前後、「KJ-55X9000E」が32万円前後、「KJ-49X9000E」が24万円前後、「X8500E」シリーズの「KJ-75X8500E」が60万円前後、「KJ-65X8500E」が37万円前後、「KJ-55X8500E」が28万円前後、「X8000E」シリーズの「KJ-49X8000E」が21万円前後、「KJ-43X8000E」が17万円前後の見込み。(BCN・大蔵 大輔)