映画『ちょっと今から仕事やめてくる』の初日舞台あいさつが27日、東京都内で行われ、出演者の福士蒼汰、工藤阿須加、小池栄子、吉田鋼太郎、成島出監督が登場した。
本作は「長時間労働」「パワハラ」「自殺」をテーマとし、“働く人”の共感と涙を誘った同名小説を映画化したもの。
本作の撮影の一部はバヌアツ共和国で行われ、仏語と英語が混ざったビスラマ語に挑戦したという福士。「撮影は大変だった?」と聞かれると、「大変でしたけど、言語はすごく好きなので、何回も聞いて楽しく勉強しました。バヌアツは海とか空もきれいなのですが、人の心もきれいで、(現地の人が)僕たちを見掛けると、なぜか笑顔で手を振ってくれるんですよ。心がすごく豊かなんだなと感じました」と話した。
タイトルにちなみ、「『ちょっと今から俳優やめてくる』という状態になったらどうする?」と振られた福士は「仕事を辞めたら仕事しないです。海外を回るのが好きなので、辞めたら世界一周をするんじゃないかなと思います。東南アジアの方から中国に渡って、プランを決めずに行きたいです」と答えた。
吉田や小池から「もう貯金あるんだね」「自家用ジェット、もう買えるんじゃない?」などと突っ込まれると、「(貯金は)ある程度です…」と答えて会場の笑いを誘った。
また、成島監督がサプライズで、福士と工藤にねぎらいの言葉を送った。「5カ月間僕にしごかれながら、つぶされそうになった時もあったけど、本当に頑張ってくれました。俳優は一皮むける、脱皮すると言いますが、二人にとってこの作品がそういう作品になったと思う。日本映画界を背負っていく俳優が、今ここに誕生したと思います」と言葉を掛けると、福士と工藤は感極まって涙を流した。
福士が「僕を役者として育ててくれたのは、監督だなと思います。今の気持ちを10年20年たっても忘れずにいたいです。監督に出会えたことは大きな財産になったと思います」と語ると、工藤も「いつも愛を持って教えてくれて感謝の気持ちしかないです。いつか恩返しがしたいです」と涙ながらに感謝の言葉を語った。