「赤いアイコン」のアプリは結構多い

今年5月18日から、日本コカ・コーラは、4週間にわたり、「Coke ON Payでコカ・コーラ社製品を買うとおトクな4週間」キャンペーンを開催していた。記者は、キャンペーン期間中に計6本のドリンクを購入し、同時開催していた「2回に1回当たる」くじキャンペーンで、集めるとドリンク1本と引き換えられるCoke ONスタンプが二つ当たった。

「おトクな4週間」キャンペーンの参加条件となるコカ・コーラ公式アプリ「Coke ONアプリ」のアイコンは、Coke ONのロゴの「O」だけ抜き出したデザイン。カラーは赤1色で、「O」は本来のアルファベットのオーではなく、瓶入りコカ・コーラを彷彿させるシルエットが描かれている。

Coke ONアプリをインストールした後、ふと思い立って、日本郵便の「ゆうパックスマホ割アプリ」、関東エリアに出店するスーパー、ヤオコー・ベルクの公式アプリ、宅配・デリバリーサービス「出前館」アプリ、ビックカメラ公式アプリを一つのフォルダにまとめ、フォルダ名に「赤いアプリ」と名付けた。いずれもアプリのアイコンカラーが赤1色だからだ。

同じフォルダにまとめたところ、自動整列機能で偶然にも縦に並んだ「ゆうパックスマホ割/ヤオコー」「ベルク/出前館」「Coke ON/ビックカメラ」は同じカラーコードらしく、とてもバランスのいい、しっくりくる配置になった。気をよくして、やはりアイコンが赤1色の「PayPay」アプリと「d払い」アプリを追加したところ、急にしっくりしなくなり、このフォルダからは外した。

大手企業のロゴやサービスロゴは、印刷用にCMYKカラーが指定されている場合が多い。ウェブデザインでも、デザイン上の統一感を持たせるため、制作チームは、16進数6桁のHTMLカラーコードやCSSカラーネームで色指定しているはずだ。つまり、一見、同じように見える赤系統の色でも、実は違う色なのだ。

さて、なぜ、こうも赤いアプリが多いのか。もともと赤を基調とした企業ロゴ・サービスロゴが多いためだと考えられるが、アプリアイコンの場合、シンプルなほどユーザーが見つけやすく、比例して利用率が高まると判断したからだろう。確かに、PayPayの「P」、ビックカメラの「B」、Coke ONの「O」は分かりやすく、フリマアプリ「メルカリ」のアイコンも、赤に白抜きの「m」一文字をあしらっている。

mはメルカリ・メルペイに共通する頭文字であり、アイコンを長押しすると、簡単にメルペイのコード決済画面が表示され、メルペイの決済機能が優先された設計になっている。

似たようなデザインのアプリが増えると「目立つ」効果がなくなるだけに、今後、リニューアルを機にサービスロゴやアイコンを刷新し、PayPayやビックカメラのようにアルファベット一文字だけの「赤いアイコン」のアプリが増えるか、それとも避けられていくのか、今後の動向に注目だ。(BCN・嵯峨野 芙美)