メルカリで取引される商品には年下の出品者から年上の購入者への「逆おさがり」も

メルカリが運営するメルカリ総合研究所は8月31日、博報堂生活総合研究所と共同で実施した、2019年のメルカリ取引データに基づく、商品カテゴリごとの出品者・購入者の年齢分布に関する分析結果を発表した。

今回の分析は、フリマアプリによってどのような取引構造が生まれ、どのようにモノが循環しているのかを明らかにするために行われた。

分析では、「メルカリ」での取引傾向から、商品カテゴリを、出品者の平均年齢が購入者の平均年齢よりも1.0歳以上高い「おさがり型」、出品者の平均年齢が購入者の平均年齢よりも1.0歳以上低い「逆おさがり型」、出品者と購入者の平均年齢の差が1.0歳未満の「年齢一致型」に分類した。

メルカリで取引される商品の出品者・購入者年齢分布を分析したところ、年齢一致型が38.0%、逆おさがり型が27.0%、おさがり型が20.5%となっている。また、逆おさがり型とおさがり型を合わせた47.5%が、上下の年齢間でモノが継承される構造を持った商品カテゴリであることが分かった。

おさがり型の商品のうち、「ダーツ」は出品者の平均年齢が33.3歳、購入者の平均年齢が30.4歳で、出品者が20代後半から30代、購入者が20代前半を山として分布している。なお、「麻雀」でも同様の年齢分布を示しており、成人したばかりのZ世代(90年代半ば以降生まれ)に、年上のミレニアル世代(80年代~90年代前半生まれ)から、オトナの文化が継承されている様子がうかがえる。

そのほか、同じくおさがり型の商品「フィルムカメラ」が全年代からZ世代へ、「スケートボード」が90年代のストリートブームの中でスケボーを楽しんだ世代が、今でも同世代間で取引をしている一方で、Z世代にも受け継がれている。

逆おさがり型の商品「コーヒー」では、出品者の平均年齢が38.8歳、購入者の平均年齢は43.7歳、出品者が30代、購入者が40代を山として分布しており、贈答品などを自宅で使いきれない下の世代から、上の世代にモノが循環していると考えられる。

なお、「ドライブレコーダー」「入浴剤」「乳液/ミルク」も、「逆おさがり型」の商品といえる。

「バッジ(アニメ・コミックグッズ)」は、出品者の平均年齢が27.7歳、購入者の平均年齢が28.2歳で、出品者・購入者の年齢分布が10代後半を山として、ほぼ一致している。

ほかにも、模型などおもちゃ・ホビー関連、釣りなどスポーツ・アウトドア関連といった趣味性の高い商品カテゴリでは、出品者と購入者の年齢が一致しており、「年齢一致型」商品といえる。

一方、「スニーカー」では出品者の平均年齢が34.6歳、購入者の平均年齢が35.2歳で、出品者・購入者ともに10代後半から20代前半、30代後半と二つの山がある。このような傾向は、「ブルゾン(メンズ)」などのメンズファッションカテゴリで散見された。