2015年に宙組トップスターとして宝塚を退団後、『1789-バスティーユの恋人たち-』のマリー・アントワネット役や『花・虞美人』の虞姫役など、圧倒的な美貌と三拍子そろった実力で女優活動を続けている凰稀かなめ。そんな彼女が大切にしてきたライブ活動の一環として、今年は『凰稀かなめ Autumn Show』が帝国ホテル大阪とヒルトン東京お台場で開催される。昼のランチショーは『付き人さんと秋の空』、夕刻のカクテルショーは『今宵あなたとBar Phoenix』とサブタイトルに掲げられている本公演。気になるその内容について、凰稀に聞いた。
“付き人さん”“Bar Phoenix(のマスター)”とは、凰稀が昨年、一昨年と上演してきたライブコンサート『The Beginning』シリーズで登場したキャラクター。前者はおかっぱ頭に丸メガネのジャージ姿、後者はオールバックも端正なイケメンで、どちらも観客から絶大な人気を得ている。「『The Beginning』シリーズのテイストは残しつつ、今回はお食事付きなので、ショー部分は1時間にまとめなくちゃいけない。その中でいかにお客様に楽しんでいただけるか考えていて、メインの内容はランチショーとカクテルショーとで分けることにしたんです」と凰稀は話す。
「私自身お笑いが好きなので、まずコメディ要素は必須。その上で、久しぶりにお客様がキュンキュンする男役っぽいシーンも取り入れてみようかな」と言う凰稀。今回のテーマは“一体型”ということで、客席はどの程度参加するのか問うと、即答で「だいぶ」という答えが返ってきた。「恥ずかしがらずに一緒に楽しみましょう」との発言は、最後列や隅々まで客席のお客様の顔を見るのが好きという凰稀の想いからだろう。演出は『The Beginning』も担当したTETSU(Bugs Under Groove)、共演は白華れみ他、こちらもおなじみの面々。“サプライズ”も考え中というから、お楽しみ満載のショーになりそうだ。
舞台以外にも、ドラマ『トットちゃん』(10月より、テレビ朝日系列)にエミー市川役として出演。11月22日(水)には全10曲収録のファーストアルバムをリリースするなど、着々と活躍の場を広げている凰稀。「舞台とは違う作り方をするドラマや、アルバムのレコーディングなど、毎日いろいろやらせていただいて楽しい」と笑うが、「“瞬発力”を必要とされるドラマの演技は、初めてのもの。まだまだ勉強中ですね」とサラリ。しなやかに、誠実に、ひとつひとつの作品と向き合う凰稀の活躍が、今後も楽しみだ。
公演は9月10日(日)帝国ホテル大阪 孔雀西の間、9月24日(日)ヒルトン東京お台場 ペガサスにて。
取材・文 佐藤さくら