「歌」の教室では何を学べる? 賢い子が育つ理由

続いては「歌」の習い事について。歌といっても、独唱から合唱まで、さまざまな教室がありますが、中でも、音楽教育法「リトミック」を教える教室を認定する特定非営利活動法人 リトミック研究センターにインタビューを行いました。

回答いただいたのは、本部研究室主任の向井育子さんです。

音楽を通じて多様な能力を育む

向井育子さん(以下、向井)「リトミックのレッスンでは、音楽(音)を通じて、子どもが個々に持っている能力を育むことを目的としています。リトミックにおける『うたう』ことは、活動・表現方法の一つです」

レッスンでは、リトミックを通じて具体的にどんなことを学べるのか教えていただきました。

向井「音楽(音)に合わせて歌いながら歩く。音楽(音)の速さ、強さ、高さ、リズム、拍子の変化などを感じ取り、身体で表現する。また音楽(音)によって決められた合図を、さまざまなタイミングで聴いて、“即座に反応”すること等、常に子ども自らが、感じて、考えて、表現することを通して、さまざまな能力を養っていきます。

“音楽(音)そのもの”を身体全体で感じ取り、身体で表現することにより、音楽の基礎能力が感覚として身につきます。『歌をうたう』ときも、音楽を大いに感じて表現できるようになります。

また、グループで共に学び、“人前で歌う”、“動く”などの表現活動を通して『協調性』『積極性』『自己表現力』が養われ、“自分で考え”“自信をもって”“自発的に表現する”力がついてきます」

非認知能力を伸ばすことが期待できる

向井「保護者によると『積極性』によって意欲的に自分で取り組むので勉強が好きになったり、『社会性』によってお友達とのコミュニケーションが上手く、もめごとをまとめたりする能力もついたとのことです。いわゆる“非認知能力を伸ばす”ことが期待できます」

年齢ごとに変わるレッスン内容

向井「レッスンは、1歳~5歳、小学生、大人、高齢者と幅広く行っており、年齢が上がるごとに行う内容も高度になります。

『うたう』ことを潜在的に取り組んでいるのが1、2歳。流れる音楽、楽しい遊び歌に親しみ、時にはマネをして歌うこともあります。

『うたう』ことを顕在的に取り組むのは3歳以降。『こんにちは』などの短い模唱(マネして歌うこと)や、短いメロディーを覚えて歌います。4歳からは『階名唱』に移行し、ドレミファソラシドの音を聴き取りながら『ハンドサイン』という身体表現をして歌い、音感を高めていきます。

5歳からは“音符を書く”ことや、“階名で歌うこと”、“リズムを分析してステップする”など、複雑な課題にも取り組むようになります」

歌といってもさまざまな学び方があり、たくさんの能力を養えるようですね。歌の習い事は、賢い子を目指すことができそうです。

東大卒の人が幼少の頃に学んでいた幼児教室と歌の習い事について探ってみました。どちらも東大にチャレンジし、合格するほど積極的な学びへの意欲を幼少期に培ったことが予想されます。子どもの習い事選びの際のヒントにしてみてください。

【取材協力】
理英会
どんちゃか幼児教室
リトミック研究センター

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