葛藤というよりも、うーん……ある特定のメンバーについて特別扱いしちゃうのは、たくさんメンバーがいて、個々に仲良くしている子たちもいて申し訳ない気持ちでいっぱいなんですけど。やっぱり”秋元才加”と”大島優子”という存在は、この連載でも何度もお話させてもらっているとおり、本当に、本当に、佐江の人生で大きな存在なんですよ。

大島優子・秋元才加・宮澤佐江。私たち3人、自分で言うのもアレなんですけど(笑)、AKB48チームKのトップ3と言われ続けてきて、「あの3人がいると安心だよね」って応援していただいてきました。だから、才加が卒業する前にチームKとしての3人の姿をもう一度、ファンの皆さんにお見せしたかった。それが唯一、悔いとしてあります。

総選挙の時、SNH48一本と宣言したことを後悔はしていません。あの発言によってチームKとの兼任がなくなって、結果として今回、ドームツアーにKとして出られなかったことも分かっています。だってSNH48専任の自分がチームKのステージに立つのはどう考えても変だし、それをやっちゃったら「やりたいことをやってるだけじゃん、自分!」ってなるでしょ(笑)。才加とは一緒に過ごしてきた7年半がありますから、結構複雑な想いもありましたけど……そこは我慢しなきゃって。正直「うわあぁああ」って思うこともありました。

でも矛盾しているようですけど、SNH48専任をやめればよかったとは思っていません。チームKとして見送れなかったことを悔やみはするけど、総選挙での自分の決断に悔いはないんです。才加も「佐江が決めたことだもんね」と、理解してくれました。

もちろんそんな風に思えるのはドームツアーで、2期生が旧チームK結成当初から大切にパフォーマンスし続けてきた『転がる石になれ』を歌わせてもらったり、才加・優子との心友トリオで『心の端のソファー』をさせてもらったり。ユニットでも才加と“ツインタワー”として何曲かやらせていただいたうえに、才加が東京ドーム初日に卒業セレモニーをした翌々日の公演で、才加のソロ曲『虫のバラード』を歌わせてもらったり。心友として、いまの自分にできる精一杯で彼女を見送れたからなのかもしれません。

(※自他共に認める心友トリオ=佐江ちゃん、才加ちゃん、優子ちゃんは3人ともAKB48の2期生。チームKは当初、2期生によって結成されたチームでした。また佐江ちゃんと才加ちゃんはその背の高さから、ツインタワーとも呼ばれています)

――『虫のバラード』は、佐江ちゃんもソロでの披露だったんですよね? 才加ちゃんの代表曲を、どんな気持ちで歌われましたか。

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