4 過労をいち早く察知する

疲労は免疫力が低下するため、風邪の大敵です。大人ならば、自分が疲れているなと感じたら早めに寝たり、温かいものを食べたりしてある程度はケアできますが、子どもは自分が疲れていることに気づかない場合も多いでしょう。

まずは、普段の子どもの状態を知っておくことが重要。その手がかりとなるのが「体温」です。子どもが元気なときの平熱を知っておけば、ちょっと具合が悪そうなときに体温を測ることで、疲れているかどうかを判断できます。

 

 

また、体温以外のポイントとしては、

・食欲があるか
・元気に遊んでいるか
・顔色はよいか
・吐き気や嘔吐はないか
・下痢をしていないか
・お腹がはっていないか
・痰や鼻水は出ていないか
・身体のどこかを痛がっていないか
・耳だれや目やには出ていないか
・脈拍や呼吸は正常か
・身体に発疹が出ていないか
・声が枯れていないか

などが挙げられます。とにかく普段の子どもの様子と違うところがあれば、体調を崩していることが多いので、気をつけましょう。

5 部屋の湿度に気を配る

風邪はウイルスが原因です。このウイルスが活発に活動するのが15~18度と言われてます。冬に風邪をひく人が多いのはこのためです。

なお、インフルエンザウイルスの場合は「気温22度、湿度50%」という環境で生存率が5%程度に落ちるという実験結果があります。

冬場は暖房を使って部屋を暖めることが多いと思うので、温度は問題ありません。気になるのが湿度です。特にエアコンは空気が乾燥してしまい、ウイルスにとって好環境となってしまうのです。

「冬の暖房器具としてはオイルヒーターが効果的です。温風が出ない分だけ部屋が乾燥しにくいんです。また、ホコリやハウスダストなども巻き上げないので、室内の空気はきれいなままです」(片桐先生)。

石油ストーブでは、小さな子どもがいる家庭では危険が伴いますが、オイルヒーターは表面温度が低いので、やけどの危険性も少ないというメリットもあります。

なお、加湿器も効果的な面がありますが、フィルターに付着したウイルスや雑菌が部屋に拡散されてしまう可能性があるので、過信しないほうがよさそうです。

 

6 人混みを避けよう

風邪ウイルスの感染経路は、主に咳やくしゃみ、唾液などによる「飛沫感染」と、ウイルスが付着したものに触れることによる「接触感染」に分けられます。

会社や学校などはもちろん、電車内などの狭いスペースにいると、飛沫感染の可能性がかなり高まります。また、電車の吊革や会社・学校のドアノブなどからも接触感染のおそれがあります。

なので、できれば人混みにいかないことが一番の予防になります。しかし、そうも言ってられませんよね。

人混みに出なければならない場合は、必ずマスクをしましょう。片桐先生は「不織布製のマスクが適切です。綿などのマスクは目が粗いので、ウイルスが入り込んでしまう可能性が高くなります」と指摘します。

また、先ほど挙げたように、外出後は手洗いとうがいを忘れずに。これで接触感染も大幅に防げます。