ギャラクシー賞、向田邦子賞などの受賞作も

2005年1月に2時間のスペシャルドラマとして放送され、4~6月期に連ドラとして放送されたのが、落語を題材にした『タイガー&ドラゴン』。タイガー=虎児(高座名は小虎)をTOKIO の長瀬智也、ドラゴン=竜二(高座名は小竜)をV6の岡田准一が演じた。

ヤクザでもあった虎児のキャラクターにはあまり新鮮味が感じられなかったけど、落語の演目に沿ったストーリーに、ジャニーズの2人が入っていくというのはなかなか斬新だった。

このドラマは、各話で取り上げる古典落語の噺をベースにしつつ、現代の家族や友情、師弟関係を描くという企画が最高だった。しかも、ストーリーの組み立ての完成度も高かったと思う。平均視聴率は12.8%とやはりパッとしなかったが、ギャラクシー賞のテレビ部門で大賞を受賞するという評価は得られた。
 

今回の『ごめんね青春!』で主人公を演じている関ジャニ∞の錦戸亮が、初めてクドカンの作品に出たのは、2008年10~12月期に放送された『流星の絆』。東野圭吾の小説が原作で、両親を殺された三兄妹の長男を嵐の二宮和也が、次男を当時はまだNEWSにも在籍していた錦戸亮が演じた。

兄妹で詐欺を繰り返しながら、両親を殺した犯人に対して復讐を計画する姿、そして血の繋がらない妹への微妙な感情など、やはりジャニーズがやるからこそ面白いというキャスティングだった。

このドラマは原作におもいっきりクドカンのテイストを入れた作りになっていて、笑いとシリアスの振れ幅がひときわ強い作品だった。とくに途中で挿入されるミニドラマのアイディアは秀逸で、三兄妹が行う詐欺行為を重たくならないように描く効果もあった。最終回の視聴率は22%を超え、平均視聴率も16.6%だった。

『I.W.G.P』『タイガー&ドラゴン』に続き、長瀬智也が3度目の主演を務めたクドカン作品が、2010年7~9月期に放送された『うぬぼれ刑事』。長瀬智也はうぬぼれが強い刑事役で、うぬぼれが強い俳優役として生田斗真も出演していた。

黙っていればイケメンなのに、しゃべり出すとうぬぼれが強すぎて女性が引くという設定は、まさにジャニーズがやることで成立する笑いの取り方だった。

このドラマは、恋愛体質の刑事が毎回ひとりの女性に惚れて、その女性がじつは犯人というお約束で物語が進行した。最後は主人公が犯人の女性に結婚か逮捕かを迫ってフラれるのだが、主人公が女性を口説く過程がそのまま捜査になってしまうあたりが面白かった。

一見、バカバカしい刑事ドラマのようだが、罪を憎んで人を憎まず的な教えも含めた、極上のラブストーリーだった。宮藤官九郎はこの作品で向田邦子賞を受賞。でも、やっぱり平均視聴率は8.2%と低かった。