夏組『オレサマ☆夏 summer』(from『First SUMMER EP』)

こちらも作編曲を担当したコンポーザーの個性が存分に発揮された曲です。テクノでハイテンションなナンバーに定評があるヒゲドライバーさんによる本曲は、超アッパーでアゲアゲなサマーソング。

難しいことを一切考えずとも、唸るシンセサイザーがリスナーの気持ちを一気に高揚させる。そこに乗るリリックも、擬音や押韻が多用されており、とてもリズミカルなものとなっています。

異常に中毒性の高いシンセサウンドと良い意味でちょっと"軽さ"や"チャラさ"が感じられる歌詞世界との親和性は抜群で、夏という季節とユニットに相応しい一曲となっています。

他のユニットに比べると、声の高低差がある声優陣によってメンバーが編成されているので、各パートの歌い分けもおもしろく、"声優ユニット曲"が持つ魅力を存分に感じられる曲といえるでしょう。

ボケとツッコミがシッカリと分かれたやり取りや、声の個性を味わえる曲展開は、声優ソングのファンならばゲームを知らずとも思いっきり楽しめるかと思います。

ヒゲドライバーさんの特徴的な音作りと、とことん賑やかな歌の共演に思わず胸が躍ります。

秋組『oneXone』(from『First AUTUMN EP』)

園田さんによる洗練されたポップソングの春組、ヒゲドライバーさんによる陽気なシンセ・ポップの夏組ときて、秋組の『oneXone』は、ヘヴィでメタリックな楽曲。

今回紹介する4曲の中で最もロックなサウンドを作り出したのは、R・O・Nさん。パンクロックやヘヴィメタルのエッセンスを加えた楽曲の数々でアニソンファンに支持を受けているミュージシャンで、アニメの劇伴制作も多数。また、自身のソロプロジェクトである、STEREO DIVE FOUNDATION名義で、様々なアニメ作品に主題歌を提供しています。

ロックアップローチな声ソンの作り手として、R・O・Nさんはまさに打って付けの人選といえるでしょう。

ハードで重いメロパートからメンバーが歌い上げる開放感タップリなサビへと繋げる流れや、バンド・サウンドの攻撃性を押し出した間奏パートなど、ラウドなロック・ミュージックの旨味と美しさを凝縮したような構成が、まずはお見事。

曲調に合わせて男(漢)っぽさが全面に立っているメンバーの歌声も良いです。個人的に特に印象に残ったのが、兵頭十座を演じる武内駿輔さんの低音ボイス。こうした曲にピッタリの歌声ですし、全体に硬質なイメージを与えると共に、シッカリと音のボトムを支えてくれています。

カップリングに収録されている『スーパーウルトライージーモード』と『LONER』もR・O・Nさんの提供曲。リードトラックは、また異なる印象でジックリと聴かせてくれる曲で、様々な顔を垣間見ることができます。

こちらのミニアルバムを気に入ったら、是非とも、R・O・Nさんがクリエイトする他のアニソンや声優ソングも聴いていただければと思います!