私が想像するオタクとは、映画にもなった『電車男』のそれ。ネット掲示板「2ちゃんねる」に投稿されたオタク独身男性の体験談です。そこで登場したのが、コミュニケーション力が低く、ファッションに関心がなく、アニメが大好きな主人公。少し古い印象でありますが、私のオタクのイメージはこれです。

このオタク像は2004年頃のもの。あれから10年以上の月日が経過し、絵に描いたようなオタクとは違った層が少しずつ登場しているのです。

どちらかというとその当時のオタクが変化したというよりは、若い世代の価値観が変わってきたという印象。前出の4人など、1020代の若者は、これまでのオタクとは一線を画した“新しいタイプのオタク”といった印象です。

「ドラゴンクエスト芸人」「ジョジョの奇妙な芸人」「バイク芸人」「女子プロレス芸人」「麻雀芸人」など、毎回あらゆるテーマにくくられた芸人が登場し、その専門分野のマニアックな知識を披露し合うTV番組『アメトーーク!』が人気を博したことが、オタクの意味を少し広げたように筆者は考えています。

中川翔子さんは、アニメ・マンガの企画に多数出演しており、「ジョジョの奇妙な芸人」の時に着用した自作の擬音タトゥータイツは放送後に話題となり、平野綾ら女性のジョジョファンが自作タイツをWEB上に公開しました。

数年前には一部のオタクのみぞ知る世界が、同番組により広くエンターテインメントとして扱われるようになったのです。旧世代の元祖・オタクの人からは「そんなものはオタクではない」というお叱りの言葉が聞こえそうですが、ただ、実際に自称・オタクを名乗る若い人は増加傾向にあるのです。