「ピクー」&「ファニーを探して」

大注目作「ラームとリーラー」の主演を張っているディーピカ・パードゥコーンはいままさに旬の女優さん。今回のIFFJでは、彼女の主演作がさらに2本、あわせて3本されます。まるで今年はディーピカイヤー!いや、冗談抜きでそのぐらいの存在感がありますね。

「ピクー」では生きる伝説アミターブ・バッチャンや「めぐりあわせのお弁当」「ジュラシック・ワールド」などで知られる名優イルファン・カーンと共演。「ファニーを探して」では若手人気俳優アルジュン・カプールと共演。どちらも珍道中系コメディーで、ディーピカファンは両方外せないでしょう!

「ロイ」と「ハッピー・エンド」

この2作に共通するのは、日本公開した作品に出演している役者さんが数多く出演していること。「ロイ」のランビール・カプールは「バルフィ!」と「若さは向こうみず」でコミカルかつ表現豊かな演技力を見せてくれました。今作はかなりアーティスティクな作品とのこと、シリアスな演技に注目です。

そうそう、飛田さんインタビューでも出てきた「恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム」のアルジュン・ランパールも出演しています。

一方の「ハッピー・エンド」はさらにおなじみの顔ぶれ揃い。話題作「インド・オブ・ザ・デッド」や「エージェント・ヴィノッド 最強のスパイ」」のサイフ・アリ・カーンに、「バルフィ!」で美しきヒロインを演じたイリヤナ・デクルーズ、「若さは向こうみず」や近日公開の「マルガリータで乾杯を!」に出演のカルキ・ケクランも出演。

こちらは底抜けに明るいコメディだそう。インド映画ファンお馴染みの面々が織りなすテイストのコントラストを堪能したいところです。

「女戦士」「国道10号線」「Q」

この3本は、インド国内の社会的問題を描いた映画とくくることが出来るでしょう。人身売買や誘拐、根深く残る階級差別という社会問題を映画という形で鋭くえぐった作品群です。アクションやスリラーという形を取った問題提起、とも言えるかもしれません。さらに言えば、女性が主人公という点でも共通項が。インド映画界では今女性の存在感が増している?!

さらに言えば、「ヨイショ!君と走る日」もインドの男女観や結婚観という問題を軽くさりげないタッチで触れている、という意味では共通点があります。インド映画と言えば楽しく明るい娯楽作というイメージが強いかもしれませんが、頭をからっぽにできる娯楽作や胸キュンの恋愛ストーリーだけではなく、こうしたテーマ性のある作品も、インド映画の重要な一側面なのでしょう。

ハマったら絶対楽しい!インド映画ですべてがマサラする!

いかがだったでしょうか?多重インタビューとIFFJレポート。インド映画に馴染みが無かったり、一面的なイメージが強かったりする方に、少しでもインド映画の多面的・多角的・多層的・多次元的な魅力が伝わればと思います。

しかも、これでもインド映画のほんの一部分にしか過ぎない、というのがオソロシイところ。今年のIFFJで公開されるのは、北部のヒンディー語映画のみ。さらに南部にはタミル映画、テルグ映画、カンナダ映画…と広く深い映画シーンが広がっているんです。

さらにインド国内に留まらず、外国への進出や、外国からの影響を受けて更なる進化を遂げていくインド映画、これからさらに楽しくなりそう!さて、次はどの映画を見に行こうかな?今回のレポートは以上です。