アニメ好きレスラーが遂には、プロのアニメ声優に！
『天体戦士サンレッド』出演の菊タロー選手
ここまで紹介してきた作品は全て、プロレスラーがあくまで"ゲスト"として客演したアニメでしたが、プロレスラーの中にはアニメ好きが高じてプロの声優になった選手もいます。
マスクマンの菊タロー選手は、そんな声優兼プロレスラーというチョッピリ変わり種のレスラー。
抜群のお笑いセンスとプロレステクニックを持ち、フリーのプロレスラーとして様々な団体のリングで笑いの花を咲かせる菊タロー選手は、アニメや漫画、ゲームの大ファンという"オタク"的な感性の持ち主。
2008年には、おでん・カーンやダンボール肉マンといったユニークなマスクマンが試合を行う『アキバプロレス』を旗揚げするなど、オタクカルチャーに近い距離でのプロレスも行っています。
声優としての菊タロー選手は、声優専門の事務所にも所属しており、その活動は本格派も本格派。アニメへの出演作として、中でも有名なのが『天体戦士サンレッド』でしょう。
菊タロー選手は、この作品の中でウェザーイエロー役を筆頭に、幾つかのキャラクターボイスを担当。コミカルなファイトスタイルそのままに、アニメ作品でもコメディアンっぷりを発揮されています。
人間性にかなりの偏りがあるヒーローと庶民的かつ根の優しい悪の組織が繰り広げるやり取りをちょっとブラックなギャグを交えて描く本作。お笑いコンビ、髭男爵のお二人が主要キャラクターを演じるなど、異色のキャスティングも話題となったアニメで、菊タロー選手の声優としての演技もなかなかに板に付いています。
プロレスラーであり、声優であり、更に、ゲームや家電や料理も大好きで、その知識とセンスを活かしてライターとしても活動している菊タロー選手は、まさに、多才で多趣味なエンターテイナー。
単純な"強さ"だけではないプロレスラーの奥深さを感じさせてくれる菊タロー選手の活躍をアニメでも観てみてください！
プロレス好き女性声優が遂には、プロレスラーに！ 清水愛さん
アニメの声優になったプロレスラーとして最後に紹介したいのが、この方。清水愛さんです！
……いや、清水愛さんは、そもそも声優さんだろ？ というツッコミがすかさずアニメファンから聞こえてきそうですが、実は、清水さんは2013年に北九州のローカルプロレス団体でプロレスデビューを果たし、以降、声優としての活動と並行して、女子プロレスラーとしても活躍されているのです！
現在は、DDTプロレスリングのサブブランドである東京女子プロレスをメインにリングで戦いを繰り広げています。
"アニメ声優に挑戦したプロレスラー"ではなく、"プロレスラーになったアニメ声優"ということで、かなり反則気味な人選ですが、5秒までなら反則を行っても許されるのがプロレスの趣深いところ。多少のラフプレイはOKでしょう！
日本におけるプロレスの祖、力道山の登場から、新日本プロレスと全日本プロレスの二つの団体が並び立つ昭和の時代を経て、平成の世に入ってからはインディー団体が乱立し……と、長い歴史を誇る日本のプロレス・ヒストリーですが、声優界からプロレスに参戦したレスラーは清水さんが初。
しかも、清水さんの試合は本気も本気。清水さんご自身がプロレスファンということで、選手や技にもリスペクトがあるのでしょう。飛び技のフライングボディープレスからパワフルな変形DDT（トリープフリューゲル）まで、様々な技を繰り出し、試合を観ていてもプロレスに対する真摯さが伝わってきます。
声優ファンとしては、くれぐれも喉の怪我には気を付けて欲しいとは思うのですが……それでも、"プロレスラー"としての清水さんを思わず応援したくなってしまう。そういう魅力がある選手（で、声優）なんです。
勿論、そもそも声優さんとしてのキャリアを持っていらっしゃる方ですので、出演作は多数。演技力も言わずもがなです。
そんな中でも、オススメの作品として、清水さんがプロレスの試合で、そのオープニング曲が入場曲に使用されている『らいむいろ戦奇譚』を挙げたいと思います。このDVD BOXジャケットの黒田綸子（黒髪の娘）とか、ポーズもハルク・ホーガンっぽいですし。
アニメファンの皆様も、是非ともプロレス会場での清水愛さんの勇姿をご覧ください！
如何だったでしょうか？ 慣れないながらも一生懸命に声優としての仕事をこなそうとするプロレスラー、プロレスラーから声優になった選手、声優からプロレスラーになった選手……様々なレスラーが、アニメとプロレスの間を行き来し、個性的な作品を生み出していたことが分かります。気になった方は、これらの作品を是非とも手にとっていただきたいと思います！
個人的には、引退をされた女子プロレスラーのキューティー鈴木さん主演の『冒険！ イクサー3』のDVD BOX発売を待ち望んでいます。あの作品も是非ボックス販売を！
