4月にピカピカの一年生を迎える子、そして春には年長さんになり小学校まであと1年の年中さんにも、今から少しずつ“ひらがな”を教えていった方がよいかもしれません。

小学校入学までに“ひらがな”を教えた方がいい理由

入学式当日、教室に入ると黒板に「にゅうがくおめでとう」のお祝いの言葉が書いてあります。下駄箱には子どもの名前が貼ってあります。イチゴや車のシールで「あなたの場所はここですよ」と親切には教えてはくれません。

今やクラスの8割の子どもが文字の読み書きができる状態で入学してきます。
ですから、担任は大多数に合わせて授業を進めます。まだ全部の文字を教えていないのに連絡帳に明日の持ち物を書かせたりする先生もいます。

もちろん、小学校でも“ひらがなの読み書き”は教えてはくれますが、入学したとき鉛筆を持ったこともなく、自分の名前も読めない状態ですと下駄箱やロッカーの前でウロウロ…子どもがとても苦労します。

そこで、『1人でできる子が育つ テキトー母さんのすすめ』の著者の立石美津子が、幼児期のひらがなの教え方についてお話ししたいと思います。

ママが勘違いしがち! “ひらがな”の教え方ポイント10

“書き”から教えてはダメ!

“書き”よりも“読み”が先です。読めない文字を書いている状態はお絵描きと同じだからです。

「なんて読むの?」と聞いてみてください。もし「わからない」と答えたら、「これは“し”よ。これは“つ”よ」とまず読み方をしっかりと教えましょう。街中の看板や絵本などを通して“文字を読むこと”を経験させることを先にしましょう。

「うさぎの“う”よ」はNG!

“う”を教えるとき「うさぎの“う”よ」と大人は声をかけたくなります。けれども、子どもはひらがなの“う”の形ではなく“兎の可愛い姿”を思い浮かべているだけです。この教え方は大人の思い込みだったりします。また、聴覚だけに訴えてもよくわかりません。

“う”を教える時は視覚的にも訴えましょう。

例えば“○さぎ”“○み”“○ぐいす”と書いてあるドリルがよいでしょう。兎、海、鶯の姿をイメージしながら“う”だけを練習できます。

“あいうえお”から始めない!

紙の上に“あ・い・う・え・お”と書かせても子どもは「つまらないお勉強だなあ」と感じてしまいます。

一番、興味を持っているものから書かせましょう。絵だって電車や恐竜が好きな子はそればかり描いているでしょう。これと同じです。

電車が好きな子は“やまのてせん”“きゅうこう・かくえき”“しんかんせん”と文字で練習させましょう。アンパンマン、ピカチュウ、ラーメンなどのカタカナが混ざっても構いません。

まず興味関心を持たせることが肝心です。筆順はこの段階では癖になるほど同じ文字を書く体験はしていませんので、細かく注意しなくてもよいです。

{ 一筆で書ける文字は簡単! }

さて、興味を持って“でんしゃ”“しんかんせん”など書いている段階から次の段階に進み一文字一文字を教えていきましょう。

ひらがな46文字は“あ”から始まります。ひらがな表も“あ・い・う・え・お・か・き・く・け・こ”の順番で並んでいます。だからといって、“あ”からスタートするのは難しすぎます。一筆で書ける“つ”“く”“し”からスタートしましょう。