Case3、子どもを持つことへの価値観が違った

「結婚前はふたりとも『子どもはいなくていいよね』という考えでしたが、あるとき妻が子どもをほしがるようになりました。対して僕は『このままふたりでいいじゃん』という思想で。
彼女から話を何度も持ちかけられたのですが、ごめん、僕はこのままでいたい、と訴えていました。でも、あるとき気づいたんです。自分の変わらない価値観を押しつけて、彼女に年を重ねさせていいのか、と。
女性が妊娠・出産するにはリミットもあります。どうしても僕が子どもを望まないという理由で、妻に離婚を申し出て成立しました。何年も前の話です。元妻はあれから再婚し、一児の母になっています」(40歳/男性/通信)

子どもを持つか、持たないか――これは個人の思想によるところが大きいです。また、最初はふたりの見解が一致していても、妊娠・出産を経験する友人・知人を見ているうちに、考えが変わることもあります。考えが違う場合、どちらかに無理やり合わせるのは難しい。だからこそ、関係をリセットする、という選択も一案だといえます。

Case4、嫌がられても捨てられない習慣があった

「旅先で初めてケンカしたときに、元夫が『今まであなたの◯◯も△△も、とにかくいろんなことを僕は我慢してきた』と静かに爆発したんです。それが『どうしてあのとき言わなかったの?』と感じずにはいられない内容ばかりで。
彼いわく、私に言うと私を傷つけてしまいそうだったから、とのことですが……。溜め込んだあげく、後になって一人で爆発する姿勢も共感できなかったし、彼が言う“我慢してきたこと”の中に、私がどうしても直せない習慣(友人と飲み歩くこと)があったので、やむなく別れる道を選びました」(30歳/女性/IT)

パートナーをとるか、自分の中で重要視している習慣をとるか、天秤にかけたときに彼女にとっては後者の方が重かった模様。それでも相当難しい選択だったことでしょう。

10年後、20年後もふたりで一本の道を歩んでいけるか――悩んだときはそれを想像してみてください。そして、最終的には「自分はどうしたいか」「どうすると幸せなのか」を考えること。自分の人生は自分が取捨選択するものでつくられています。後悔のない選択を積み重ねていきたいものですね。

フリー編集者・ライター。岡山県出身。中央大学法学部卒業後、楽天、リアルワールドを経てフリー編集者/ライターに。関心のあるテーマは女性の生き方や働き方、性、日本の家族制度など。結婚・離婚を一度経験。11月14日に『はたらく人の結婚しない生き方』を発売。