「自分たち、まだまだ弱いなと思うんですよね」

――シーン全体が守りに入っているかもしれませんね。堅実なのは全く悪いことではないですが、そのせいで面白いバンドが出にくくなってる現状には、いちリスナーとしても悲しいものがあります。

LIPHLICHのように独自性のあるバンドが、核を保ったまま間口を広げていくにはどうしたらいいんでしょうね。

久我:そういうことはやっぱり僕も考えますよ。たとえば、聴かせる系のバラードだけでは良さが伝わりづらかったりするじゃないですか。CDを聴いて「この曲いい曲だから生で聴きたい!」ってライヴに足を運ぶ時代でもないと思いますし。ライヴに体を動かしに来ている人も少なからずいると思いますしね。……でも、自分たち、まだまだ弱いなと思うんですよね。

――弱いとは?初見のフックみたいなものでしょうか?

久我:そうですね。アー写から伝わる雰囲気、MV見たときの印象というか……、なんかありません? 売れてるバンドって空気感というかオーラみたいなものが。そういうルックス的な面や、ぱっと見の印象って、まだまだ高められると思うんですよね。

――その辺を補ってフックにするために進藤さんのルックスがどんどん奇抜になったり、無料ワンマンのような試みを?

久我:無料については、今のLIPHLICHの注目度を図ることに繋がるのかなって思ってます。あと、単純に「インストアイベントをやるならいっそワンマンやりたい!」みたいな部分もありますが(笑)。でも、渉くんはね! 昔から喧嘩してるんですよ!(笑) 「世界観崩さないでくれる!?」って言ってもやりたい放題やるから、もう諦めて放置した結果がアレです(笑)。

――(笑)。進藤さん以外のメンバー、新井さん(Gt.新井崇之)と小林さん(Dr.小林孝聡)はLIPHLICHの戦略やイメージに対して何か提案してくること多いですか?

久我:あの2人は「ギター!」「ドラム!」っていうプレイヤー気質な人たちなので、ヴィジュアル系っぽくないんですよ。だからあまりなにか提案することはないかな。

うーん、でもこれ言っていいのかな……、LIPHLICHって僕以外のメンバーが率先して何か考えるってことが基本的になかったから、正直、今のバンドの雰囲気が生温いんですよ。腑抜けてる感じがする。何回かミーティングはしてるんですけど、まだ伝わらないな。このままじゃダメだって思いますね。

活休とか解散とか、そういうことを考えて言ってる訳じゃないですよ? 上を目指したいし、先を見ていかないといけないし、たかが5~6年で大して売れてない今、惰性はよくない。

――全員試合じゃないとここから先には登れないと。

久我:それかボーカルだけを押し出すMarilyn Mansonみたいなバンドになるか、ですかね……。バンドの全員が目立ってカッコいいって、僕的にも理想なのですが、だったら他のメンバーにももっと意見を出してガンガンやってもらわないと、ってところです。

「アドバンテージがあるわけじゃないから、ちゃんと自分の音楽をやっていきたい」

――いずれにせよ、新しいものを生み出す変化の時期ですね。

久我:そうですね。自分の表現欲求の面だけから言えば新しい、カッコいい音楽を生み出せないならやってる意味ないって思いますし。メンバーにも向き合ってほしいし、自分と向き合っていかなければならない時期だと思います。

本当はフルアルバム作って、構成的にも新しいことやっていきたい感じですよ。新しく加入したばかりのこばやん(小林孝聡)は、ヴィジュアル系にどっぷりつかってきた人じゃないので、彼のイメージも含めてどうしていこうかなって考えてます。

やっぱり、ルックスと音楽がしっかりリンクした上で、メンバーのカッコよさがしっかり出ているモノを見せたいんですよ。例えばパリコレみたいな奇抜でモード系なアー写を撮ろうと思っても、僕と渉くんには合ってても、タッキー(新井崇之)とこばやんには絶対合わない。全体をカッコよくみせたいから、だったらそういうのはやりたくないし。イメージも全部ひっくるめて、新しいものを開拓しないとって思ってます。

――なるほど。『DOUBLE FEATURE』は今のLIPHLICHの集大成であり、新しい第一歩への助走となる作品となる予感がします。

久我:個人的には、今のやり方への「さようなら作品」的な部分がありますね。今はすごく気にいっているけど、すぐに嫌な作品になる予感もします(笑)。でも、次に進むきっかけの何かになる作品だろうな。

――「バンドありきで、変化しつつ、本当にカッコいいことを。そして上へ。」っていうのが今の久我さんなんですね。

久我:うん、本当に。それでいけたらいいなあ。僕はもう若くもないので、説得力を持った自分の音楽をきちんと模索していかないと。抜群のルックスって訳でもないし、とにかく若いみたいなアドバンテージがあるわけじゃないから、ちゃんと自分の音楽をやっていきたいです。

NEW RELEASE

2016年6月29日(水)発売『DOUBLE FEATURE』

無料ワンマン

無料単独公演「DOUBLE FEATURE-SCREENING PARTY-」

6月20日(月)池袋CYBER
OPEN 18:30/START 19:00

6月21日(火)仙台HooK
OPEN 18:30/START 19:00

6月28日(火)高田馬場AREA
OPEN 18:30/START 19:00

6月29日(水)高田馬場AREA
OPEN 18:30/START 19:00

8月10日(水)HOLIDAY OSAKA
OPEN 18:30/START 19:00

8月11日(木/祝)HOLIDAY NEXT NAGOYA
OPEN 17:30/START 18:00

主催公演

LIPHLICH主催 東名阪公演『DOUBLE FUTURE.1』
2016年7月2日(土) ESAKA MUSE
OPEN 17:00/ START 17:30

LIPHLICH主催 東名阪公演『DOUBLE FUTURE.2』
2016年7月3日(日) 名古屋M.I.D
OPEN 17:00/ START 17:30

LIPHLICH主催 東名阪公演『DOUBLE FUTURE.3』
2016年7月9日(土) 新宿BLAZE
OPEN 16:15/ START 17:00

ONEMAN

2016年8月27日(土)大阪ウェスティ(堺市立西文化会館)
CONCEPTUAL ONEMAN 『Use My illusion V』

OPEN17:00/START17:30
※Use My illusion V&VI会場限定CD(タイトル未定)発売

2016年8月28日(日)大阪FANJ twice
CONCEPTUAL ONEMAN 『Use My illusion VI』

OPEN17:00/START17:30
※Use My illusion V&VI会場限定CD(タイトル未定)発売

詳細は公式サイトにて。