家庭でできる「音楽あそび」に専門知識は不要!

「音楽あそび」がどんなものかイメージできたところで、鈴木先生にお話をお伺いします。

——家庭で音楽の素養を身につけるというと、クラシックを聴いたり、何か特別なことをしなくてはいけないのかと思いましたが、音楽あそびは誰でもすぐにできそうなことばかりですね。

はい。「おうちの方だからこそ」できることばかりです。私のささやかな子育ての経験から「餅は餅屋」だと痛感しました。集団を見事に誘導する幼稚園の先生を真似ることもできませんし、おけいこごとや幼児教室など専門教育においても同じ内容を家庭で再現することは難しいでしょう。

しかし、家庭だからこそ出来ることもあります。例えば本書で紹介している「歌つきマッサージ」「お風呂ドレミあそび」「子守唄を‘笑い’でチャレンジ」などは専門的な知識も不要で、おうちの方と一緒だからこそ楽しめるものです。
これらを続けていると、些細なことをお子さん自ら「音楽あそび」に変換するようになります。これは、研ぎ澄まされた感性に大きな成長を感じる喜びの瞬間です。

音楽に触れることで、親のストレス解消にもつながる

——音楽あそびで子どもを乗らせるコツや、親が気をつけたほうがいい点はありますか?

子ども以上に親が楽しむことです。本の中に「ラクラクポイント!」としてそれぞれの遊びのメリットを書いています。音楽あそびは親もストレス発散、気分転換につながるものが多いのも特徴です。

子どものために「やってあげる」というよりは、親が楽しんでいる音楽あそびにお子さんがつられてやっているというのが理想です。乳幼児のお世話をするのは本当に大変です。歌うことや深い呼吸を意識するだけでも心身はリラックスします。おうちの方の楽しそうな表情、特にママの笑顔は子どもにとって最高に幸せなのです。

いかがでしたか。本書では、今回ご紹介したもの以外にも0歳から6歳までたくさんの音楽あそびが紹介されています。家事や育児の合間など少しの時間でもできるので、皆さんもぜひ試してみてください。

ライター。音楽系の出版社で6年間勤務した後、かねてからの目標であったアメリカでの短期留学を果たし、現地でフリーペーパー制作のボランティアを行う。帰国後は、実用書を扱う出版社にて女性エッセイや心理本などの編集を担当。その後、ライターとしての活動を始める。北欧のヴィンテージ食器が好き。