毎日意識したい、爪を傷めない「指使い」

缶を開けるときは、コインを入れてタブを押し上げて

――書籍では、爪を紙やすりで削ることと毎日のオイルの他に、ふだんから爪を傷めない指使いを意識することも大切だと書かれていましたね。

嶋田さん:そうなんです。爪を道具にしていると、爪が欠けたり、ピンク色の部分がはがれる原因になります。爪に負担をかけない指使いをすることで、より地爪が長くなり、美しい爪をキープできます。

ーー例えばどういったときに注意するのがいいでしょうか。

嶋田さん:パソコンのキーボードはよくないんじゃないか、とよく言われるんですけど、スマホの画面をタッチするときのように指の腹で打てば全然大丈夫です。

爪に圧力がかかる動作が爪にはよくないんです。例えば洗濯機から洗濯物を引き上げるときですね。みなさん無自覚なんですけど、布がいちばん危険なんです。

爪先を使うのではなく、人差し指の第ニ関節と、親指の第一関節でギュッとはさんで引き上げるのがポイント。パンツや水着を着るときもこのやり方がおすすめです。

お子さんの服を着せたり脱がせたりするときには、急いでいて爪が持っていかれることが多いので、特に注意が必要です。全部、指の関節を使ってやります。

段ボールをつぶすときには、箱を横にして段ボール部分を押してテープを浮かせてから、指の腹でテープをむくか、カッターがあればそれを使います。

また、シールをはがすときに爪を使う人が多いと思います。私も爪を使うんですが、皆さんとはおそらく方向が逆向きなんです。

爪の表面を上にして爪先をシールの端に押し当てて、爪をヘラのようにシールの下から潜り込ませるようにしてはがすんです。少しはがれたら、その部分を指の腹でつまんではがします。

一度試してみると、快適さや楽しさを感じて、次もまた試したくなってしまい、いつの間にか習慣になっていきます。

カードケースからカードを抜くときは、親指と人差し指の腹でしっかりとつかんで

――一度試してみると自然と習慣になるんですね。

嶋田さん:そうなんです。そして、動作が分解されて丁寧に見えます。茶道でふすまを開けるときのように、しぐさが美しくなるんです。

さらに、モノも丁寧に扱うようになるので壊れにくくなります。お皿を持つときや洗うときにも、指の関節でしっかりはさんで持つようになるので、落として割ることも減ります。

――子育て中はすべてが雑になりがちなので、そういうときほど爪先の使い方を意識したらいいのかもしれませんね。

嶋田さん:そうですね。焦っているときに雑な動作で爪に亀裂が入ることが多いようです。

万が一亀裂が入ったときには、その場で傷テープを手の甲側の第一関節から手の平側の第一関節にかけて、縦に貼ってください。

そのままにしておくと、亀裂にタオルや衣類がひっかかり、爪が完全にちぎれてしまったり、爪が指からはがされて血が出てしまったり、といった二次災害につながります。家に帰ってから傷テープをはがして、紙やすりで削れば大丈夫です。

  1. 爪を伸ばす
  2. 紙やすりで削る

1、2の繰り返しで元のキレイな形の爪に戻ります。