プレッシャー世代と日本経済のこれから

<20代の貯蓄率推移
将来への不安から、貯蓄志向が高まっている⇒80年代にはあまり差のなかった20代と60代の貯蓄率(可処分所得に占める貯蓄の割合)だが、’10年は20代が27.8%、60代が1.4%と大きな差が生じている。20代の貯蓄志向の高さを伺い知ることができる。/総務省「家計調査年報」をもとにJMR生活総合研究所作成 ※平均消費性向をもとに算出。
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日常生活の充実には出費を惜しまないプレッシャー世代。今後、彼らの消費スタイルがスタンダードとなると松田さんは予測する。

「これまでの日本経済は3つのサイクルに分けることができます。まず、ひとつ目が明治維新から第二次世界大戦まで。次に、戦後から高度経済成長期・バブル期まで。そして、バブル崩壊後から現在までは3つ目のサイクルに入っており、これまでの価値観が破られる転換期でもあります。そして、これからの時代に則した新たな価値観をつくり出していく原動力となるのが、プレッシャー世代でしょう」

もし、プレッシャー世代にとって魅力を感じられる商品が少ないという状況が続けば、消費の低迷は続き、日本経済はさらなる苦境に陥る可能性もある。しかし、松田さんは「活路はある」と見る。

「経済不況だと言われていても、収入の半分で衣食住を賄うことができる日本は豊かな部類に入ります。どこかの企業が新たな商品サービスを提供し、プレッシャー世代がそれを受け入れる余地は十分にあるのです」

今後、ますます市場での存在感を増していくプレッシャー世代。日本経済立て直しのカギは、この世代のニーズを正確に把握し、それに適した商品サービスを提案できるかどうかにかかっている。

(雑誌「ウレぴあ」秋号より  blueprint = 取材・文 田中英樹 = イラスト タナカケンイチ = イラスト)


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松田久一さん (JMR生活総合研究所代表取締役
日本マーケティング研究所代表取締役社長)

まつだ・ひさかず●情報家電産業、食品・日用品業界でのリサーチ・マーケティング、戦略経営の実務に携わる。現在は実務のかたわら、政府や自治体などの経済関係の専門委員も務めている。著書に『「嫌消費」世代の研究』『「嫌消費」不況からの脱出』などがある。

 

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